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我が一片の人生  作者: novicehork
幼年期
4/5

アキヤマの1日 前編

閑話

アキヤマリュウ23歳

高卒で警察官になった。

完全な親の勧めだった。

それと俺は剣道が強かった。

もともと県警主催の大会で優勝もしていたし、高校も自慢じゃないが体育推薦だった。

高2から団体にも出てたし、個人でも全国出場経験の猛者だ。

自分で語るのも恥ずかしいが。


今年頭に交番から本署に配置換えされた。

俺は、正直、交番のほうが好きだったが、先輩から、上を目指せるうちにやれと言われ、ノリで昇任試験を受けた。

剣道効果があったらしく、一発で合格。

本署に引き上げられた。

「おい、アキ。茶。」

この方が上司のアワダさん

バツイチで子持ち。

平日は親に預けているらしい息子のトオルくんがいて、

毎日のように保育園?幼稚園?どっちか忘れたが、電話がかかってくる。

その電話になると、いつものヤサグレ感がなくなり、弱腰になってそそくさと喫煙所に消えていく。

よっぽどの問題児らしい。


今日も今日とて天気良く、明日は非番だ。よく寝るぞっと

「アキクン。ちょっと用があるんだけど」

と、後ろから聴こえた美声

我署の女帝様である。

「2年前の事件で保護された子のことで....」

ああ、それは、できればもう終わらせてほしい。


俺が交番勤務でいた頃、近所の仲のいい夫婦がいた。

「おはようございます!」

「あら、今日もいい声。お腹の子にもその元気分けてね〜」

キリヤマアヤコさんといって、和やかで感じのいい人でもうすぐお子さんが生まれるそうで、いつも幸せそうにしていた。

旦那さんのタイチさんも感じのいい人で、理想の夫婦だった。

そう、だったのだ。

お子さんが生まれてすぐにアヤコさんと生まれて間もない子が行方不明、夫のタイチさんは、自宅で遺体で発見された。

俺は、支援要請で当時現場警備を担当した。

背広組が、シートの中で、話している。聞き取れはしないが、聞き耳を立てる。

遺体から一切の痕跡はないそうで、失踪したアヤコさんと子の安否もわからない。ただ、荷物を持って出ていっているのを見ると、どこか遠出も考えられる。といった話のようだ。

「いやいや、すごいね。どうやって殺したのよ?」

周りと雰囲気の違う人が言った。

当時のアワダさんだった。

「おい!勝手に!」

先にいた背広組が声を上げて怒ってるようだ。

「あー、すいません。そちらの案件で?」

「そうだ!お前みたいな奴は帰れ!」

酷い。

あの人なんかしたのか?

(あとで知ったが、だいぶやらかしてた)

のそのそ出てきた声の主は、俺を見て、寄ってきた。

「お前、ここの交番勤務?」

ハイッと元気に返す。

「元気でいいね〜」

ぬるい返事が帰ってきた。

「ここの家族のこと、しってんの?」

「ハイ。ご近所付き合い程度はありました。」

ハキハキ答えたら、へぇ~ってゆるい回答。

「じゃあ、お前んとこの交番で寝てっから。お勤め終わったら起こして」



流石に返事はしなかった。

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