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レナード

レナードから手紙が来た。


『侯爵から理解が得られて婚約を喜んでくれた。ルイに挨拶したいので俺がそちらに行くまでルイには領地に留まって欲しい』


「ルイ、そういう事なんだけど、会ってくれる?」

心配そうにミレイユがルイを見る

「あぁ、勿論お会いしますよ、将来の義兄になる人だ」

「気が早いわね…またダメになったらどうするのよ」

「そんな冗談を言えるようなら、大丈夫だ」

「うん」



手紙が届いて一週間ほど経ちレナードがミレイユの元へやってきた

「ごめん遅くなった、どうしても外せない用事があって国へ一度帰ったんだ」

「連絡を貰っていたから、心配はしていませんでしたよ」

微笑むミレイユ


「そうか、俺はミレイユに会いたくてもっと早く来たかったんだけどねぇ」

ミレイユが顔を赤く染める


「…嬉しいけど、恥ずかしいから…」

「言葉にするという約束だからね」

「…うん、ルイが…弟がねレナード様にお会いするのを待っているの」

「よし、行こうか」

応接室に入りレナードとルイの初対面となる


「ルイ、お待たせこちらがレナード様です。レナード様わたくしの弟のルイです」

ミレイユが二人を紹介する


「君がルイか…はじめましてのような気がしないのは、話をよく聞いていたからだな」

レナードがルイを見る


「はじめましてフランク侯爵が嫡男でミレイユの弟のルイです、よろしくお願い致します」

丁寧にお辞儀をする

「こちらこそよろしく頼む」


ソファに座りまずレナードが

「話は聞いていると思うが、この度ようやくミレイユと婚約するはこびとなった」


「はい、聞いております。姉の事をどうぞよろしくお願いいたします」

頭を深く下げるルイ


「うん」

と笑顔で答えるレナード

「私の到着が遅くなり君を待たせてしまったが」

胸元から書類を取り出す


「フランク侯爵と私の父から婚約の為の書類にサインを貰ってきた。君にミレイユとの婚約を報告して、いい返事が貰えたら私とミレイユのサインをするつもりだ」

真剣な顔でルイに説明をする


「レナード殿下は真面目な方ですね…貴方のような身分の方なら一方的に婚約だってなんだって出来るでしょうに」


「それでは気持ちが一方通行になるからな…せっかくなら祝福された方がよくないか?」

そう言いレナードがミレイユを見ると微笑んでいた


「失礼ですけど…レナード殿下は近いうちに臣下へ降るとお聞きしました。理由をお聞かせいただけますか?」

ルイがレナードに質問をする



「我が国では王族は重婚が許されている、兄も妻は一人ではないが、私はミレイユが良い。しかし王族に籍があるとそうはいかなくなる。私は気楽な三男だし貴族たちに娘をと勧められるだろう。臣下へ降り公爵と言う爵位が与えられ、いずれは王弟となるが一貴族だ、重婚は認められない、ミレイユにとって憂いとなる邪魔なものなど要らない」


「姉の事をそこまで思っていただけるなんて……」

「当たり前だ。ようやくチャンスが回ってきたんだ、それくらいするだろ?」

ニヤリと笑うレナード


「…そうですね、仮の婚約者まで作るような方でした…執念深いですね…姉との婚約ですが心から祝福致します」

笑顔で握手をするレナードとルイ



「レナード殿下、改めて姉の事をよろしくお願いします」

「あぁ、勿論だよ。君の大事な姉上を任せてもらえるんだ、こちらこそよろしく」


ルイがミレイユの方を向き


「ミレイユ、レナード殿下となら大丈夫だ」

「ルイ、ありがとう。レナード様がそんな事を考えていたなんて知らなかったから、驚いたけど」

チラリとレナードを見ると気まずい顔をしていた


「ルイの質問に対してちゃんと答えたかったんだ…はぐらかす事はできない。ミレイユに聞かせるつもりはなかった…それだけ本気だって事は伝わった?」

「…うん、ありがとうございます」


「はぁ、本当に認めるしかないね、義兄さんになる人が誠実な人で良かった」


「そうか、俺に義弟が出来るのか…新鮮だな、義兄さん…悪くない」 


話の合いそうな二人にミレイユは嬉しくなる

「ルイに認めてもらえて嬉しい」

満面の笑みを浮かべ、ルイに抱きついた


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