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(75) 燃料調達16

どうも、皆様お久し振りです。

と、言いますか、大変、大変、大変~、お待たせ致しました。

年明け一発目、やっと書き貯めた分を投稿したいと思います。

それではどうぞ!

『しまった!ジャムったか?』



和馬は今、弾丸が発射されなかった原因を給弾不良によるジャム(弾詰まり)だと直感し、慌てて銃本体を確認するが、予想に反しベレッタのスライドは大きく後退したままホールドオープンしており、これは全弾撃ち尽くした結果による弾切れ状態を意味していた。



『しまった!これじゃ、弾なんて出る訳がない!』



この肝心な局面で弾切れの状態へと陥った和馬は、今まで有利だった立場から一気に不利な状況へと追い込まれた事に対し動揺の色を隠せない。

ただ、ここで疑問なのは、ベレッタの弾丸がフル装填ならば、まだ充分に射撃は継続可能だった筈なのだが何故、こんなタイミングで弾切れとなってしまったのだろうか?

実は以前、墜落した海兵隊ヘリコプター内で、この銃を発見した際、一応はマガジン内の残弾数の確認だけはしたものの、その後、不足分の弾丸装填をすっかり忘れていた事が大きな原因であり、窮地へと追い込まれたのも単に自身の甘さゆえの結果であったのだ。



『もうマガジンチェンジも間に合わない!くそっ!どうする?』



既にもう感染者は、体をふらつかせながらも、和馬の目と鼻の先まで接近して来ており、相手との間合いから考えても最早、マガジンチェンジをしている猶予など残されてはいなかった。



『こうなったら、こいつで……』



銃による射撃を即座に諦めた和馬は、これ以上相手に間合いを詰められぬ様、ゆっくりと後退しながらも左手に持ったマチェットのグリップを更に強く握り締め、いつでも相手に打撃を加えられる様、構えの体勢をとる。



『こんな所で殺られてたまるかよ!』



今の状況が自分にとっていくら不利だと解っていても、和馬は決して絶望はせず、感染者が発する狂気に満ちた叫び声を聞いても全く怯む事はなかった。

まず、この様な最悪な事態に追い込まれた場合、大抵の人間は目前に迫った危機的状況に対して恐怖し、畏縮してしまいそうな物であるが、逆に和馬の場合は相手からの攻撃に対する防御の体勢を固め、更に神経を研ぎ澄ます事によって窮地をものともしない気迫さを全体に漂わせ始めていた。

無論、そうは言っても、今の和馬のコンディションは不調ともいえる状態であり、この様な接近戦は彼にとっては随分と分が悪いともいえるのだが、それでも事態への対処は非常に冷静であり、全く隙を見せないばかりか、相手の繰り出す動きを常に把握し状況を的確に捉えていた。



『さあ、来やがれ!』



ふらつきながらも、ゆっくりと近付いて来る感染者に対し、痛烈な一撃を加えるべくマチェットを大きく上へと振り上げた和馬は、構えの体勢を保ったまま、相手の体へと振り下ろす際のタイミングを計り始める。



『ここだ!』



今、目の前にいる獲物を捕らえ様と両腕を前へと突き出した感染者が、マチェットの打撃範囲内へと最接近してきた瞬間、和馬は構えていたマチェットを袈裟斬りの要領で、そのまま斜め下へと向かって一気に振り下ろした。



『ぐっ!』



肩から腰にかけて一文字に太刀筋を付けるつもりで勢い良く振り下ろした和馬の手首には、何故か強い衝撃と共に押し戻される様な抵抗感が伝わって来ており、不審に感じ、目を向けた先には、振り下ろした筈の黒い刀身が感染者の腰の部分では無く、予想に反し、右上腕部へと食い込んで止まったままとなっていた。



『しまった。間合いを見誤った!』



完全に相手との間合いを掴み損ね、袈裟斬りに失敗してしまった事で、やや動揺する和馬ではあったが、それでも右上腕部に与えた痛烈な一撃は相手にとってもそれなりのダメージとなって効いてきており、直ぐに感染者は更に体をよろつかせ、体勢を大きく崩し始める。

ここで一旦、掴んでいたグリップを離し、後ろ側へと後退りした和馬は、腕に深々と突き刺さったマチェットをぶら下げたまま、尚も執拗に片腕を伸ばして来る感染者との間合いをとりつつ、次の攻撃への機会を窺う。



最後まで読んで頂きまして、ありがとうございます。

今年も「壊れゆく世界に希望を求めて」を宜しくお願い致します。

それでは、次回をお楽しみに!

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