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悪魔と天使の狂詩曲(ラプソディ)  作者: 井ノ上雪恵
オープニング
4/27

モノローグ

 巨大な大陸の端にある海に面した大国クロアシア王国。


 この国の土地は古くから濃い魔力に満ちており、それらの魔力は人々の負の感情と合わさることで、生物に悪影響をもたらす瘴気となっていた。


 瘴気は人々の負の感情を増幅させ、膨らんだ負の感情はまた、更に瘴気を濃くしていく。


 この負の連鎖はある時を境に急加速を始め、瘴気を溜めすぎた人々は“ラメント”と呼ばれる化け物へとその身を堕とし、人々を襲うようになった。


 国が混乱を極める中、瘴気に侵されず、自分の持つ負の感情が瘴気の糧になることのない一族がいた。


 長い歴史の中で、唯一悪魔と契約を交わすことができた悪魔の一族“イブリース家”。


 ラメントに対する有効手段を持ち、決して瘴気に呑まれることのない彼らに、当時の王は希望を見出した。


『この先いかなる罪を犯そうと、国をラメントから守ってくれるのであれば、イブリースの人間を法で縛ることを禁ず』


 そういった条件で王はイブリース家に助けを求めた。


 元より他者からの支配を嫌う彼らは、王の交渉に乗り、実質王族以上の権力を手に入れた。


 ラメントから人々を守る守護者となったイブリース家だが、それでも彼らを『英雄』と讃える人間はいない。


 王族も法律も彼らを制することができないのに、彼らは人間なら誰しも持っている罪悪感や倫理観を持ち合わせていないのだ。


 人々はラメント以上に、首輪の外れた悪魔達をより恐れることとなった。

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