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光堂リンダッシュ。

世界の全てを奪う魔法。


世界と世界を混ぜる魔法。


その二つ、同時に放たれて、世界はどうなる?


彼女が指した世界は、彼が世界を混ぜてあやふやにした。


けれど魔法は放ったのだから、結果が返ってくるはずである。


リンの視界が染まる。


世界が壊れて、世界が混ざり合って、色を持つ。


次に見えたのが青い空で、その次に立ち並ぶビルが。


(異世界か?)


(どこの)


(キリツグがいた場所でしょう?)


龍は見れない私の代わりに、状況を見る。


見たことある、地図で見たのと同じ景色。


「東京」


でも帰還を喜ぶことはできなくて、敵の攻撃を受けることになる。


「リレイド!」


解けていない龍装が、我が身を守って破壊された。


普段着になってしまった私は吹き飛ばされるがまま、ビルに突っ込んだ。


ガラスを突き破り、もう一回突き破り、こんどは隣のビルへ押し込まれる。


人がいる。


ビルの壁へ埋まり、見える景色、私の方を見る眼。


スーツを着た社会人が、西洋服の私を奇怪に見る。


「どのみち殺すだけ!」


リレイドの追撃。


速度を乗せた蹴りが迫って、私はモロにうけてしまう。


背後のビルが折れて、衝撃波でガラスが割れて、人の悲鳴が聞こえてきた。


街中へ倒れ込む高層ビルが、数多の建物を下敷きにする。


何人死んだんだ、今ので。


「動くな」


「は」


今の声、聞こえた声は、私。


(リンが、二人!?)


緑龍の叫び通り、私の目の前には、私がいた。


空に浮かび、わたしたちを見下すのは、光堂リン。


(光堂リンダッシュ……)


「お前らが、何者かは知らない。が、友達の願いなんだ、殺す!」


(防げ!)


「土魔法!」


リンダッシュの手のひらから放たれた雷を土の壁が防ぐ。


(私であって、私とは違う!)


「死ぬのは貴様だあ!」


リレイドの攻撃、真正面から迎え撃つわたしダッシュ。


(互角……!)


このわたし、私より強い!


確定された順付が、私達の弱さを露呈させる。


余波で吹き飛ばされて、コンクリートの地面に叩きつけられる。


「どうしよう……」


凹んだ地面から這い上がって、何とか上に登ろうと奮闘する私の心を、銃声が止める。


「光堂リンの偽物!止まれ!」


自衛隊が、私を囲む。


見物人のスマホが、私を見つめる。


さすが私、手回しが早い。


目線がキツい。


辛い、刺すようで。


私がどんどん惨めになっている。


こないだまでステージに立って、人の視線は嬉しかっのに、今浴びているのは敵意殺意恐れ。


アイドルとは程遠い場所に、何で来てしまったのだろう。


(リン……)


青龍さん、私は間違ってたのかね。


(そうじゃないだろ)


だよね。


(まだある!繋がりはある!それは来てくれたんだから、クヨクヨするな!)


「うん!」


一歩、歩く。


一歩、皆が退く。


私は敵だ、この世界の!この地球の敵なんだ!


悪で愚かな、誰にも幸福を呼べない人なんだ。


「リン!」


「光堂リン!」


でも、私を助けてくれる人はまだいる。


「……ありがとう」


ジエーデと、アカリガが来てくれた。


「景色が変わったと思ったら、リンが二人いたんだけど」


「うん」


「なんか、随分萎んだね」


「そうなんだ」


「……何があったかは、聞かないよ」


「うん」


「今はさ、一緒に歩いてあげるだけだよ」


「ありがとう」


久しぶりに会ったジエーデは、変わらず真っ直ぐな青年だった。


「リン」


「アカリガ」


「何があったかを聞いている暇がありそうにないのですが、これだけは聞きます。何をしたいんですか?」


「それは」


空を見る。


はるか上空で、リレイドとリンダッシュが戦っている。


そしてその戦闘に時々入り込む黒い光線。


「リレイド……あのアリストの外見をした彼女と話をしたい」


「じゃあ、キリツグの足止めは任せてください」


「いいの?」


「世界がこんがらがってくれて、私の契約もパーになりました。自由のみの私に契約する権利があるのは、魔力をくれた貴方のみですよ」


「ありがとう」


「じゃあ、他のは私がやるよ」


「……」


「殺さないよ。人殺しは、二度とごめんだからね」





キリツグの相手は、アカリガとジエーデがやってくれる。


なら、私は。


「龍装、風!」


風が衣装となり、貴族服が私に纏われる。


その姿はまさしく王者、空の覇者、


力の根源を龍と示すため、巨大な翼、長く艶めく尾が生えてくる。


緑のネイルと緑のメッシュ。


右手に与えられるのは、巨大な弓。


「切る!」


金属で作られた弓は、その造形から斬撃武器としても使える。


「雷鳴剣!」


リンダッシュへ切り込み、鍔迫り合いになる。


雷で作られた、常に光るその剣。


雷、それが目の前の力。


雷鳴が光り、私へ向かう。


避けた後に音が聞こえてくるのだから、まさしく雷鳴。


距離を取り、私を魔法で焼き殺そうとする私ダッシュに向かい、矢を放つ。


速度を上げ、ヒートアップ。


テンポアップは呼吸のリズムを変える。


上がるリズム、高まる緊張、それら全てを打ち壊すリレイドの無差別ビーム攻撃が放たれた。


「龍装、氷!」


地上へ向かうそれを巨大な氷のレンズが無理矢理屈折させ、その対象全てをリンダッシュへ。


「性質変化!」


ビームが当たる一瞬、体を雷にして無効化された。


氷の足場を空中に作り、その上を駆ける。


「電気だって凍らせられる!」


圧縮、解放。


魔力を消費して、私を中心に半径100メートルの氷球を作る。


その範囲内に、もう一人の私とリレイドが居て、身動きを封じ込めることができた。


「できたけど、持って後ゼロと同じ!」


製作者の特権で、氷に穴を作り氷球の外へ出る。


「龍装、炎!」


瞬間、背面のブースター全力噴射!


割れた氷球、中にいる私を、隙だらけの私を、思いっきりぶん殴る!


効き目は薄いのは、わかっているからもう一発!


さらに、もう一発を、


「光れ私よ!」


雷鳴の発光、砕け散る無数の氷ガラスが、ミラージュとして無数の私を映し出す。


迷った、どれが本物か、迷ってしまった。


右手のパンチが数コンマ遅れ、このままではカウンターをモロに喰らう。


「龍装、水!」


ブースターの加速を切り、速度の変化によりカウンターの肘打ちをミートをずらして受ける。


全力の水龍剣による一撃が、リンダッシュを貫く。


「フォトンブラスト!」


水龍剣の性質、刀身の水質化を使い、体内へ水を注入、その水を内側から爆発させる!


「強くなって、私の時よりも!」


リレイドが思わずそう叫んだのは事実で、光堂リン、私たちが見ていた彼は、今、この瞬間も成長している。


のぼって、登って、昇り続ける。


落ちた後は、上がるだけ!


「本気を、出すしかないわけだ!」


「電気エネルギー!?魔力に変えられるの!?」


雷が、彼に集う。


日本の電力、世界中の電力が彼に集い、そのエネルギーは先ほどまでとは程遠い。


「確か、こうしてたよな」


まさか、いやそうに決まっている。


「龍装、雷鳴!」


彼だって、成長するはずだ!

キリツグともう一人のリンは友達でかなり仲良しだったらしいです。

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