三年後
その後エミリアとクロヴィスの頑張りによりクロヴィスは随分と変わった
国民からは人気があるそうだ。
いっ時貴族から腫れ物扱いされていたが、信用を取り戻す事が出来た
孤児院を建立したり、井戸を増やしたり、他国との親交も深く移民を受け入れ、国民の生活水準も上がりつつある。
エミリアはクロヴィスを持ち上げるのが上手く手綱はバッチリ取れている。
「エミリー様は凄いですね!クロヴィス様がとても紳士になられて驚きました」
今日はレナードが、会議があると城に呼ばれたのでエミリーとお茶会をする為にミレイユも隣国から付いてきた。
俺様だったクロヴィスは、エミリアの好みに仕立てられ紳士的となった。
元々イケメンだったので、今のクロヴィスを見て、また令嬢達が放っておかないのでは?ふと思った
「…エミリー様その、言いにくいのですが、またご令嬢に囲まれるという事はありませんよね?」
遠慮がちに聞いてみることにした
笑うエミリア
「ないわよ、安心して」
ほっとするミレイユ
「それは良かったです…さすがエミリー様ですっ!」
「できると思う?ここまで信頼を取り戻したのに、もし浮気したら…離縁してこの子と実家に戻るわ」
すやすやと眠る男の子を抱いて幸せそうに微笑むエミリア
「クロヴィスはね、やりたい政策がちゃんとあったんだけど、どうすれば実現するか、やり方が分からなかっただけで、しっかりした考えはあったの」
「そうなんですね、それをエミリー様が?」
「背中を押すだけ、そしたら期待以上に仕事をするの」
幸せそうにエミリアは笑う
ミレイユの腕の中では女の子が眠っている
「ねぇミレイユ、フローラちゃんうちの子と婚約するつもりない?ミレイユの子だったら絶対に可愛いもの」
ミレイユの腕の中の子を笑顔で見る
「…ぇぇっと…それは多分、」
「ミレイユ、フローラお待たせ!面倒くさい会議も終わらせてきたよ」
レナードが足早にミレイユとフローラの元へと来る
「やぁエミリア、相変わらず怖い顔をしているな。元気そうで何よりだ」
ミレイユからフローラを取り上げ
「はぁ可愛い、うちの天使」
ちゅちゅとキスを落とすレナード
「あのねレナード、エミリー様がフローラをクリフ王子の婚約者にどうかと仰るのだけど…」
「断る!!断固拒否」
真剣な顔つきで即答する
「ムカつく…この男、ミレイユまだ間に合うからこのストーカー男と別れなさいよっ」
「絶対に国内からは出さない!ミレイユに似てこんなに可愛いのに…お前達の家に?あり得ない」
レナードが嫌がる理由の一つが
「クリフがクロヴィスに似ているからでしょう?」
図星のようだ
「…違う」
目を細めてエミリアを睨みつける
「盛り上がっているね?」
クロヴィスがエミリアの背後からヒョイッとクリフを抱く
「フローラちゃんをクリフの婚約者にどうかと言ったらレナードに拒否されたの」
クロヴィスがクリフを抱く姿は様になっていて、イクメンそのものといった感じだ
「それは残念だな…フローラを娘にできたらどれだけ嬉しいか…ミレイユもう一度考えられない?」
クロヴィスがミレイユに微笑む
「わたくしに決定権なんて有りませんもの。レナードどう?」
「お断りします!!」
「だそうです」
ミレイユが答える
「二人が婚約したら国の友好の架け橋になると思うけど?」
エミリアが言うと
「そうだよ、侯爵も喜ぶと思うよ、孫が国に嫁いで来るんだから」
クロヴィスも援護する
「お断りしますさぁミレイユ帰ろう、ルイと約束がある」
フローラを抱っこしながらミレイユの肩を抱く
「じゃあな」
と、言ってレナードがミレイユを連れ出す
その後大きくなったクリフがフローラと婚約したい!と盛大に駄々をこねる。
蛙の子は蛙と言う事だ
【完】




