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(44) 装備品入手1

読者の皆様こんにちは。

今回は、和馬達が今の世界を生き抜く為に非常に重要な、あるアイテムを入手する事になります。

それでは、どうぞ!

「あった!ありましたよ。雄太さん」



今、和馬が抱き起こしている兵士の手の甲には、包帯が幾重にも巻かれており、手当て後もまだ出血が続いていたのか、包帯には赤黒く血が滲んでいる。



「やっぱり、そうだ。恐らく、この兵士は作戦行動中に感染者によって手を噛まれ、キャリアの状態で、このヘリコプターに乗り込んだ。次の作戦行動の為、移動中に機内で発症し、感染者と化して操縦士に襲いかかった。ここで、副操縦士ともう1人の兵士が感染者に対し、銃を発砲して射殺。操縦士の方は、頸部を噛まれ、激しく出血した事により瀕死の状態となり、結果、操縦士を失い、飛行不安定となったヘリコプターは、低空飛行の状態から一気にコントロールを失い道路上へと墜落した……。雄太さん。墜落事故までの流れって、こんな感じじゃないですかね」



「そうだ。うん、そうだよ。和馬君。恐らくはさあ、全て、あっという間の出来事だったんだろうな。そういえば、和馬君。副操縦士の方はどうなったんだろう?生存しているんだろうか?」



「ちょっと待って下さい。今、見てきます」



ここで、和馬は、抱き起こしていた兵士の遺体を下へと降ろすと、今度は、前方のコックピットへと体を潜り込ます。




『どれどれ。あ〜、ここは、随分と血が飛び散っているな』




天井部分や壁側へと血液飛沫が多数付着した状態となっているコックピットルームへと入り、上を見上げた和馬は、シートフルハーネスによって固定されたまま、ぐったりと頭を垂れている副操縦士の姿を見つけると、脈の有無を確認する為、手を伸ばし直ぐ様、頸部へと指を当てる。



「どうやら、脈は無いな。肌も冷たくなっている。お〜い、雄太さん」



「どうした?和馬君」



「残念ながら、副操縦士の方も駄目ですね。こうなると、結局、このヘリコプターの生存者は無しという事か……」



頸部から指を離しつつ、大きな溜め息をついた和馬は、一度深く息を吸い込み、気を取り直すと、今度は操縦士が携帯している装備品類の確認を開始する。




『操縦士の腰のホルスターには、自動式拳銃が1丁に後は、予備マガジンか。副操縦士の方は自動式拳銃を握ったままだな。恐らくは、感染者と化した兵士に向かって発砲していたんだろうな。さてと、亡くなった人には、悪いけど、貴重な武器だ。折角のこの機会に頂いておくとしよう。おっ!まずは着用しているタクティカルベストが使えそうだな』




ここで、和馬は、副操縦士が着用しているタクティカルベストをこの機会に頂戴しようと考え、直ぐ様、手を伸ばすと、体を固定させているシートフルハーネスのロックを解除し素早く、後ろへと下がった。

ロックが外され、体をしっかりとシートに繋ぎとめていたフルハーネスが外れた事により、副操縦士の遺体は、万有引力の法則に従って、下にいる操縦士の遺体の上へと落下してくる。




『こんな事をして、本当に申し訳ない。でも、この世界で自分達が生き残る為には、どうしても、あなた達が装備している武器が必要なんだ。だから、悪いけど、あなた方の武器を頂戴します』




重なり合う2体の遺体に向かって、心の中で詫びながら、両手を合わせた和馬は、まずは副操縦士が着用しているタクティカルベストとホルスターを外し、そのまま手に取ると、早速、装備品として着用してみる。




『予備マガジンが入っているせいか、タクティカルベストは結構ずっしりとくるな。さてと、次は、この人が握っている自動式拳銃を頂いておこう』




次に副操縦士の腕へと手を伸ばした和馬は、自動式拳銃がしっかりと握られた右手を持ち上げ、グリップとトリガーに掛けられた指を一本、一本、力を込めながら外してゆく。




『うわっ!思ったよりも固いな。これが、死後硬直という奴なのか。くそっ、それにしても外れないな。おっと!外れた』




苦労しながらも、何とか握り締めていた指一本一本を外し終え、やっと自動式拳銃を手にした和馬は、早速、グリップを握ると前へと腕を伸ばして銃を突き出し、構えの姿勢をとる。




『へえ〜。これが、ベレッタM9か。流石、本物だわ。こいつ、中々、重量感があるぞ』




現在、アメリカ軍において制式自動式拳銃として採用されているベレッタM9を手に入れた和馬は、マガジンリリースボタンを押し、グリップ内からマガジン(弾倉)を取り出すと装填されている弾丸の残弾確認を行う。




『弾丸は、残り僅かか。あと、数発撃てば、終わりって所だな』




金色に鈍く光る9mmパラべラム弾の残弾確認を終えた和馬は、引き出していたマガジンの再装填を素早く行う。




『さてと、次は、操縦士が持っている装備品を見ておくとするか』




小気味良い装填音と共にマガジンの再装填を終えたベレッタM9を先程、着用したばかりのホルスターへと収納した和馬は、次に操縦士の遺体へと手を伸ばし、腰のホルスターに収納されているベレッタM9のグリップを握ると、そのままゆっくりと引き抜いた。




『うわあ。着ているタクティカルベストとホルスターは血だらけだなあ。しょうがない。取り敢えずは、ベレッタと予備マガジンだけ頂いておくとしよう』




和馬は、操縦士が着用している血塗れ状態となったタクティカルベストの各ポーチ内へと手を入れると、収納されていた予備マガジンを掴み出し、先程、自分が装着したばかりのタクティカルベストのポーチ内へと収納してゆく。




『よし、よし。まずは、拳銃の入手完了だな。さてと、次は……』




もしも、これから先、再び感染者による襲撃を受けたとしても、充分に相手と渡り合う事の出来る強力なアイテムを手に入れた和馬は、コックピットルームから出て来ると、今度は兵士2名の遺体が身に付けている装備品の確認を開始した……。

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。

第41話「装備品入手」いかかだったでしょうか。

次回はもう1つの武器アイテムが登場します。

お楽しみに!

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