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8戦目:強敵出現! トウマ、怒りの決闘!③

「……レベルアップ」


 ==========

 【ラシード】

 レベル:1→2

 ストック:3→4

 所持G:100→200

 HP:1,400

 ==========


「そして、手番終了だ」

「何!?」


 ――手番終了?


 何を言ってるんだ。

 レベルアップして終わりか。


「だったらこっちは全力でいかせてもらうぜ!」


 =========

 【トウマ】

 レベル:1→2

 ストック:5

 所持G:100→200

 HP:1,500

 =========


「闇に住まいし者よ、俺の呼び声に這い出よ!」


 ぼぅっと妖しく光る紫の魔法陣が地面に浮かび上がる。


 =========================

 レベル:2

 名前;【スケルトンの妖術士】

 種類:呪術 召喚

 効果:・召喚 100/100

    ・このターンに使用する呪術スペル一つに+100ダメージ。

     この能力を使用した場合、このスペルは攻撃出来ない。

     この能力は1ターンに1回だけ使用できる。

 =========================


「来い! スケルトン!」

「無駄だ。隠密スキル!」


 そう言うとラシードは両手で何やら印を結び始める。


「破ッ!」


 その怒号と共にラシードが手を突き出した途端、俺の体が急激に重くなる。


「な、なんだ!?」


 体から力が抜けていく。

 見ると、俺の呼び出していた魔法陣が消えかけている。


「これは一体……?」

「隠密術……。影縛り」


 ==========================

 レベル:2

 名前:【影縛り】

 種類:隠密スキル 相対

 効果:スキル、スペルを一つ対象とし、

    使用者が追加でレベルを1消費しなければそれを打ち消す。

 ==========================


「当然、貴様は追加のレベルなど消費出来ない」

「くそ……」


 そして遂に魔法陣は綺麗さっぱり消え失せてしまった。

 何かあるとは思っていたが完全に打ち消されるとは。


「それでは我が手番……」


 ===========

 【ラシード】

 レベル:2→3

 ストック:4→5

 所持G:200→300

 HP:1,400

 ===========


「手番終了だ」

「またか!?」


 力を温存する作戦という訳か。


「だったらお前の防御を上回るまで!」

「早まるでない、トウマ!」


 ルルの叫びが響く。


「それでは奴の思う壺じゃ!」

「ああ、分かってるさ! だけどなぁ、こいつだけは真正面からぶっ潰さないと俺の怒りが納まらない!」

「落ち着け! 冷静になるんじゃ!」

「こんな状況で……落ち着いてなんかいられるかッ!! うぉぉおおおおッ!!」


 ==========

 【トウマ】

 レベル:2→3

 ストック:5

 所持G:200→300

 HP:1,500

 ==========


「地獄に堕ちろぉぉぉおお!!」


 暗く不気味な黒雲が地面を覆う。

 串刺しの亡者が魔法陣の交点に突き立てられる。

 バリバリと雷のような音を立てながら異界の門が開かれる。


「さぁ、獄卒よ。罪人に責め苦を与えよ!」


 ==================

 レベル:3

 名前:【双刃の拷問官スケルトンブッチャー】

 種類:呪術スペル 召喚

 効果:・召喚 100/100

    ・このスペルは1ターンに2回攻撃出来る。

 ==================


「痴れ者が」


 その瞬間、ラシードが懐から紙切れを1枚取り出す。

 それがぼぅっと青白い炎に包まれるとそれを俺の魔法陣に投げ入れた。


「封ッ!」


 直後、まばゆい光が炸裂する。

 咄嗟につぶった目を恐る恐る開けると、そこには黒い雲はどこにもなく獄卒の姿はかけらも見当たらなかった。


「く、これもか……」


 ===================

 レベル:3

 名前:【魔封じの護符】

 種類:隠密スキル 相対

 効果:対象のレベル3のスペル一つを打ち消す。

 ===================


「や、やりおる……。トウマの奴、完全に手のひらで踊らされておるわ」

「で、でもズルいですっ……! あんな狙ったようなスキルを持ってるなんて!」

「阿呆ッ! ……とまぁ、セリアに言っても仕方ないがの。あやつが1ターン目に使ったスキル。あれが鍵になっているのじゃ」

「1ターン目に? 確か、セットリストの上から次に引くストックの選別をしたスキルですよね……。あっ!」

「そう。あやつはトウマがウィザードと知っているため、スペルだけに効果のあるスキルをセットリストに入れておる。さらにレベル3だけを対象に取れるスキルを3ターン目に引けるよう1ターン目に選別しておったということじゃ」

「うむ、完全に手の内を読まれているな」

「あ、あの……。あなたは?」

「む、申し遅れた。帝国騎士団黒羊隊隊長のローゼ・ジギスムントだ」

「あ、ご丁寧にどうも。セリアです。セリア・セルベリア」

「ルシャーナ・ジルニトラ・ルーゼルク。ルルで良いぞ」


 ローゼが二人の縄を解きながら言う。


「ほぅ、あなたが時空の。トウマが世話になっているそうだな」

「ト、トウマって……! あ、あなたはトウマさんとはどういう関係なんですか!?」

「か、関係!? せ……、戦友だ。……今はまだ、な。そう言う貴女は?」

「わ、私はその、ゆ、友人です。……今のところは」


 そんな二人のやり取りなんかお構いなしにルルは相変わらずマイペースに話を続けていた。


「あの戦略……。そして初手からの動き……。あやつは相当の修羅場をくぐり抜けて来た隠密のようじゃな」

「さすが時空のウィザードだ。分かるか?」

「無論じゃ。あの手の戦略は相手が次に何をするか的確に予想しなければならん。それが成せるのは数々の相手と決闘をし、あらゆる戦略を己の脳に刻み付けなければ不可能な芸当じゃ」

「そしてそれをストック調整のスキルでピンポイントに引き込む」


 ルルは悲しげにうなずく。


「このままではトウマの負けじゃ……。あやつの予想を上回る戦略でなければ、な」


 ラシードはつまらなそうに腕を組む。


「呪術を使うと言うからどれ程の者かと思えば……。そこらのウィザードと大して変わらんな。司教もさぞ落胆するだろう」

「くっ、まだだ。まだどちらもHPがほとんど減ってないだろ! 勝負はここからだ!」

「哀れだな……」

「何!?」

「理解出来んか? 勝負はもう決しているのだよ」


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