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婚約式です

隣国でレナードとの婚約式が行われた。


「まぁ、レナード殿下の幸せそうなお顔」

「婚約者様はお美しい方ですわね」

「隣国のフランク侯爵のご令嬢ですって」

「あら?クロヴィス殿下と婚約なさってらしたわよね?」

「クロヴィス殿下は東の国の王女と婚約されたとのことですわよ?」

「レナード殿下は(仮)婚約者がいらしたけど、今はお幸せにされているようですわよ、素晴らしいですわねぇ、側近の方の為にそこまでなさって…」

「それよりレナード殿下と婚約者様は仲がよろしいようですわねぇ」

「レナード殿下は幼い頃からお好きだったようですわよ」

「一途に初恋を実らせましたのね」

「臣下に降るとの事ですけど、惜しいですわねぇ」

「お兄様と国を支える為に臣下に降るなんて、素晴らしくて尊敬致しますわ」

「中々出来ることではございませんもの」


ザワザワ…




「ねぇ父上、うちの国の王子殿下とは大違いだね…(仮)婚約が美談になってるんだけど…」

「リップサービスで婚約破棄してもいいなんて事を言う愚か者と一緒にしてはいけないよねぇ…」

「旦那様もルイも!誰かに聞かれたらどうするの?」

ヒソヒソと話をする三人


「まぁミレイユが幸せそうに笑っているから良いんじゃない?」

ルイが二人に言うと

「そうだな」「そうね」


「レナード様ならミレイユを幸せにしてくれるよ」

ルイが二人に言うと

「あら?寂しいくせに」

ふふっと笑う母


「まぁね。でもレナード様なら大丈夫だ、僕はお役御免ってところだね」


「ルイも相手を見つけるように」

父に言われ

「…はい」

小さく返事するルイだった



婚約式が無事に終わりレナードとミレイユがルイの元へ来た

「ルイー」


ミレイユは自国では決して着ることのなかった、肩を出したドレスを身に纏っていた

華奢なミレイユによく似合っている

レナードがミレイユに贈ったドレスだ。


儚げな顔をしたミレイユだったが、レナードと出会い、明るい笑顔を取り戻した。


「姉上、レナード殿下」

微笑むルイ

「姉上だなんて…他人行儀な呼び方ね」

「いや、姉だから…何言ってるの?」

「名前で呼んでよ…」


「これからはちゃんと姉上と呼ばせてもらう。もうれっきとしたレナード殿下の婚約者だ。いずれは臣下に降るとしても、王族の婚約者だよ?家族だから余計にちゃんとしなきゃ。姉上の足を引っ張る訳にはいけませんからね」


「真面目だな、ルイは」

レナードが笑うと

「あなたには言われたくありませんよ…」

ルイも笑いながら答える


「二人ともいつの間にか仲良くなっているのね」

ミレイユが二人を見る


「ルイとはなんか気が合うんだよ」

「そうですね…」



「わたくし仲間外れになってない?」

「「ない!!」」

三人で笑い合う


「さてと、姉上の事頼みましたよ、義兄上」

「あぁ、任せとけ」

手を振りすぐさま背中を向けて歩き出すルイ



「ルイともうまくやっていけそうだ」

レナードがミレイユに言う

「うん、ありがとうレナード様」


「なぁ、怒るかも知れないけど、ルイとは姉弟じゃなかったらどうした…?」

気まずそうに質問してくるレナード


「どうって…ルイはルイよね。家族になれてとても幸せだし、愛しているけどルイは弟なの、異性での愛ではないわ」


「そうか…クロヴィスのことは?」

「過去のことよ」

「そうだな、もう二度と聞かないから答えて欲しい」


「…幼馴染で、あんなことがあっても嫌いにはなれない…婚約していたけど、幼馴染のまま成長したと言う感じなのよ。恋心も愛情も…分からなくて、でも…優しい方だから、それで良いのかなって思ってた」


「うん」


「レナード様に会って、その、異性に対して好きと言う感情を初めて知ったの…」

恥ずかしくなり下を向くミレイユ


「だから…この気持ちを大事にしたくて…将来をレナード様と一緒にいられたらいいなって思って…」


ミレイユがそっと顔を上げるとレナードの顔が赤く染まっていた 


「これは、嬉しくて、恥ずかしいから顔を見ないでくれ」

照れるレナードに


「いつも…レナード様はちゃんと言葉にして伝えてくださるから、わたくしもちゃんと言葉にしたくて…」

「嬉しいよ、とても!」

「うん」

はぁーっと息を整えるレナード


「ミレイユ、愛している、この先もずっとだ…」

「はい…わたくしも」

目が合う二人

レナードの顔がミレイユの顔に近づき軽い口付けをする


ミレイユの顔は赤く染まり、恥ずかしさからかレナードの胸元に顔を埋めた

ドキドキとレナードの心臓の音がしてとても心地が良かった






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