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心が、気持ちが、晴れた

「きっとルイもミレイユに救われたんだ」

首を傾げるミレイユ


「自分では気づかないうちに、ミレイユの明るさと優しさで俺もルイも救っていたんだよ」

くすくすと笑い出すレナード


「分からないです」

「弟も慣れない生活で、ミレイユが支えてくれたから頑張れるんだと思うよ」

「家族ですもの、当然です」

「そこは、昔と変わってない!急に弟ができると戸惑うものだけどね」


「だって一人っ子でしたもの、嬉しくて、良い子だし、仲良くしてくれましたもの」

困った顔のミレイユ

「ミレイユは弟をそうやって守ってあげたんだ」 

「どうして?」

「侯爵家に急に引き取られた養子をすんなりと受け入れられるやさしさだよ」

「わたくしにはわかりません、兄妹が欲しかったもの」


「そこは諍いがよくあるんだよ、分からないならそのままで良いけどね」


「幼かったルイは頑張って教育を受けていたし、周りが認めてあげないと…」

「そのまま、ミレイユに言葉を返すよ、君も自分を認めてあげなよ、頑張ったんだから楽になれば良い」



下を向くミレイユの目には涙が浮かんでいた

「どっ、どうした?何か変なこと言った?謝るよ!ごめん」

慌てるレナード



「家族以外にその様な言葉をかけられたのが…嬉しくて」

「…どんな辛い思いをしてきたんだよ…腹立つなぁ」

レナードは怒りを隠せずにいる


「文句を言いに行きたいところだが、他国の問題に干渉は出来ん…悪い」

「レナード様、ありがとうございます、おかげで元気が出ました」

涙を浮かべながらも笑顔のミレイユをみて微笑むレナード



「少し気持ちが軽くなったみたい」

連れ出した時よりスッキリした顔つきのミレイユ


「俺は何もしてないよ…」

苦いものを噛む様な顔つきのレナード


「外に連れてきてくれてありがとう」

肩の力が抜けるのがわかる


「リラックスついでに散策しよう、あっちに花畑がある」

「うん」

並んで歩き出す、レナードと一緒に過ごす時間は楽しい




その頃王都では

「クロヴィス、いい加減にミレイユの事は諦めろ」

陛下に呼び出されていた


「嫌ですよっ!」

「城の内部であった事が、漏洩していてミレイユに対する同情の声が上がっている」

「…はい」

「ミレイユへの求婚が途絶えないそうだ」

「…はい」

「おまえは結局ミレイユに何も出来なかった。自己満足だ」

「…………」

「東の国の女王の娘である第二王女と婚約をしろ」

「…お断りします」

「来週こちらに来ることになっている、顔合わせする様に」

「…嫌ですよ」

「美しいぞ、第二王女は」

「関係ありません」

「決まりだ」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「はじめましてクロヴィス殿下、エミリアと申します」

第二王女は噂通り美しい人だった


「ようこそおいでくださいました」

形式ばった挨拶をする


「クロヴィス殿下はこの婚約に前向きではないようですね?」

エミリアに言われ


「婚約者を傷つけてしまった、幼い頃から一緒にいたはずなのに何も出来なくてね、大事な人も守れない私が新たに婚約すると、君に迷惑がかかる」


「一生結婚されないおつもりですか?」

「どうだろうね、疲れているんだよ」

「では私と婚約致しましょう、元婚約者様以外の女性は皆同じでしょう?」

「そんな事では決められないよ」

「クロヴィス殿下は噂通りの優柔不断さですのねぇ」

くすくすと笑い出すエミリア


「なっ!」

「話は全て聞きました」

「それなのに、なぜだ?」

「顔が好みなのです」

「へっ?かお…」

呆然としエミリアを見る


「優柔不断な性格、視野が狭くて調子が良いところがありますわね?まぁその辺はおいおい直して差し上げます」

「何を…」

「うちの国は女性が強いのですよ、クロヴィス殿下は私の好みのタイプです」


クロヴィスに近付きチュッと口付けをするエミリア



口を手の甲で拭いながら

「女性の方から口付けをするなんて…しかも初対面の相手に…君は何を考えている!」


「婚約するのですからよろしいでしょう?もう口付けを済ませました、ファーストキスの相手と結婚するのが我が国のルールです、責任を取ってもらいますね」



「私は奪われた側だぞ!」

「関係ございません、婚約成立です」











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