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青騎士閣下のような選ばれし主人公ではないモブキャラの俺に何故軍事会社の社長が攻撃を仕掛けてくるのだろうか?

 異世界生活百六十三日目 場所超帝国マハーシュバラ


 チェーザレ古書店を後にした俺達は、聖、リーファ、白崎、クトゥルフとデート? をしていた。

 まあ、実際は三人の買い物に付き合いつつ、お支払いをするだけの要するに歩く財布な訳だけど。


 まあ、そんな感じで服を選んだり、アクセサリーの専門店に行ったり、オシャレなカフェに入ったりしていた。……しかし、なんで聖達は一番に俺の好みを聞いてくるのだろうか? ファッションってのは自分の趣味を反映させればいいものだと思うし、並みの男子高校生程度のセンスしかない俺にわざわざお伺いを立てる必要はないと思うんだが……。


 そんな感じで中央都市を巡っていた訳だが、中央都市ブラフマーに入ったところで突然敵に襲われ、デート擬きが台無しになってしまった(まあ俺は別にいいんだけど、白崎達が折角楽しんでいたのに、それを邪魔されるのは嫌だろうな、って話)。


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鋼鉄兵(モーターナイト)

→ホワイト・レイブン・インダストリアル製の超科学兵器だよ! M82銀河同盟の巨大軍事会社の主力商品の一つだったよ! 身長や体格は大人の人間と同サイズの無人兵器だよ! 高速な通信で形成したネットーワークを使用して複数機で完璧な連携を行い攻撃するこたができるよ! 人間用の武器や防具を使用できるよ!

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 HPを含め、ステータスは存在しない。破壊可能オブジェクト……まあ、そんな感じだろう。

 それが五体。大通りを横一列でこちらに向かって歩いてくる。大通りを歩いていた人達は鋼鉄兵(モーターナイト)を恐れて屋内に退避した。……全く、ライディン●デュエル専用レーン並みに傍迷惑な奴だ。


「どうする? 一人一殺かな?」


「こういう時くらい私達に任せて……って言いたいけど、丁度五人いるし一人一殺でもいいと思うよ」


 白崎達も同意してくれたということで早速戦闘開始。


「〈超圧縮魂魄霊子鏃エターナルエンジェリックシュート〉!!」


「――激流の斬撃(カレント・ストリーム)


「南空に浮かぶ十字架の形となりて、我が敵に慈悲を与えよ――《十字斬り裂く耀光(ノーザンクロス)》」


「――concasser(コンカッセ)


 聖の霊力の矢、リーファの激流のざんねき、白崎の十字斬りが鋼鉄兵(モーターナイト)を瞬殺した。一応俺もエルダーワンドで鋼鉄兵(モーターナイト)を破壊したけどやっぱり白崎達に比べたら地味だからな。


『な、なんで効かないのじゃ!?』


「「「まさか、超越者(デスペラード)の性質!?」」」


 クトゥルフの触手を弾き返した鋼鉄兵(モーターナイト)……旧支配者の攻撃を完璧に弾くとか、もう超越者(デスペラード)の耐性以外にあり得ないよな。


「――hacher(アッシェ)!!」


 クトゥルフが対峙していた鋼鉄兵(モーターナイト)をエルダーワンドで微塵切りにする。


『助かったのじゃ……ありがとうなのじゃ』


「いや、クトゥルフさん。警戒解くの早すぎる」


 超越者(デスペラード)が仕掛けてきたのに鋼鉄兵(モーターナイト)三体程度の戦力で撤退ということはあり得ない。

 突如上空に現れた金属の塊に叡慧ト究慧(セーフェル=)之至高神(イェツィラー)を発動しながら、内心で溜息を吐く……はぁ、面倒だな。


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・ヴァリアントフレーマンサー

→ホワイト・レイブン・インダストリアル製の超科学兵器に魔法と別の世界の科学を融合した魔導科学融合巨大人型戦闘兵器だよ! ネクトエメラリウムとエーテリアスリキッドを動力に組み込んでいるよ! エーテリアスリキッドの魔力を全身に行き渡らせることで操縦者の魔力と同調させることで自分の身体と同じように動かせるよ! 他の機械とシステムをリンクさせることで互いの戦闘能力を劇的に向上させるリンクシステムがあるよ!

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 鋼鉄兵(モーターナイト)よりも遥かに巨大な金属の塊――つまりは、ロボットものに出てくるような巨大人型兵器だ。

 名前を聞く限りではネク●オリビウムを基にしたヴァリ●ンサーと、エーテ●リキッドを利用するフレー●ギアの融合というところでその性質を随所に感じることができるが、根幹となった技術は鋼鉄兵(モーターナイト)……ってか、ホワイト・レイブン・インダストリアルだし、略称の感じからして明らかにアイツだよな。


「よっ、デク●トロゥ……いや、エゥレ●シスか? 生憎とここには青騎士閣下はいないんでな。とっとと撤退して別の奴当たってくれや」


『……誰かと勘違いしているのか? しかし、中に私がいることを見破ったところは流石と言いたいよ。……私は以前原始人と侮った《最後の侍(ラストサムライ)》に敗れていてね。例え私達の文明以下の異星人を相手にするとしても一切手を抜かないことを誓っているのさ。勿論、それは異世界人にも適応される……まあ、今回は君達……いや、君の実力を見せてもらいたくてね、能因草子。我が終生のライバルにして友、逢坂詠から二度生き延び、二度勝利を収めたその強さ――是非、見せてもらいたい!!』


 ……って言いながら一切こちらに攻撃してこないところを見ると、あちらさんは空中戦をお望みかな?

 というか、なんで主人公(インフィニット)と組んでいるんだろうね? 憎めない悪役(この人)は。先代魔法少女と組んだ方が自然なんだけど……ってか、この組み合わせは魔法少女と組んだ以上に危険だ……正気か! 異世界カオス!!


「――大海を象徴する渦巻く海神、荒れ狂う時化より顕現せよ。生と死を象徴する神意で裁きを下せ、〈レヴィアタン〉」


 虚数空間から〈レヴィアタン〉を召喚して――。


接続(コネクト)開始(オン)


 接続を行うと同時に大空へと飛翔した。


『な、なんなのじゃ!? お主、いつの間にそんなものを!!』


「草子君がなんで〈装甲祥瑞エクイプメント・ファンタズマル〉を使えるの!?」


「いや、白崎さん。これ、〈装甲祥瑞エクイプメント・ファンタズマル〉じゃなくて機装神竜(デウス・ドラゴン)だから! 対〈装甲祥瑞エクイプメント・ファンタズマル〉にテクストの切り貼りで作った新兵器だから!!」


「……本当になんでもありよね、草子君って」


 聖達が呆れ顔を浮かべているが、そもそも俺はモブキャラだからこんな感じでできることを増やしていかないと絶対に存在価値なしでパーティから追放されるんだよ!! 確実に。


『なかなかやるようだね。まさか、私が異世界カオスに来てから数年がかりで完成させた〈装甲祥瑞エクイプメント・ファンタズマル〉に対抗できる兵器をさも当然のように完成させてしまうとは……それでこそ、戦い甲斐があるというものだ。――行くよ、エネルギー刀身剣(ネクターソード)!!』


 いきなり使ってきたか……確か、エネルギーの刀身を持つ剣だったか? 様々なヴァリ●ンサーが使う汎用兵器だったっけ?


「【神戦陣烈熾――煌牙】」


 特殊武装の一つ――〈葬玉の銀剣(タイダルブレイド)〉を抜き払い、特殊武装の一つ――〈七色の宝玉(レインボーオーブ)〉の効果で光を操作して生み出した刀身を組み合わせ、一点集中した高密度の光刃を生成する。


飛操大剣(フラガラッハ)


 直接エネルギー刀身剣(ネクターソード)で攻撃を仕掛けてくる訳ではなく、投げると勝手に敵を倒してくれる剣をエネルギー刀身剣(ネクターソード)を持っていない手で三振り投擲してきたか。

 ってか、今度はフレー●ギア!? いや、詰め込みすぎじゃね!! しかもスマホの王様の主力武器だし。


龍神装(デウス・オーソリティ)――絶対王政(レガリア)


 絶対王政(レガリア)の効果で飛操大剣(フラガラッハ)とヴァリアントフレーマンサーの接続を断ち、その隙を突いて〈葬玉の銀剣(タイダルブレイド)〉で斬り捨てる。


『ならば、これならどうだ!! 二又槍狙撃銃(ストレレッツ)


 おいおい、マジかよ。ゾ●リアの武装まで使うのか……量産機の武装だからまだマシなのか? いや、そういうのはあまり関係ないか。

 エネルギー刀身剣(ネクターソード)二又槍狙撃銃(ストレレッツ)を装備したヴァリアントフレーマンサーが加速する。背中の翼を潰せば確実に大きな隙を作れるけど、それだと地上の住民に被害が出るし……。


龍神装(デウス・オーソリティ)――絶対王政(レガリア)


 接近と同時に絶対王政(レガリア)を発動。前回は飛操大剣(フラガラッハ)とヴァリアントフレーマンサーの接続を断つのが狙いで一点集中にしたから絶対王政(レガリア)の効果を受けなかっただろうが、今回はヴァリアントフレーマンサーに直接浴びせた……どうかね? 機体の制御ができなくなる感覚は。


「【神戦陣烈熾――煌牙】」


 そのままヴァリアントフレーマンサーを切り裂いて終。

 搭乗者(パイロット)は潔く脱出したようで、空になったヴァリアントフレーマンサーの方は落下して大事故になる前に【虚空ト異界ヲ統ベル創造ト破壊之究極神】で捕食しておいた。



 搭乗者(パイロット)は金髪碧眼の外国人風の男だった。

 WRIの紋章が入った正装を纏った優男系のイケメンは、どこかの実業家兼慈善家のような雰囲気を感じさせる……その背中に妖精のような羽が無ければ。


-----------------------------------------------

NAME:デクエゥシス=メリュボラハウム AGE:18歳

LEVEL:30000 (DESPERADO)

HP:10000000/10000000(+10000)

MP:10000000/10000000(+10000)

LP:99999999/99999999(+10000)

STR:10000000(+10000)

DEX:10000000(+10000)

INT:5000(+10000)

CON:10000000(+10000)

APP:39000(+10000)

POW:10000000(+10000)

LUCK:10000000(+10000)


JOB:ホワイト・レイブン・インダストリアル総帥


TITLE:【ホワイト・レイブン・インダストリアル総帥】、【ディストピアからの転生者】、【超越者(デスペラード)の領域に至りし者】


SKILL

【狙撃】LEVEL:MAX(限界突破)

→狙撃が上手くなるよ!

【狙撃必中】LEVEL:MAX(限界突破)

→狙撃が必中するよ! 【照準】の上位互換だよ!

【翼理】LEVEL:MAX(限界突破)

→翼使いの真髄を極めるよ! 【翼術】の上位互換だよ!

【飛行】LEVEL:MAX(限界突破)

→飛行が上手くなるよ!

【全属性魔法】:MAX(限界突破)

→全属性の魔法を使えるようになるよ!

【複数魔法同時発動】LEVEL:MAX(限界突破)

→複数の魔法を同時に発動できるよ!

【複合魔法】LEVEL:MAX(限界突破)

→複数の属性の魔法を融合できるよ!

【森羅魔眼】LEVEL:MAX(限界突破)

→森羅万象を見通す魔眼を得るよ! 【看破】、【邪眼】、【魔眼】、【瞳術】、【透視】、【千里眼】の上位互換だよ!

【クライヴァルト語】LEVEL:100

→クライヴァルト語を習得するよ!

【ミンティス国】LEVEL:100

→ミンティス語を習得するよ!

【マハーシュバラ語】LEVEL:MAX(限界突破)

→マハーシュバラ語を習得するよ!

【ジュドヴァ=ノーヴェ語】LEVEL:100

→ジュドヴァ=ノーヴェ語を習得するよ!

【エルフ語】LEVEL:100

→エルフ語を習得するよ!

【ドワーフ語】LEVEL:100

→ドワーフ語を習得するよ!

【獣人第一共通語】LEVEL:100

→獣人第一共通語を習得するよ!

【海棲語】LEVEL:100

→海棲語を習得するよ!

【掣肘】LEVEL:MAX(限界突破)

→掣肘が上手くなるよ! 【威圧】の上位互換だよ!

【覇潰】LEVEL:MAX(限界突破)

→覇潰が上手くなるよ! 【覇気】の上位互換だよ!

【殺気圏域】LEVEL:MAX(限界突破)

→殺気を放って一定の領域に足を踏み入れなくするよ! 踏み入れると傷つくよ! 【殺気】の上位互換だよ!

【気配察知】LEVEL:MAX(限界突破)

→気配察知が上手くなるよ!

【魔力察知】LEVEL:MAX(限界突破)

→魔力察知が上手くなるよ!

【熱源察知】LEVEL:MAX(限界突破)

→熱源察知が上手くなるよ!

【振動察知】LEVEL:MAX(限界突破)

→振動察知が上手くなるよ!

【危機感知】LEVEL:MAX(限界突破)

→危機感知が上手くなるよ!

【全マップ探査】LEVEL:MAX(限界突破)

→今居るマップ情報を完璧な状態で得るよ! 【空間把握】の上位互換だよ!

【妖精族之創造神】LEVEL:MAX(限界突破)

妖精力(レプラカーン)を消費して思い描いたものを想像することができるよ! 妖精の創造能力の集大成だよ!


ITEM

前世感応板(パスト・ウェポン)×10

→前世に愛用していた武器を顕現する板だよ! 超帝国の秘密兵器だよ!

・WRIの正装

→ WRIの紋章が入った正装だよ!

九魂の腕輪ナインフォース・ブレスレット

→腕輪だよ! 九つ入れられるよ! 【即死無効・スキル】、【即死無効・魔法】、【因果無効】、【物理無効】、【属性魔法乱反射】、【状態異常乱反射】、【魔力回復】、【体力回復】、【電脳保存】が入っているよ!


NOTICE

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 亜人種の中でも希少種の妖精族(フェアリー)……まさか、そんな奴が超帝国マハーシュバラ最大の軍事会社ホワイト・レイブン・インダストリアルのトップだとはね。


「いや、負けた負けた。まさか、ここまで完膚なきまで負けるとはね……正直君を少し侮っていたようだ。……いや、我が終生のライバルを倒したという事実を私は信じたくなかっただけなのかもしれないな」


「……その終生のライバルからはウザい奴って思われているようですけどね、デクエゥシス=メリュボラハウムさん。……全く、街中で暴れないでくださいよ。万が一被害が出たらどうするんですか?」


「被害を出さないところまで全て君を実力を測る指標だった……被害ゼロということは君が誇るべき結果だと私は思うけどね」


 被害を出すようなところでそもそも戦うなという話を、被害を防ぐところまで実力を測る指標だったと置き換えて俺を賞賛することで自分への被害を最小限に食い止めやがった。……ヤバイな、コイツ。


「では、私達と草子君のデートを妨害した件についてはどう落とし前をつけてくれるのですか?」


「あっ、いや、それは……うん、君達の実力も測りたかったんだよ。ほら、一人の実力を測るよりも四人同時に測った方がいいだろうし」


「「「問答無用!! (あたし)達のデートを邪魔した優男はボコボコだ!!」」」


 あっ…………終わったな、デクエゥシス。なんかよく分からない理由でデクエゥシスが見るも無残な姿に。確かに、折角荷物持ちがいる状況で買い物をできる筈だったのに、これじゃあ買い物気分には戻れないからな……。


「わ、分かった! 今回の埋め合わせとして私もお嬢さん方のデートに協力しよう! 具体的には……そうだな。知り合いの喫茶店で何かご馳走しよう。勿論、邪魔者は退散するし、店も貸切にしよう」


「本当なの!?」「本当ですか?」「本当に!?」


 ……なんか、よく分からないけどデクエゥシスが白崎達に奢ることになったらしい……いや、そこまでしなくてもいいと思うけど。

 その後、貸切の喫茶店で聖達とひと時を過ごし、満喫して店を出たところでデクエゥシスと別れた。

 なんでも、ヴァパリア黎明結社との戦いにデクエゥシスも参加するようで、超帝国マハーシュバラの選択次第では俺達と行動を共にするそうだが(何気に俺の屋敷に居候しそうだよね、この人)、その前に実力を確かめておきたかったらしい。


 全く傍迷惑な話だが、確かに背中を預けるかもしれない相手の実力を見ておきたいという気持ちは分からないでもないな。

 ちなみに、デクエゥシスに襲撃されてからご機嫌斜めになっていた白崎達だが、喫茶店を出る頃には満面の笑みだった……やっぱり、一流の店のものは美味しかったんだろうね。

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