強い覚悟
スルーするところはスルーして魔法書を読んでいくと決めて12:50になり、
ある程度いろんな魔法があることを知った。
例えば、氷魔法、雷魔法、身体に魔法を纏う魔身という身体能力向上魔法。火魔法上級のビックバン。見れば見るほど色々カッコよさそうな魔法が一杯であった。
あと、適性は両親から引き継がれるらしい。たまに先祖返りなどで例外はいるらしいけど私の適性はあとでエリザさんに聞いてみよっと。
早く魔法を練習してやりたいわね!
ランチを堪能してエリザさんが事前に教えてくれた特訓場に移動した。
広い!普通の高校の体育館ぐらいあるわね!さらに防音!壁を叩いても音が広がらない!
さらに壁は極大魔法でも防げるという驚き!ていうより極大魔法なんて威力の想像つかないけどね!
すごいわね!聞いていたけどこれほどすごいとはね!
時間が惜しいわ!持っているキャサリンの杖をまっすぐ的に掲げた。
とりあえず教科書の火魔法を詠唱してみた。
「震え立つ脈動、溢れ出る情熱、顕現せよ。」
身体の胃のあたりから何かが掲げている手の平に向かって流れてくる。
その流れが途中で色々なところに分散していくのがわかる。
そして残った少しの流れが杖まできて、火が出た。
チャッカーの代わりぐらいには立ちそう!いえい!基準がわからない!
ポジティブに行きますわよ!
あ、!今お母様いるわね!火魔法を詠唱してもらいましょう!
ついでに他の魔法も全部できる限り出してもらいましょう!ビジネスでも行動力こそ全てよ!
お母様の居間に行き、お母様におねだりしたら、すごくウキウキして来てくれた。
マミーすごく可愛いい。なんかもう子供みたいなのりなのよね。
金髪がとてもツヤツヤなのよね〜。と思いながら特訓場についた。
「お母様!早速火魔法を見せて欲しいの!」
「火魔法?適正じゃないから弱いわよ?」
「お願いします!」
お母様が杖を振り上げて「ファイア」と言ったらお母様の身体から魔力が一気に杖に流れるのがわかる。
そしてコンマ1秒ほどで一軒家を多い潰すほどの魔法が出た。
え!?やばいわよ!適正じゃなくてこの大きさなの!?チャッカーぐらいの威力で喜んでるのがアホみたいよ!
「お母様!私に魔法を教えてくださいまし!15才の武魔大会で成果をあげたいの!」
「あらあなた魔法なんて使えなくても素敵な殿方と結婚すれば安泰よって言ってたじゃない」
「無理よ。お母様……」
「あなたはこんなに美人で可愛いのよ。友達もいっぱいて。すぐにいい殿方が現れるわよ。」
「無理なの!お母様だってわかってるはずよ!今の私には何もないの!」
「何か学校であったの…?」
「これは私自身の問題でずっと先送りにしていたことなの!私が愚かだったわ!強くなりたいの!魔法に才能がないと逃げるのはもう嫌ですの!お母様だって気づいてたでしょ?魔法に才能がないのに三大魔法学校にコネで入って!15才の武魔大会で調子が悪かったって言い訳をしたら絶対私は自分自身を許せないわ!私には本当の友達だっていないわ!それもそうよ!家の威光を自分のもののように振りかざして生きてきたのよ!私のことを「財布」と「大貴族との繋がり」以外でみてる人なんていないわ!こんな私にいい殿方なんてつくはずがないわ!本当の自分をみないように相手を陥れて心を保っているようなガラスのプライドよ!類は友を呼ぶの!最低な人間には最低な人間!
努力しない人間には努力しない人間!お母さまみたいに素敵な人になりたいの!!現実からこれ以上目をそらしたくないの!!」
エリザからキャサリンの話は聞いていた。今のが全ての真実だわ。キャサリンは何もなくて空っぽで、でも誰もが私の生活を羨むのに心は何一つ満たされない。酷い話だわ。
お母様が泣き出してしまった。綺麗なお母様を泣かしてしまって申し訳ない。ちなみに私も泣いていた。なんか私だけの感情じゃない気がする、、おそらくキャサリンの身体と精神も今の言葉で抑えられなくなっているのだと思う。おそらくキャサリンの精神は生きているのだと思う。この涙の量でわかる。なんとなく生きていて感覚で自分が何もないことをわかっていたんだと思う。
なんでもそうだわ。家族関係、ビジネス全てにおいて、一つ一つ解決しないで放っておいたことがどんどん大きな問題になっていく。どんなミスも人のせいにして環境のせいにして自分は改善しようとしない。そんな人間は歳を重ねるごとにどんどんおかしな方向に行く。正論や事実が突きつけられた時にも吠えるか権力でねじ伏せるしか方法がなくなる。今この瞬間、この気づいた時に改善する必要があるのよ。でないとキャサリン。あなたは戻れなくなるの。私と私の旦那を殺した男もそう。人のせいにし続けて歳を重ねて最後には家族にも他人にも被害をだす。
人には求めるが自分では何も成長しようとしない。あんな哀れな人間には私がいる限りさせないわ。
私は泣かせてしまったお母様を抱きしめた。
「お母様お願いですの。私に魔法を教えて欲しいの。」
「ぐす、そうなるかもとわかっていたのに、、いつも自慢げに帰ってくるあなたを見ていて魔法で実績を出さなくても楽しくやっていけていると信じていたわ、、そんなはずないのに、、私こそ現実から目を背けていたわ、でもあなたをこれ以上その状況にはできないわ。私の教えられること全てをあなたに注ぐわ。」
お母様が涙を浮かべながら強い眼差しで私をみた。私も涙を浮かべながらお母様の目をみて強く頷いた。