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(74) 燃料調達15

読者の皆様、お待たせ致しました。久々の更新となります。

今回も和馬と感染者との死闘が続きます。

それではどうぞ!

一方、その頃、これ以上、車内に留まり続けるのは危険だと感じた和馬は、籠城を諦めて車外へと出ると、両手に武器を携えたまま、この場を一刻も早く離脱しようとしていた。

車外へと出るや否や直ぐ様、急接近して来た感染者数名を瞬く間に射殺した和馬は、左手にはマチェットを構え、右手においては握り締めたベレッタM9の銃口を左右前方へと向けつつ、前進を開始する。

だが、そんな中、数歩前進したのも束の間、先程の銃声を聞きつけた新たな感染者が早くも車両脇より姿を現し、和馬の行く手を遮る。




『くそっ!また来やがったか!』



構えたベレッタM9の銃口をやや下へと下げ、一番面積が広く比較的命中させ易い胴体部分へと狙いを定めた和馬は、先ずは走って来る相手の勢いを確実に止める為に三度繰り返しトリガーを引き、9mmパラベラム弾を連続して放った。

至近距離から放たれた銃弾が、相手の胸部にダメージを与えた事で、足が止まり、体のバランスを崩しつつある感染者の横側へと回った和馬は、更なる銃撃を浴びせるべく、今度は相手の側面部へと銃口を向ける。

下手に抵抗出来ぬ様、相手の動きを完全に封じる為、ゆっくりと倒れ始めている感染者の頭部へと狙いを定めた和馬は、指先へと掛けていたトリガーを一気に引いた。

二度に渡る射撃音の後、ヘッドショットされた反動により、頭部を斜め上へと勢い良く跳ね上げた感染者は、放置車両へと激しく体をぶつけつつ、そのまま車体へ持たれ掛かった状態で、ズルズルと地面へと崩れ落ちてゆく。

車両のタイヤへと頭を持たれ掛けたまま、激しく痙攣を始める感染者のこめかみからは、2ヶ所に渡って開けられた銃創部分より、まるで湯水の様に鮮血が溢れ始める。

相手が完全に行動不能となった事を確認し、足元へと転がった薬莢を軽く足で蹴った和馬は、額から流れ落ちる汗を袖で拭いながら、再びベレッタM9を進行方向へと向けて構え、ゆっくりと歩き始める。

度重なる感染者の襲撃を受けている事から、絶えず周囲を警戒し、ベレッタの銃口を左右へと向ける和馬の耳には、救出に向かう為、接近して来るピックアップトラックのエンジン音が聞こえて来る。



『おっ!英二さんが来てくれた!』



やっと自分を救出してくれる仲間が近づきつつある事に対し安堵し、次第に緊張が緩み始めていた和馬の前に突然、上下迷彩服姿の感染者が車両の陰から姿を現す。



「くそっ!またか!」



目の前に獲物となる標的を見つけた事で、血に塗れた真っ赤な口元を歪ませながら全力で疾走して来る感染者を前にした和馬は、前方へと向けて構えたベレッタM9のトリガーへ指を掛け、素早く相手の胴体部分とベレッタのアイアンサイトとを重ね合わせる。

急接近して来る感染者に向け、急ぎ照準を合わせた和馬は、即座に指先へと掛けたトリガーを引き、その瞬間、強い反動と共に銃口から放たれた9mmパラベラム弾は相手の胸部へと狙い通りに着弾する。

胸部を抉り、肋骨を破壊し、更に奥へと位置する肺へとめり込んだ9mm弾は、疾走して来る脅威対象の勢いを失わせたばかりで無く、呼吸器系に対しても深刻なダメージを与える形となり、感染者は激しく呼吸を乱しながら口から幾度と無く吐血を繰り返す。

遂に体のバランスが維持出来なくなった事から、まるで千鳥足の様によたよたと体を左右へとぶれさせながらも、尚も接近を続ける感染者に対し、和馬は更なる銃撃を加えるべくトリガーへと掛けた指先に再度力をこめる。



「ん?」



直ぐに訪れるであろう強いリコイル(反動)に備え、構えた右手に力を込める和馬であったが、本来聞こえて来る筈の激しい射撃音も押し返す様な反動すらも彼の腕へと伝わって来る事は無く、何故か銃は沈黙したままであった……。

最後まで、読んで頂きましてありがとうございます。

次回も感染者との死闘が続きます。

それでは次回をお楽しみに!


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