夢の中でも勉強かいっ!!
私は又も夢の中で目を覚ました。
『ルナ~、ユリーナ起きたよ~』
セレナの声が頭の中に軽やかに響く。直ぐ側にいてくれた様だ。……寝顔見たな? そういうのって気にするお年頃なんですけど〰っ、と心で呟く。
『気分はどう?』
続けて優しく問いかけて貰ったので、気持ちを切り替えることにした。
「……うん! なんか軽い感じがする」
こうやって聞いて来るってことは、本当に悪気は無かったみたいだな。……あのジャムを選んだのは私自身だったんだし。
セレナがニコッとしながら私の顔を覗きこむ。……やっぱ可愛いな。小悪魔なんてメモって悪かったかな。
ルナがドアを開けて入って来た。って、あれ? ……ベッド借りてたよ!
「ユリーナ、すっきりした?」
「うん。ごめん、ベッド借りちゃって」
「いいのよ、先に瓶の中身の説明をしなかったこちらが悪かったわ。鳥の件もあるのに」
瓶の中身の説明……ってことはやっぱり!
「あれって、魔法薬なの?」
「んー、一応そうなるのかな? あのね、世界は繋がってるでしょう? モチロン、地面の意味では無いわよ? ……食物連鎖とか、血筋とか。……雨が降って川になり、気温差から雲が生まれてまた雨が降る、そういう意味と同じ。……お腹をすかせた動物がいれば実のなる果物があって、ケガをした人がいれば傷を消毒する草花や治りを早める泉があるの。私たちは先祖代々、そういった教えを守って生きてるの。それだけよ」
ルナは肩をすくめた。そして、首を傾げる。
「セレナと話してたんだけど、ユリーナはこの世界の人じゃないでしょ? この世界の事はどれくらい知ってるの?」
そう聞かれて、私は今回は素直になろうと思っていたので、首を横に振った。
「そう。カリフォに行くまでに、まずこの世界の事を少しは知っておいた方が良いと思うの。こっちへ来て」
ルナは(私にとっては昨日の)テーブルのある部屋へ行った。大人しく付いて行くとルナがあの時計の様な物を指差した。
「これを見て。今から話すのは昔から伝わる物語なの。この世界がどうやって生まれたのか、という話なんだけどね……」
こうして、この世界の勉強会が始まったのだった。