4戦目:ドキドキ 初めての共闘③
「ナイス! ルル! それじゃあ反撃といくか。レベルアップ!」
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【ルル】
レベル:3→4
所持G:200→300
ストック:5
【トウマ】
レベル:3→4
所持G:300→400
ストック:5
【ルル&トウマ】
HP:1,600
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「よし、じゃあ俺のターンはさっきスペル唱えた後にリフィルしてきた気になるコイツを使ってみるかな。元素抽出器!」
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レベル:2
名前:【元素抽出器】
種類:アイテム ロッド
コスト:400G
効果:・元素0
・あなたがエレメンタルスペルを唱えるたび、このアイテムに元素を1追加する。
・このアイテムを破壊する:対象に元素×50のダメージを与える。
【トウマ】
所持G:400→0
ストック:5→4
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「おお、なかなか面白いアイテムだな」
俺の手元にはクリスタルの結晶が入ったカンテラのようなものが出現していた。
「あっ! お前さん、いつの間にそれを」
「部屋の隅に転がってたぞ。なんか昨日、本読んでたらエレメンタルスペルに反応するように光ってたから、ルルに聞こうと思ってポケットに入れてたの忘れてた」
「……なるほど、そうやって使うものなんじゃな」
「お前も知らなかったんかい! まぁ、良いや。ありがたく使わせてもらうぜ。それじゃあ、残りレベル2のスペル……」
「待つのじゃ、トウマ!」
俺がストックを軽快に反転させようとする寸前、ルルが俺を制止する。
「そう無闇やたらにスペルを唱えても、奴らの言う通り無駄な足掻きで終わってしまうじゃろう」
「……確かに。また回復されてジワジワなぶり殺しにされるって訳だな」
「そうじゃ。奴ら、言うだけのことはあってそのコンビネーションには目を見張るものがありおる。じゃが、わたしたちも二人じゃ」
「何を当たり前のことを。俺たちのラブラブっぷりでも見せつけてやるってのか?」
「ラ、ラブ……? あ、阿呆!! 何を言っておるのじゃ!」
真っ赤になって慌てるルル。
冗談にそんなに焦るかな。
「ラブラブってのはたとえだよ。俺たちも奴らに対抗するためにバラバラに行動するんじゃなくてコンビネーションを発揮してくって訳か?」
「そう! その通りじゃ! ……ラ、ラブラブなどと変なことを言いおって」
「で、何か策はあるのか?」
「うむ。ちょいと耳を貸せ」
そう言ってルルが俺の耳元に顔を近付ける。
「……ふーん。なるほど。確かにそれなら……」
「良い考えじゃろ!」
ルルが偉そうに腰に手を当てふんぞり返る。
そのままスカートめくれちまえ。
「じゃあ、さっそくいくか。スペル! アヴァランチ!」
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レベル:2
名前:【アヴァランチ】
種類:エレメンタルスペル 詠唱
効果:・詠唱1
・対象に300ダメージを与える。
【元素抽出器】
元素0→1
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「また詠唱とは。無駄なことを。我ら神の使者の前に立ちはだかるものは全て消え失せてもらう」
「フッ、それはどうかのぅ。今度はわたしのスペル! タイム・ディボース!」
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レベル:4
名前:【タイム・ディボース】
種類:時空スペル 即時
効果・対象に100ダメージを与える。
・対象のキャラクターは次のあなたのターン終了時までレベルを-1する。
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「なに!?」
突如ジェイスの頭上の空間がぱっくりと裂けると、そこへ吸引されるようにジェイスの身体が歪みだす。
「うぐおおおぉぉぉ!!」
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【タイム・ディボース】スペルダメージ 100
【ジェイス&ゲイズ】
HP:1,700→1,600
【タイム・ディボース】効果:
【ジェイス】
レベル:3→2
(次のルルのターン終了時まで)
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「……味な真似を」
「無事か、兄者」
「問題ない。使命を遂行するまでだ」
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【ジェイス】
レベル:2→3
(ルルのターン終了時まで)
ストック:5
所持G:100→200
【ゲイズ】
レベル:3→4
ストック:5
所持G:100→200
【ジェイス&ゲイズ】
HP:1,600
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「レベル3……。それに詠唱1のスペル……。してやられた、か」
「あ、兄者……?」
「たじろぐな、ゲイズよ。お前は我がスペルによって切り開かれた道をただひたすら進めば良い!」
ジェイスがローブを翻し、構える。
「まずはこのターンもGを消費し、アビリティ発動!」
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【プリースト】アビリティ:HP100回復
【ジェイス】
所持G:200→100
【ジェイス&ゲイズ】
HP:1,600→1,700
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「そして、敬虔なる我ら使徒に御力を。降り注がれし聖光!」
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レベル:3
名前:【降り注がれし聖光】
種類:高潔スペル 即時
効果:・場に出ているレベル2のスキル、スペルを一つ破壊する。
・それの使用者に100ダメージ与える。
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「くっ、やっぱりそう来るか」
天から眩い程の光が俺に向かって降り注ぐ。
「うぐぅ……」
俺のスペルがキラキラと光の粒子となって消えていくと同時に、俺の体の力も抜けていくのがはっきりと分かる。
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【降り注がれし聖光】効果:レベル2のスペルを一つ破壊
【アヴァランチ】→破壊
【降り注がれし聖光】スペルダメージ 100
【ルル&トウマ】
HP:1,600→1,500
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「……フッ、レベル3のスペルを唱えおったな」
ルルのその言葉と共に中央の歯車が急回転を始める。
そして、エネルギーの塊がピンボールのように弾かれてジェイスに命中する。
「ぐはっ!」
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レベル:2
名前:【リミテッド・エントロピー】
種類:時空スペル 継続
効果:Lv3のスペル、スキル、アイテムを使用するたび、
それの使用者に100のダメージを与える。
【リミテッド・エントロピー】スペルダメージ 100
【ジェイス&ゲイズ】
HP:1,700→1,600
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「兄者!」
「やれ! ゲイズ! 我らが力、見せつけるのだ!!」
「ウゥ……、ウゥオオオオオ!!」
ゲイズが咆哮を上げた直後、メイスを振りかぶり跳躍する。
「アルダーインパクトッ!!」
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レベル:4
名前:【アルダーインパクト】
種類:鈍器技 即時
効果:・対象に200ダメージを与える。
・対象のアイテムの耐久を1減らす。
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「ルルッ!!」
俺は咄嗟にルルに覆いかぶさるようにして、そのまま彼女を抱きかかえた。
「ぐはッ!!」
「キャーッ!」
途轍もない衝撃が背中から全身に駆け巡る。
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【悔恨のメイス】効果:
【アルダーインパクト】スキルダメージ 200→300
耐久2→1
【ルル&トウマ】
HP:1,500→1,200
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「……ト、トウマ! 無事か!?」
一瞬、気を失っていたようだ。
「あ、ああ。なんとか……。ってルル! その本!」
俺が視線を落とした先には全てのページが抜け落ちた革表紙だけの本だったものが無惨に散っていた。
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【アルダーインパクト】効果:対象のアイテムの耐久を1減らす。
【ルル】
【ウィザードリィ】
耐久1→0 破壊
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「一度も使えなかったのは残念じゃが、お前さんの体が壊れてないなら一安心じゃ……」
「なんだ? 心配してくれたのか?」
「あ、阿呆! 変な勘繰りをするでない! お前さんがやられたら奴らに勝つのに少々骨が折れそうだと思っただけじゃ!」
「へいへい。分かりましたよ」
「……まぁ、その。なんじゃ。……かばってくれたのは、少し、嬉しかったぞ。……ありがとう」
真っ赤に染まった顔を俯かせたルルがゴニョゴニョと呟く。
こいつも案外かわいいところあるじゃねぇか。
いよいよ本気で負けられないな。
「ここから俺たちの愛のコンビネーションを見せてやろうぜ!」
「あ、あ、愛!? なぜそうなるんじゃ!?」
『マジック&ウェポン』
~決闘の掟~
「鈍器技」:ハンマーやメイス等を使用して繰り出す技。
プリーストの得意武器であり、
対象のアイテムの耐久を減少させる効果を持つものが多い。