国際問題?こんな事で…
「もう嫌なのっ」
ミレイユが力を振り絞ってクロヴィスから離れる
「何も言えない自分が嫌なの」
「ミレイユはそのままで良いじゃないか?私を見て隣で笑ってくれていれば良い」
「わたくしは…お人形さんじゃないっ!」
クロヴィスを睨む
人差し指を口に当て
「ミレイユ、静かにしなきゃ人が来る…淑女として失格だ」
「こないでっ!」
「ミレイユ?」
「反抗しなかったんじゃないの…言いたくなかったの…頑張っても…認めてもらえない…プライドに傷つけられて…笑われて…もう、生きているのが嫌だった…いい子なんかじゃない、だからみんなの前から逃げたの」
「戻ってきてやり直せばいい」
「わたくしはレナード様が好きなの…もういやっ…」
「おまえは優しいから、レナードに迫られて好きになった気でいるだけだ」
「違うっ…レナード様のお陰なの…レナード様の言葉で強くなりたいって思ったの…もう過去のことは忘れるの」
「私との事も忘れるつもり?」
「さようならクロヴィス様、」
「そんなことはさせない」
ミレイユの腕を掴み顔を近づける
「忘れさせなくするしかないのか?」
「離して!これ以上…嫌いにさせないでよ」
「嫌いにねぇ…」
「乱暴はやめて」
腕を強く掴まれ痛みが出てきた
「そこまでにしたら?」
エミリアが両腕を組みながら歩いてきた
クロヴィスが掴んでいるミレイユの腕を解き、クロヴィスの顔を見て微笑む
「本当のクズね…」
パンッと乾いた音がした、エミリアがクロヴィスの頬に平手打ちをした
「なっ!エミリア」
「少し目が覚めた?」
ミレイユの方に、体を向け
「辛かったのも分かるわ、誰も味方が居なかったのでしょう?でも貴女は強いわよ、よく耐えて、我慢してきた、でも被害者ぶらないでね?」
「エミリア王女殿下…」
「そこの二人もこそこそしないで出てきなさいっ!」
エミリアに言われレナードとルイが出てきた
「レナード様、ルイも…」
「ごめん途中から見ていた、ミレイユが自分の気持ちをちゃんと伝えられるかどうか…」
申し訳なさそうに謝るレナード
「見ていて…って何回も出ていきそうになったくせによく言うよ」
ルイがレナードを見る
「仕方がないだろう!腹がたって…クロヴィス死にたいか?」
「ミレイユ様の周りには、こんなバカで悪趣味な男しか居ないの?もっと周りを見なさいよ!」
「クロヴィスの事はクズって言ってなかったか?それよりはマシだな」
レナードが呆れた口調で言う
「えぇ、クズよ!でもこのクズは、一生をかけて更生させるわ、クロヴィスはもう私と一緒になるの!返事は?」
「………………」
「ミレイユ様はこのバカで覗き見をする悪趣味でストーカー男の事が好きなんだって!ミレイユ様もいい加減に自分を持ちなさい!だからクズやバカに迫られるのよ?」
睨まれるミレイユ
「…はい」
掴まれた腕を撫でながら答えるミレイユ
「大丈夫?」
ルイがミレイユの側に寄る
「弟もミレイユ様を甘やかせてばかりじゃなくて自主性を持たせるようにしなきゃダメでしょう!」
「……はい」
「ミレイユ様良い?守られてばかりじゃだめよ!そんなんだから相手に舐められるのよ。クロヴィスとレナードが争ったら国際問題になるでしょ?反省しなさいっ!」
エミリアの口撃に誰も口出せないでいた




