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勇気を持って婚約解消

「ミレイユの好きにしたら良い」


「ルイに迷惑をかけちゃったわね。殿下と婚約する時にあんなに反対してくれていたのに、ごめんなさいね」

「あれは…子供のわがままだよ、ミレイユを取られると思ってさ」

ポリポリと頭をかくルイ


ミレイユよりひとつ下のルイ

プラチナブロンドで短めに切り揃えられている髪はフランク侯爵家の血筋であることがわかる。ミレイユより濃いヘーゼルの瞳は少し垂れていて優しい人柄があらわれてている。親戚故に、どことなく似ている二人、ミレイユと並ぶと美男美女の姉弟と言った感じである

成長期で声も低くなり身長も伸び、立派な青年へと成長した

養子に入ったルイは侯爵家嫡男としていちから教育された。


「ルイに婚約者が出来たらわたくしもきっと同じことを思うのでしょうね」

悲しい顔をするミレイユ


「ミレイユ…」

ギュッとミレイユの手を繋ぐルイ


芝を踏む音が聞こえて来るので二人で足音のする方向を見る


「「殿下?」」


「やぁ、ミレイユにルイ」

手を上げて挨拶をするクロヴィス


「急に来て申し訳ない…」

あまり顔色がいいとは思えなかった


「どうかされましたか?邸でゆっくりしていいと仰ったのは貴方ですよ?」

ルイが答える


「…ミレイユに話があって、来た」



ルイの腕に手を添えてふるふると頭を振る

「ルイ…」

「話があるそうだよ、僕がいてはいけない」

「…でも」


「ミレイユ少しだけ時間をくれないか?」

微笑むクロヴィスの優しい顔を見るのは久しぶりだった


「…はい、わかりました」

ルイがあとでねとミレイユの頬にキスをして立ち去った





「今日、侯爵と話をしたよ」

「はい」

「今まで知らないことばかりで…知ろうともせずにミレイユを傷つけてしまった」

「………」

「悪かった、この通りだ」

芝生に膝をつけ頭を下げるクロヴィス

「おやめください、もう過ぎたことです」

クロヴィスに近寄り同じ目線になる


「過ぎたことではないよ…ミレー、私が不甲斐ないばかりに君に申し訳ない事をした。許してくれとは言えない」

憔悴した顔つきで声を震わせながら謝罪するクロヴィスから幼い頃に呼ばれていた愛称で呼ばれた


「わたくしを自由にしてくださる為に来られたのでしょう?」


クロヴィスは震える声を抑えながら

「ミレーは私との縁が切れても良いの?」



「少しだけ疲れてしまいました…殿下はご自分が不甲斐ないと仰いましたが、不甲斐ないのはわたくしの方です、貴方の隣にお人形のようなわたくしでは、ただのお飾りです」


「そんなことっ!決してない!ミレーじゃないと、ミレーがいいんだよっ…」

真剣な眼差しで見つめる


「わたくしは頑張っても…努力をしても落第点です、もっと出来の良い素敵な令嬢はたくさんおられます」


「落第点なんかじゃない!ミレーが、良いんだよ…幼い頃から一緒に頑張ったじゃないか!こんなことになってしまって悪かった、全て私が悪いんだ」


項垂れるクロヴィスに目を瞑り、頭を左右に振りながら


「いいえ、こんな噂も体罰も、王子妃候補であれば全て自分で解決しなくてはなりませんもの。このような些細な問題さえわたくしは自分で解決する事が出来ませんでした」


「そんなこと、ない、ルイには言えて私には言えないような関係がおかしいんだ…ミレーに嫉妬させたいなんて浅はかな考えで夜会で失態を犯してしまった…私はバカだ…」



「あの夜会も…わたくしの身に起きていることではないような気がして、客観的に見ている部分があって…」


「私の意思が弱いばっかりに、あんな事になってしまった、ミレーの事情も知らずに、大事な人を傷つけて」


「言ったでしょう?わたくしは貴方にだけは知られたく無かったんですもの」


「それは…」


「殿下何か言いたいことがあって、邸へ来られたのでしょう?」

ミレイユに言われハッとする


「……侯爵から婚約を解消するように言われた…私は嫌だと答えたが受け入れては貰えなかった」

「…そうですか」

「ミレーを領地に帰すと言われた」

「…はい」

「私はミレーがいつ戻って来ても良いように、体制を整えることにする」


「…えっ?」


「侯爵は言った…()()白紙にすると!だからミレーお願いだ、チャンスをくれ!幼馴染に戻るなんて言わないでくれ」

ギュッと願うように両手を掴まれた







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