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パートナーのいない夜会

クロヴィスとの婚約が解消となったので、

ルイと共に領地へと帰ってきた


「お母様、お久しぶりです」

「おかえりないミレイユ、ルイ」

「母上お久しぶりです」

「やはり男の子は成長が早いわね、身長がこんなに伸びて」

ルイの頭を撫でると顔を赤くした


「あら、照れちゃって、ミレイユの世話ばかりで大人びてしまったわね、ごめんなさいねルイ」

「いいえ、そんな事はありませんよ母上」

「ルイばかりズルイわ、久しぶりにお母様に会えたのに…」

拗ねるミレイユを見て嬉しくなるルイ

「ごめんねミレイユ、僕だって母上にお会いして嬉しかったんだよ」


ミレイユの背中をポンと押して母の元へと近づけると二人でギュッと抱き合う

「王都での喧騒はありませんからゆっくりと過ごしましょう」

「はいお母様」

母がミレイユの背中をぽんぽんと軽く叩く


「二人とも楽な格好におなりなさい、その後お茶をしましょうね」

「「はーい」」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ミレイユが無事領地に着いたと報告があった

「さて、と」

頭をコキコキと鳴らし立ち上がるクロヴィス

社交シーズンに入る。

婚約が解消された事は一部の貴族に知られているだろう。今日は城でパーティーが開かれる。

パートナー(ミレイユ)不在のパーティーで何が起こるかな?


両陛下・兄とフィアンセ・クロヴィスと続き入場する

ザワザワ……とざわつく


「クロヴィス殿下お一人で?」

「ミレイユ様はどうされたのでしょう?」

「心を病まれたとの噂は本当でしたのね」

「仕方ありませんわね、落第令嬢ですもの、表面上はお美しいですのにねぇ」

くすくすと笑い声が聞こえた


一人で入場するクロヴィスは堂々としていた

噂を口にする夫人や令嬢の顔を一人一人見て覚え、鼻で笑った


パーティーが始まり貴族たちの挨拶、ダンスの時間になる。

いつも通り令嬢に囲まれるクロヴィス

「クロヴィス様一緒に踊ってくださいませ、ミレイユ様はおられないのですね?」

「クロヴィス様」

「クロヴィス様」

「クロヴィス様、この後」


「うるさい、私に触れるな、馴れ馴れしい」

指で耳を塞ぎ黄色い声を塞ぐ


「「「「「えっ??」」」」」


「前々から言っているだろう?私にはミレイユが居るんだ、君達に用事はない、それと私の名前を気安く呼ぶな、許したつもりはないぞ」


「ですが本日はミレイユ様がいませんのでしょう?わたくし達がミレイユ様の代わりにダンスを、」


「ミレイユがいないから何?今までだって君たちとダンスをした事はない!ミレイユの代わりは不要だ」


「クロヴィス様どうされましたの?私たちが何か気に障るような事を…」


「しているよね?ミレイユの悪い噂を流しているのはお前か?あ、お前もだな」

顔面蒼白になる令嬢達…


「これからは徹底的に噂を潰すからな!お前達の両親に抗議しておく、いいな!周りのお前達も一緒になって噂を広めるような真似をしていたな、同罪だ」


そう言って場を去るクロヴィス

令嬢達はシン…と静まり返っていた



会場を回っていると

「クロヴィス殿下、ご機嫌よう」

兄のフィアンセの親戚筋の夫人に声をかけられた

「お久しぶりですね」

クロヴィスが答える

「うちの娘が成人を迎えましたので今回連れてまいりましたの、紹介をさせていただいても宜しくて?」


くすくすと笑う夫人

「フランク侯爵令嬢よりは出来ましてよ」

こそっと耳打ちをする夫人


「ミレイユの事を悪く言うのはよしてもらおう、貴女はミレイユの何を知っている?知りもしないくせに、出鱈目ばかりの噂を信じて…貴女の娘がミレイユより出来が良いわけない、それ以上の侮辱は私への侮辱と捉える」

周りがシン…とする


「も、申し訳ございませんでした」

頭を下げる夫人の元に夫が来た

「クロヴィス殿下、妻が何か…?」

「ミレイユの事を侮辱するのはやめてもらおうと、お願いした所だよ」

「それは申し訳ございませんでした、妻には私からきちんと言い聞かせます」

「二度目はないからな」

「はっ」



…まぁ殿下はどうされたのかしら?

お人形さんがお隣にいないのにねぇ?



「聞こえてるぞ」

ぎくっとする令嬢二人


「ミレイユはまるで人形のように美しいからなそれは仕方ない事だ、それにお前達のように心は醜くないな」


「「なっ!」」

顔を赤くさせる令嬢達


「ミレイユは面白おかしく噂話などしない。見たことを信じるからな、まぁ仕方がないか、お前達とミレイユでは雲泥の差だ」


ザワザワとざわつく会場を見て両陛下は面白そうな顔をしていた





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[良い点] 反省したらしたで王子が狂犬にw [一言] 悪い噂を潰すためとは言え露骨に噛みついて周る狂犬になってしまった王子は大丈夫なのか?w
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