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ミレイユの笑顔の行方

「ミレイユ、そんな顔をしないでくれ」

クロヴィスが悲しそうな顔をする



「クロヴィス様!あちらで陛下と一緒にご挨拶です、行きますよ」

エミリアに引きずられるように連れて行かれるクロヴィス


「お似合いじゃないか」

レナードが言うと

「えぇ、そうねエミリア王女殿下は凄いですね」

ミレイユが驚くように答える

「クロヴィスの性格を矯正しているんだってさ」

「矯正?」

「あいつの…優柔不断な所だよ」

「まぁ!」

「クロヴィスはエミリア王女の好みらしい」

「ふふっ、だからわたくし感謝されたの?」

「そう言う事だね」


しばらくぶりに社交界に戻ってきたミレイユに貴族達の視線は熱く、レナードとお近付きになりたい貴族達の挨拶は止まない

久しぶりの社交界の雰囲気に飲まれそうになるミレイユ

「少し風に当たってくる」

こそっとレナードに耳打ちする

「そうか、じゃあ俺も」

レナードが言うが

「殿下この度はご婚約おめでとうございます」

次々と挨拶に来るのでレナードが離れずにいるので、そっとレナードのそばを離れルイを探しに行く。ルイは目立つので見つかり易いはずであるが…


「…いない」

ポツリと呟き、レナードの元に戻ろうとするとグイッと腕を掴まれ、バルコニーに連れ出された

「きゃっ!」

驚いて声をあげてしまう


「ミレイユ…」

「殿下…どうして」

「話がしたいと言ってあっただろう…」

「…そうですけど」


クロヴィスが思い詰めた顔をしているので、怖くて手が震える

「ミレイユ、なんで私を待ってくれなかったんだ?」

「えっ?」

震える声を抑えるが


「私は、ミレイユの事がずっと好きなんだよ、なんでレナードなんかとっ」

ゴンッと壁を叩きつける


「きゃっ!」

「今からでも遅くない、戻ってこいミレイユ」

ミレイユを厳しい目で見るクロヴィスに震えが止まらない


「ミレイユ」

名前を呼びミレイユを抱きしめてくる

「やめて、ください、おねがい」

怖くて力が入らず涙が溢れてくる。クロヴィスとはこんな人だったのか?


「やめて…」

涙声のミレイユに


「はは、相変わらず可愛いな、ミレイユ」

ミレイユの頬に手を添える

怖くて顔から血の気がさっと引いていくのが分かる


「なんだ?レナードには笑顔を見せるのに私には怯えるのか?」

唇が震えクロヴィスの顔を直視できない

怖い…怖い…


「せっかく、邪魔者やミレイユの悪い噂を無くしたと思ったら、エミリアと、レナードに邪魔されるとはな」

にこりと微笑みを浮かべるクロヴィスの顔が怖い

「こんな事になるなんてな…私はバカだ」

ミレイユの手を取りそっとキスを落とす

「さぁこんなバカげた事は終わりにしよう?」

ふるふると頭を振るミレイユ


「どうした?」

表情のないクロヴィスの顔を初めて見る

「わたくしは、レナード様と、」

「ミレイユの口から他の男の名前なんて聞きたくない、あぁそうだルイあいつの名前も。いつも邪魔してくるんだよな」

クロヴィスの顔が迫ってきた、目を瞑り下を向く

「このドレスも気に食わない、あいつが選んだのか?こんなに肌を出して」


嫌だ…嫌だ…触れてこないで…声にならない

「この指輪も私の趣味ではない、外せ」

…レナードからプレゼントされた指輪に触れられ


「…いや」

「はっ?」

「いやよ!」

「ミレイユらしくないな、反抗するのか?」


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