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帰って旅立つ。

世界は生まれ変わり、神が受け継がれる。


ここはそう、旅の前、けれど旅の終点。


異世界へ渡航する前の状態に、旅の初めの時の世界へ戻したのだけれど、みんなには記憶がある。


人の旅を無かったことにするのは違う、だから記憶はなければならない。けれど私が誕生するためだけに死んだ人をそのままにするのも、きっと違うかもしれないから、戻した。


私が壊したものは、亡くなったのだ。


神の権利を私利私欲に使ってみせれば、宇宙にしばらく浮くことになる。


(やったんだな)


水龍さんが、そう語る。


「まだ、あと少しだけ、あります」


終点が終わりというわけではない、旅の終わりは、帰るまでだ。


そう、だからそのために、みんなを一か所に集めた。


何光年という距離を、一瞬でワープして見せて、青く澄んでいる星を見渡せば、帰ってきたのだとわかる。


降りて、重力を感じて、息を吐く。


我が家、広い庭の中に、大勢の人がいた。


「ただいま」


「おかえり」


アシリアが返してくれた、私の、この世界の、一カ月ぐらい会っていなかった彼女が。


ジエーデ、アリスト、ヒヨドリィナ、アシリアは、私を出迎えてくれる。


「本当、疲れたよ」


話せることはたくさんある、話したいことはもっとある。


私の旅は終わった。


それはつまり神様の旅も終わりであり、世界は生まれ変わったということである。


だからこの物語はここでおしまいだけど、次たる旅路は開かれている。


さあ、未来の話をしようか。












光堂リンは、神様、この世界全てを作りしものの生まれ変わりだった。


世界というのは、地球があるもの、リンが旅した星がある場所、もう一人のリンがいた場所と、つまり想像できる全ての可能性を秘めた認識できる存在全てを纏めた総称である。


過去は当然、未来だって彼が概念を作った。


リレイドも、キリツグも、アカリガも、起源と呼ばれるような存在の生みの親でもある。


なぜ彼が産んだのかはわからない、なぜ彼が転生をしたのかはわからない。


それは過去を確かめる方法がないから、などではなくて、本当にわからないからだ。


神が行う行為の次元が、どうして我ら人間に認識と理解と抽出ができると思えるのかは、わかるだろう。


仕組まれ生まれ、運命が翻弄し、作為に動かされ続けた光堂リン。


それが、世に別れた七体の龍を手に入れて、外見が完成した。


己が力を7つに分けた神が、完成したのだ。


かといってそれでは神に遠く及ばない。


それでは神と同じだけの器を持つだけであって、力はない。


だから、リレイドが全世界の魔力を9割奪い、リンが世界に語りかけて認めてもらい、残った反乱分子をキリツグが取り込むことで、あの場には世界全てがあったのだ。


そしてそれがリンに集い、ようやくそこで神の再誕は承認された。


これが運命。この物語の全て。


けれど、それを承認したのは誰だ。


神様がルールを作った、神が全てをお作りになった。


ならば神は誰に作られた。


神といえど所詮は生物、起源がある。


その起源は、どんなのだろう、概念のような、生物ではないかも、意識の集合体のようなものかも。


もしかしたら、この世界全ては妄想で、だから矛盾や解明不能なことがあるのではないだろうか。


常にあるのが未知であり、それが本当の未来であり、それが光堂リンの目の前にやってきた。


スライムの、奇妙な生物。


それはあの場の誰よりも高尚なのであり、何よりも未来に君臨するものであるのだから、無限そのものである。


そのものがリンに力を貸し、神を殺した。


大替できた神の座に座り、光堂リンは世界を作る。


それは未来を秘めた世界である。


自分のために犠牲になったものを再生し、また歩き始めた私たちの世界は、またいつか新しい神を生む。


それが輪廻、ミクロではなくマクロ的な、世界規模の回転である。


巡れ命よ循環し、いつか神へ帰るために。

















私は誰だろう。


いつもそう思っていた。


掴めるようで掴めない確信が、頭の中で存在を放つ。


不安だった、自分に足りないものがあると思うと、不安だ。


幸せでも、もしかしたら、その確信を得ていないから、本当に幸せと思えているのかもわからない。


ああ、私になりたい。


神様になれどその気持ちは変わらない。


完全、完璧。


ジエーデは私をそうやって表す。


でも辞書通りの意味ではないらしい。


アシリアは、興味なさそうに、いつアイドル活動を復帰するのかを訊いてくる。


いわく、私が誰なんぞはどうでも良いらしい。


なぜなら、私が好きだから、貴様がリンかどうかなど、誰であるかは関係ないからだ。


ヒヨドリィナは、どうでもいいよねえ、と紅茶を飲みながら言っていた。


自分が誰かなど、自分が完璧であること、それら全てに意味があるのかと、彼女は言う。


私は、どうしたらいいのだろう。


私は、私は、私は!


「誰なんだろう」


「リンは……リン……だよ。最初の……あの夜空の日からずっと……私にとっての……リン」


「……そうか」


「ずっと……私のそばにいてくれる……光堂リン……」

自分についてなんて、世界の全てについてなんて、わからないのだからある程度は適当に生きることも大事なんじゃないですかね。

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