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寄り添いたい




「本当に?ほんと?夢じゃないよね…」

ミレイユの顔を真剣な眼差しで見つめるレナード

「冗談はやめてくれよ」

こくんと頷くミレイユ


「レナード様が、わたくしの心に寄り添いたいと言ってくださって…嬉しかった。レナード様がわたくしの心の枷を取り除いてくれました、貴方と、一緒にいられるのなら、貴方が望んでくれるのなら…」


泣きそうになる。自分の気持ちを伝えるだけなのに、それすらも…勇気がいる

気持ちを抑えるのに慣れてしまっていたから


「あぁ、泣かないでミレイユ」


「クロヴィス殿下と婚約を解消したばかりで、世間体も悪いと思うんです。でも両親や弟が反対してもレナード様と過ごしていけたなら…」



レナードがミレイユを優しく抱きしめ

「急に触れてごめん、でも我慢が出来なくて…」

耳元で囁くように話をするレナードの腕をギュッと掴む

「嬉しくて、ごめん言葉が出てこないんだ」

お互いの心臓がばくばくと音を立てるのが分かる

数分間抱きしめられていたが幸せすぎて時が止まればいいのに…と思った

少し落ち着いたレナードがゆっくりとミレイユから身体を離す


「近いうちに侯爵と話をしてくるよ」

「うん」

「俺の家族にもあって欲しい。話はちゃんとしてあるから」

「うん」

「侯爵や夫人、弟が反対してもって言っていたけど、そんな事にならないように俺は真摯に話をしてくるから安心してほしい」

「ありがとう、その言葉が嬉しいの」

レナードを見つめるミレイユ


「はぁ、かわいい俺のミレイユ」

「恥ずかしいから、」

そっと距離を取ろうとすると腰を掴まれ近くに寄せられた

思わず涙が頬を伝う

「なんで泣くの?」

「分からないけど、」


チュっと音を立ててミレイユの目元に優しくキスをする

「恥ずかしい、ですよ」

「うん、可愛いすぎるミレイユが悪い」

「恥ずかしくて死にそう」

「死なれたら困る…一緒に幸せになろう」

「そこは幸せにするよじゃないのね」

ふふっと二人で笑う


「二人で幸せになるんだ、片方だけじゃ意味がない」

「レナード様のそう言うところ素敵、前向きになれるから」

「俺は幼い頃からミレイユが好きだったんだけど、再会してから一緒に過ごすうちに今のミレイユの方が魅力的で大好きだと知った」

「ありがとう」


「惚れなおした?」

「うん」

「冗談だったのに…」


「レナード様は思いやりがありますね」

「そうかな?」

「王子様なのに、偉そうじゃないし、プレゼントしてくださる物もわたくしに合わせてくださるから」

「おねだりして欲しいくらいだけどね」

ふるふると頭を振る


「リボンもブックカバーもお菓子もわたくしを見てプレゼントしてくださったんですもの。嬉しい」

「うーん。ドレスもプレゼントしたいんだけど、ダメかなぁ…?」


「レナード様が選んでくださるなら」

こつんとミレイユのおでこと自分のおでこをくっつけるレナード


「その言葉忘れないで」


イケメンのドアップに心臓が口から飛び出るかと思った。一気に顔が赤くなる…

「はぁかわいったら…困ったね」


初めてイチャイチャと過ごすお茶会はあっという間に過ぎたのだった


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