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(70) 燃料調達11

読者の皆様、お待たせ致しました。今回も和馬と感染者との死闘が続きます。それでは、どうぞ!

「やっぱり来やがったか。ちっ!一息つく暇も無いぜ」



思わず苦々しい口調で呟いた和馬は、車内に侵入しようとしている感染者を撃退すべく、片手でコルトM4を構え、即座に銃口をむける。

まるで野獣にも似た叫び声を上げ続けている感染者は、先程の銃撃で倒れた感染者の体を踏みつけながら大きく身を乗り出し、目の前にいる和馬を狙って更に車内へと侵入し始める。

直ぐにでも獲物に喰らいつきたいという一心で車内に体を潜り込ませ、両腕を大きく伸ばして来る感染者に対し、和馬はACOGのレンズ内に浮かび上がるレティクルセンターポイントと相手の頭部とを素早く重ね合わせる。

もう、これで後は指を掛けているトリガーを引きさえすれば、ヘッドショット完了となる筈だったのだが、ここで一つ和馬にとっては全く計算外な事態が発生してしまう。

何と、この時、和馬を掴み捕らえ様と伸ばしていた感染者の両手は、事もあろうに狙いを合わせていたコルトM4の銃身をがっちりと掴んでしまったのだ。



「あっ!くそっ!放せ!」



感染者によって、両手でしっかりと掴まれてしまった銃を和馬は慌てて引っ張ろうとするが、相手は決して銃身を離そうとはせず、掴んだ状態のまま更に車内へと入り込もうとして来る。




『こうなったら、また弾を食らわせるか』




このままでは、まず埓が開かないと判断した和馬は、銃身を掴まれた状態のまま、相手の腹部へと向けて繰り返しコルトM4のトリガーを引く。

3度に渡る激しい射撃音が車内へと響いた後、体に受けたダメージによって、それまで車内へと押し入ろうとしていた感染者の動きが急に鈍り始める。

この銃撃によって、感染者が弱り始めている事を瞬時に悟った和馬は、ここで間髪を入れず、相手の腹部へと向けてライフル弾を更に立て続けに撃ち込んでゆく。

再度、ゼロ距離から銃弾を腹部へと撃ち込まれた感染者は、頭を垂れ血塗れの状態で銃身を掴んだまま、ゆっくりと後ろへと倒れ始める。



「し、しまった!」



それは、一瞬の出来事だった。

あろう事か、コルトM4を片手で構えていた和馬は、グリップを握っていた手を滑らせてしまった事で、そのまま感染者に大切な銃を持っていかれる結果となってしまった。



「あっ!くそっ!」



慌てて身を乗り出しつつ手を伸ばした和馬は、何とかして奪われた銃を取り戻そうとするが、両手でしっかりと掴んだままの感染者は、そのまま後ろ向きに車外へ出る形で道路側へと倒れ、その弾みで落下した銃は、滑るように回転しながら道路上を転がってゆく。

これに対し和馬は、大切な銃を突如失ってしまった事を心底悔やむが、そうは言ってもこの状況下、まさか今から車外へと出て取りに行く訳にもいかない。



「か、代わりの銃は……」



突然、武器を失ってしまった事により、慌てて腰に付けたホルスターへと手を当てた和馬は、ホルスターに挿してあるベレッタM9を引き抜き、更に腰の反対側に装着しているマチェットをいつでも引き抜ける様、シースロックを外す。

直ぐ様、右手に握ったベレッタM9のセーフティーを解除し、運転席側へと銃口を向けた先には、和馬を狙って新たな感染者が姿を現し、車内への侵入を開始しようとしていた……。




最後まで読んで頂きましてありがとうございます。

次回も車内での攻防戦の続きです。

では、次回をお楽しみに!


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