現在の状況整理(2)
だって如何にも考えが偏ってる感じだもんね。
おそらく親の栄光を自分の物のように背負って胡坐をかいている感じですもの。
苦労している人が仕えてくれてる使用人をあんな風に辞めさせようとする訳がないしね。
話がそれました。てへつ!
グランキャニオン家は魔法の杖を作る材料リテロイド鉱石を取れる山を当ててのし上がったらしい。うん…魔法の…つえ………うん空耳よ。次行きましょう。
「って次行くわけないでしょ!」
「申し訳ございません!!!」
「ごめんなさい…あのーまほう〜エリザさん使えますか…?」
「え、はい。簡単な魔法ですが、心魔法コルジオンであれば、、もしかして、魔法のことも覚えてらっしゃらないのでしょうか…。」
「もちのろんよ!人が死なない程度の魔法なら使って見せて!早く!一秒でも惜しいわ!」
「は!はい!祭典の歌、女神からの祝福を受け権限せよ!コルジオン!!」
エリザの手の上で神秘的で真っ白な人の頭ぐらいの水晶が浮かんだ。
エリザさんはそのまま私にその神秘的な水晶を体に押し付けて、私の体にその水晶は溶けるように入ってきた。とても気持ちが暖かくなった。その瞬間、幸せな瞬間が脳裏に浮かんだ。とてもとても幸せな彼との日々。私が辛い時、いつも一緒にいてくれた。私が言い訳をして辛いことから逃げたらすぐに私を立ち上がらせ向き直らせてくれた。「諦めるな!できる!前をむけ!俺もついてる!」いつもは気が弱そうだけど私が悩んだらいつも真剣になってくれた。
胸が熱くなる。手に水が落ちてきた。私の涙だ。涙が止まらない。声をだして泣き出してしまった。
「ゥ”ワ”ア”ア”ア”ア”ア”ァ!!」
「お嬢様!申し訳ございません!」
エリザが背中をさすってくれる。優しい手がさらに涙を流させる。
もうだめだめかもしれな。心が彼を恋しくて離したくない。
私は、「パン 」!と自分の顔を両手で挟むように叩き気持ちを切り替えた。
泣いても状況が変わらない。死者を蘇らす方法が魔法の世界ならあるかもしれない。
よし!切り替えよう!
「ごめんなさい。エリザさんもう大丈夫よ。それより今の魔法の効果は幸せな思い出を思い出させる何かかしら?」
「はい……。以前お嬢様にこの魔法を他の使用人が使われた時はあまり反応はなく……軽はずみな行動をしてしまい申し訳ございません!」
「いいのよ。とても気持ちが暖かくなったわ。いい魔法ね。。。他には魔法を使えるの?」
「私は心魔法の適正でございます。魔法の才能がなく、記憶の誘発系の2つの魔法のみ使用できます。例えば、先ほどの幸せな思い出を呼び起こす魔法、思わず冗談を言いたくなる魔法を使用できます。」
「へぇー!すごいわね!幸せそうな能力ね!エリザさんの魔法はとても幸せな魔法なのね!きっとエリザさんの心がとても優しいからそんな魔法が使えるんだわ!私もできるかしら!?」
「う、う、キャサリンお嬢ざま、、ウ”ウ”ウ”ウ”ァ”ァ”!」
「エリザさん!?どうしたの!?大丈夫!?」
エリザさんをベッドに座らせて背中をさすった。
とても細い体であった。。とても苦労を重ねている手をみてなんだか胸が痛くなった。
次KYシスターがいじめたら往復ビンタ100連発食らわしてやろうと思った。いや、食らわすと決めた。人の痛みを分からないバカに育つ前に腐った根元から叩き切らなければ!
ようやくエリザさんが泣き止みベットに座っていることが申し訳ないのかすぐベットから立ち上がった。
「お恥ずかしい姿をお見せしまして申し訳ございません。そのような優しい言葉をおっしゃられて、胸が熱くなってしまいました。」
「あなたも大変だったのね。」
「お嬢様!私!お嬢様に死ぬ思いでついてまいります!!」
「ええ!最後まで全力でまっすぐ進むのよ!全力でついてきなさい!」
私はとても心が熱くなった。最初に会えたのがエリザさんでよかった。
これから大変そうだなぁ〜なんて思いながら、さらに続きの話を聞いた。