普通の幼馴染へ
「あら、ちゃんと迎えにきたわね、偉いわよクロヴィス」
「…そんな事で褒められるのか…どれだけ信用が無いんだか…」
がっかりした顔を見せるクロヴィスに
「仕方が無いわよ、落ちるところまで落ちた信用を取り戻すのは大変だけど、一緒に頑張りましょう?」
「あぁ、頼むよ婚約者殿」
ふふっと笑うエミリアの顔は嬉しそうだった
「ミレイユ、大丈夫か?エミリアに虐められなかったか?」
扉を開けた瞬間にレナードはミレイユの元へ飛んできた
「はい、エミリー様がとても良くしてくれて…お友達になりました」
嬉しそうに報告するミレイユ
「えっ?あの口の悪いエミリアと?」
嫌そうな顔をするレナード
「初めてのお友達なんです…嬉しくて」
恥ずかしそうに頬をピンクに染める
「…そうか、それは」
目を細めてエミリアを見るレナード
「何よ?ミレイユと親しくして悪い訳?」
エミリアがレナードを睨む
「虐めるなよ!」
「バカじゃ無いの?あっ!バカだった」
「相変わらず、ムカつく女だ!」
レナードの口元がヒクヒクと動く
「仲が良いんですね?そんなレナード様見たことないから新鮮」
「エミリアと友達になったのは仕方が無いとして、あの女は口が悪い、真似はしないでくれ、頼むから」
ミレイユの両肩をゆさゆさと揺すぶる
「わ、分かりましたから」
ほっとするレナードをよそ目に
「ミレイユ、クロヴィスが謝りたいって言ってるから話だけ聞いてやってくれない?許さなくても良いからね」
エミリアの隣で意気消沈しているクロヴィス
「ミレイユ、今まで悪かった。ミレイユが本気で私を見捨てるとは思っていなかった…自分勝手な行動をして、また傷つけてしまった」
何と返事をして良いか分からないミレイユ
「さっきエミリアと話をしたが、信用を取り戻すのは大変だけど、エミリアに支えてもらいながら頑張るから…次に会う時は…普通の幼馴染でいさせてくれないか?」
やっとクロヴィスが反省をした様で、何かを決心したような顔つきでミレイユを見る
「はい、昔のあの頃に戻れるのなら…」
笑顔で返事をするミレイユにクロヴィスも笑顔を見せる
「幸せになれよ」
ミレイユの前に手を出した、それに答える様に握手をする
「はい、クロヴィス様も」
目が合いお互い優しい顔つきになる
「はい!そう言うわけでこれからのクロヴィスに期待してね」
にこりと微笑むエミリア
「ミレイユ、手を拭こうか?」
レナードが水を差す様な発言をする
「私はバイ菌か?!」
クロヴィスが苛立ちはじめた
「ある意味な…」
「ミレイユ!レナードはな、本当にしつこくて嫌な男なんだ!気をつけろよ、何かあったらエミリアに手紙を書くんだ!」
クロヴィスがレナードを指を指す
「そうね、嫌な事をされたり浮気でもしたらすぐに連絡ちょうだいね、飛んでいくから」
「本当に嫌な奴らだ!お前らはお似合いだな!ミレイユ戻ろう!ルイが心配している」
手を繋がれた
「クロヴィス様、エミリー様それでは…また」
「「またな」ね」
クロヴィスとエミリアに見送られた




