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新たな変態が現れた!! 光の速度で雪女の神秘性も恐ろしさも謎も伝説も消えたようだ。

 異世界生活百四十八日目 場所ジュドヴァ=ノーヴェ魔族王国、豪雪凍土の四天王領


 二回目以降は旨味が皆無に等しいので、魔導式駆動四輪《Liacdlac(リアクドラック) Organum(オルガノン)》に戻って純白の世界をひた走る。

 豪雪凍土の四天王領はその厳しい気象環境などの理由から魔族からも忌み嫌われ、今時雪女や氷柱女も住まないらしい……あれ? お前達のホームベースじゃないの?


 ここに住んでいるのは魔族の中でも余程偏屈な奴か、世俗に嫌気が指して隠棲している奴か、そうでなければ一部の物好きなので、わざわざ関わりに行くのは面倒だし、どちらにとっても不利益だとメリーヌと八重羽が口を揃えて言っていた。

 まあ、ひっそりと余生を過ごしている連中にわざわざ会いに行って平穏を乱すのは生産性のないことだし(まあ、テレビの企画として関係ない第三者が見るのなら面白いだろうし、テレビに出たい奴ならそれはそれでいいと思うが)、そんな無駄な時間を過ごして不毛な諍いを生むくらいならこのままサクッと豪雪凍土の四天王領の城に行ってしまおうということで、絶賛爆速中である。


 まあ、白崎達もなんか骨牌(トランプ)やらUNOやらに興じているようだし、一部はBL本を執筆しているみたいだし……というか、リーファと志島と一と柊と、あとおまけで一ノ瀬とジュリアナは酔えばいいと思うんだよね? あっ、勿論リバースしたらキレるよ??


 そんな感じであっという間に城に到着。全て氷で作られた幻想的な城が現れた……しかし、魔族の気配がほとんどしねえな。

 とりあえず、ノックを四回。……チャイムないから。


 しかし、反応はなし……。じゃあ、勝手にお邪魔します。


 城に入り、無駄に長い廊下を歩く。しかし、誰もいない……こんなに大きな城に一人で住んでいるって。

 まあ、異世界の魔王領でぼっち仲間に遭遇するとは思わなかった……まあ、会いに来たんだけどさ? てゆーか、興味本位の突撃視察?


 そのまま真っ直ぐ進む。最奥の巨大な扉で再びノック。


『あれ? まさかお客様ですか? 珍しいこともあるのですね』


 おっ、今度はちゃんと反応があった。


「失礼します」


 扉を押し上……けようとして、動きが緩慢だったから蹴破った。

 蹴りで扉が崩壊、白崎達が「何やっているの!!」と叫んでいるが、そもそもこんなでかい扉にしたのが悪い。


 限りなく水色に近い白髪のゾッとするような美しさの純白の振袖を着た美しい女性がいた……いや、なんでこんなにも美しいのに恋人どころか友達が一人もいないんだろうね? あっ、もしかして高嶺の花過ぎて誰も手を出せないとか?


「………………なんだ。ショタじゃないのか」


 ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーン、バリン。


 ……うん、違うな。いくら見た目が良くてもこれは許容できないって奴だな。



「ゴミ掃除完了! ふう、スッキリした!!」


 壁にめり込んだ雪女を見ながら額の汗を拭う。

 いやぁ、雪女の神秘性や恐ろしさをぶち壊す最悪のシリアスブレーカーだった。……このまま湯船に沈めてやろうか? もしくは「先クロモジに後ボーシ、締めつけ履いたら、如何なるものも、かのうまい」と唱えながら焼き尽くして進ぜようか?


-----------------------------------------------

NAME:氷麗=スノーワイト=雪乃

LEVEL:1000

HP:700000/700000

MP:400000/400000

STR:800000

DEX:500000

INT:50000

CON:600000

APP:3000

POW:600000

LUCK:30000


JOB:雪之女王(スノークイーン)


TITLE:【魔王軍四天王】、【氷王】、【雪女族の族長(笑)】、【ショタを狂愛する者】、【氷の変態】、【世界一危険な雪女】、【ソノモノニショタヲアズケルコトナカレ】


SKILL

【冷氷掌握】LEVEL:10000

→冷気と氷と雪を掌握するよ! 【冷気掌握】と【氷掌握】と【雪掌握】の上位互換だよ!

【エターナルフォースブリザード】LEVEL:10000

→一瞬で相手の周囲の大気ごと氷結させるよ! 相手は死ぬよ! 【絶対零度】の上位互換だよ!

【ジュドヴァ=ノーヴェ語】LEVEL:2000

→ジュドヴァ=ノーヴェ語を習得するよ!

【掣肘】LEVEL:2000

→掣肘が上手くなるよ! 【威圧】の上位互換だよ!

【覇潰】LEVEL:2000

→覇潰が上手くなるよ! 【覇気】の上位互換だよ!

【魔力操作】LEVEL:2000

→魔力操作が上手くなるよ!

【魔力付与】LEVEL:2000

→魔力付与が上手くなるよ!

【魔力治癒】LEVEL:2000

→魔力を使って治癒ができるようになるよ!

【魔力制御】LEVEL:2000

→魔力制御が上手くなるよ!

【魔力吸収】LEVEL:2000

→魔力を吸収できるようになるよ! 【魔力回復】の上位互換だよ!

【再生】LEVEL:2000

→失った部位を再生できるようになるよ! 【体力回復】の上位互換だよ!

【おねショタ】LEVEL:MAX(限界突破)

→ショタが近くにいる時にステータスが向上するよ!


ITEM

深雪の純白礼装(スノー・ドレス)

→深雪をイメージした白いドレスだよ! マーメイドラインだよ!

深雪の純白振袖(スノー・キモノ)

→深雪をイメージした白い振袖だよ!

-----------------------------------------------


 ステータスは割といいのにな……一部のスキルからなんとなくリーファと同じ匂いがするが、見なかったことにしよう。


「……ひ、酷いじゃないですか! 事もあろうに美人な私に暴力を振るうなんて!! 紳士は女子に暴力を振るっちゃダメなのですわよ!!」


「どこに美女がいるって? 後、俺は真の男女平等主義者だから男でも女でもボコす時はボコすし殺す時は殺すよ?」


「――人間は野蛮なのですか!? 怖いですわ!!」


 なんか俺が悪いみたいになっているんだが…………いや、違うよね!?


「ちなみに、ショタだったらどうするんですか?」


「勿論、一生その美しいお姿を拝見できるように氷漬けにしてコレクションさせて頂きますよ? 歳をとれば可愛いショタの魅力がなくなり、汚れた大人になってしまいますから。――可愛いものは可愛いままでいるべきなのです! 例え死んでしまうとしても!?」


 あっ……………………やっぱり危険な奴だった。


「はあ……やれやれ、全くこれだから。世界で最も崇高な存在はロリであってショタなどでは断じてない」


「…………ふっ、くだらないですわね。ショタこそが至上! そもそも一体ロリのどこがいいんですかァ!?」


「というか、イセルガクン。前々から思っていたんだけど、お前って幼女狂信者(ロリコン)じゃなくて、可愛い女の子なら誰でも食べちゃう雑食だよね?」


「ふふふ、ロリコンですからない貴方が何を言おうと意味はないのよ! 私は精通をしていない男の子しか愛さない、真のショタコンなのよ! ロリコンですらない男は黙らっしゃい!!」


「お姉さん、貴女に一目惚れしました。どうか、ボクのお嫁さんになってくださ――」


「ショタでもない小娘が気安く話しかけるなァ!!」


「騒々しいわァ! 〝痛みを理解したまえ〟――〝ダイレクト・ペイン〟」


「なんでボクまで!?」


 それは勿論、イセルガも雪乃も一ノ瀬も関係ない俺からしたら全員五月蠅い奴だからだよ!!



「なるほど……その地球という世界に帰還するために旅をしているのですね? でしたら、私も連れて行ってくださいませんか?」


「…………はぁ」


 目を覚ました雪乃から事情を聞かれ、最初は面倒だと思って適当にはぐらかそうとしたのだが、妙に熱心に聞いてくるので仕方なく事情を説明したらこうなったら……はい?


 書籍化された(オメデトー!!)メリーさんが異世界に召喚される話みたいな唐突展開だな。

 ……うん、キュ●べえじゃなくても「わけがわからないよ」と言いたくなるよな。


「でも、いいの? 魔王軍四天王なんでしょう?」


「どうせぼっちですし、魔王軍四天王最強と言われているようですが、ここ最近は勇者との戦いに呼ばれたこともありませんからね。別に私がいなくても問題ないでしょう? 魔王に恩がある訳でもありませんし、私にとって大切なのはショタです!! ショタのためなら魔王だって殺します!!」


 うわ、この人ショタコンだけじゃなくてヤンデレも抱えているよ! おまけにぼっちでヒキニートだ! 前半は違うけど後半は一緒だ! ってほっとけよ! ……ってか、今回は本気で嫌だぞ、コイツと一緒くたにされるの。バター責めしてから包●乱舞と妖●剣《煌帝Ⅱ(こーてーツー)》で滅多刺しにするぞォ! みんなァのォ、うらァみィ!! うしィのォこくまィりィ!! ……なんか違うの混じったけど、とりあえず血祭りだ! ヒィィィィィィーハァァァァァー!!


「それに、私は前からずっとショタを探す旅に出たかったのです! 草子さんについていけばカオスな世界のショタに会えるかもしれませんし、地球という世界にいけば地球のショタに会えるかもしれません!!」


 「お巡りさん、こっちです!」って警察官召喚しても言っても目付きの悪い男子高校生と美人なお姉さんのどっちを信用するかは明々白々。

 かなり犯罪臭のする見た目だけは美人な人だが、このまま放置すると勝手についてくるだろうし、そうなればイセルガ並みに危険だ。

 地球にこの危険な生物を連れて行くのはやめたほうがいい気がしないでもないが、そのまま放置するのも危険だし、いっそ見える範囲で管理した方が……とりあえず。


「分かったよ。じゃあ、パーティに入る際に必要な書類があるからサインお願いね」


「……草子君、そんなも――あぐあぐ」


 白崎の口をリーファに抑えさせ(俺がやると犯罪臭がするから、同じ女子であるリーファにやらせた)、作った書類とペンを渡す。


「……あの、なんて書いてあるんですか?」


「あたし聖ちゃん。見てあげるの……」


 最近流行っているのだろうか? というか、よくよく思い出すと初対面の時もメリーさんの真似してたな、この娘。


「…………どういうこと? アクロ語とスワリヒ語とイテリメン語とケチュア語とチュクチ語とポーランド語とフランス語とアラビア語とドイツ語が共存して、文法もめちゃくちゃなのに文章になっている!?」


 ふふふ、これならアクロ語が読めても読めまい。しかし、滅茶苦茶だがちゃんと文章になっているのだよ!!


「えっと、要約すると『私は草子さんのパーティに加入します』と書いてあります」


「…………そうね」


「この線の引いてあるところに名前を書けばいいのね!」


 サラサラと名前を書いていく雪乃。ハハハ、馬鹿め! 引っかかりよって!!

 これで貴様も幼女狂(イセルガ)と同じく〝ルール・オブ・アブソリュート〟によってショタに手を出そうとした瞬間に死ぬことが確定したのだよ。


「はい、ありがとうございます。ちなみに、この契約書には本当は『ショタに手を出そうとしたら死ぬことに同意する』って書いてあるから」


「なっ……騙しましたね」


「はははは! 言い様ですねぇ! これで貴女も私と同列です!! 触りたくても触れない、食べちゃえない苦しみを味わうがいいのです!!」


「…………くっ」


 なんということでしょう。優越感に浸っていた雪女が匠の技で変態執事と同列に……ψ(。。)(°°)ナニ、カイテンノ?


「まあ、とりあえず一方的に鑑賞するだけなら問題ないから。後、面倒なことをしたらその時も殺すんでよろしく」


「もしかして、私って危険な人の仲間になっちゃった?」


「…………あたしからしたら貴女も十分ヤバイわよ。全く、草子君といい、リーファさんといい、志島さんといい、一さんといい、柊さんといい、一ノ瀬さんといい、ジュリアナさんといい、全く変態が多くて困っちゃうわ。やれやれだぜ」


「…………ねえ、知っている? ブーメランって戻ってくるんだよ?」


 うん、聖も変態だから他人のことをとやかく言えるよね? というか、俺は危険度一の変態だから聖よりも人畜無害なんだよ? ホントダヨ?


「「なんで(ボク)まで変態扱い!?」」


 まあ、聖の中ではBLも百合もショタコンもロリコンも本好きを拗らせた変態も皆等しく変態なんだろう……驚かし狂で爆弾魔な幽霊は変態に入らないんだね。後、ドS(ロゼッタ)も。


「で、俺達はこのまま魔王城に向かうから準備をすることがして欲しいんだけど」


「そうね……ちょっと待っててくれないかしら? 私物の片付けと、後は退職届を書かないといけないし……」


 あっ……やっぱり魔王軍四天王辞めるんだな。四天王最強なのに……。



 ルービック・ボックスを手渡し、そこに私物を詰め込むように伝えたが、以外と私物は無かった……あったのはショタグッズという謎グッズだけ……なお、ここに本物の氷漬けショタが含まれていなかったことを記しておく。


 雪乃が退職届を書き終えたところで魔導式駆動四輪《Liacdlac(リアクドラック) Organum(オルガノン)》に乗り込み、いざ魔王領の中心部――魔王都市ジュドヴァへ!


 雪乃曰く、ここから真っ直ぐ徒歩で三日ほどなので、魔導式駆動四輪《Liacdlac(リアクドラック) Organum(オルガノン)》を使えばもっと早く到着できるだろう……というか、この猛吹雪の中を三日っていくらなんでも死ぬよな。


「ところで、なんだろう? 見たことがあるようなないような反応があるんだけど……」


「…………随分曖昧ね。何かに似ているってことかしら?」


「………………悪堕ち魔法少女(ドッペル)に?」


『ブーーーーーー。ゲホゲホ……お、脅かさないでくれよ。じゃなかった、くれリプ。お茶が変なところに入ったリプ』


 いや、何呑気に魔法少女と一緒に優雅にお茶を飲んでいるんだい、クリプ君? ……うん、最近のマスコットにあるまじき体たらくじゃないか?

 最近のマスコットはエネルギーの搾取後の地球や犠牲になる魔法少女たちへ一切配慮することない狡猾なエイリアンや、高飛車な性格や新人にまともなフォロー無しなどの問題行動により同僚からは軒並み嫌われている妖精や、魔法少女達が殺し合う姿を見たいからという理由でルールを書き換える電子妖精とかろくな奴がいないよな? えっ、良識的かつ温厚な性格の電子妖精(マスコット)もいるって? いや、あれは最後の良心みたいな奴だし……最後は宇宙の果てに消えていったけど。


『でも、似ているけど違うリプよね?』


「ん? 反応は呪力(サターナ)なんだけど、魔法少女の反応がないっていうか……というか、そもそも疑問だったんだよね? なんで悪堕ちした魔法少女は魔法ではなく呪法を使うのか? 呪力(サターナ)とは一体なんなのか? 俺が知る概念と一致するのなら、それは魂の根源にある人間の負の力ということになるんだろうけど、分からないのはその位置関係だけど……というか、魂の力って観点なら、既に霊力って概念があるからな。この辺りは不明だけど、それは置いといて……問題は悪堕ち魔法少女(ドッペル)になった時に呪力(サターナ)が解放される理由……人間の奥底にある負の面が表に出ているから? となると、開発部門(アノニマス)が目をつけたのはその呪力(サターナ)ってことに…………いや、やっぱり連中は目の付け所が違うな。となると、連中が次に進むのは魂を抜き取る種子による異端生物? いや、それすらも単なる通過点で…………あっ、解脱ね。いやはや、魔法少女からまさか中国の仙道に繋がるとは思わなかったよ。まあ、仙道の考え方からしたら邪道だろうけどさ」


 いや……なるほどね。でも、多分それすらも連中にとっては知的好奇心を求める研究の一端に過ぎないんだろうな。

 本気で不老不死を――解脱を求めていたユェンが聞いたら血の涙を流しそうな、インスタント・解脱だな……しかも大真面目な研究じゃないとかって……お可哀想に。


『……つまり…………どういうことリプか?』


「察しが悪いな、聡明なクリプらしくない。お前らの母体フリズスキャールヴは魔法少女と悪堕ち魔法少女を循環する永久機関として捉えていたようだが、開発部門(アノニマス)はそれを解脱――仙人に至る技術にまで高めようとしているって訳だ。そもそも悪堕ち魔法少女は、人間の負の側面――絶望などの負の感情によって生み出される存在だ。それは、魔女って似たような存在にも共通する点だな。要するに溜め過ぎた負の感情を転嫁できなくなってチェックメイトって話だ。つまり、ありえない話だけどまだ馬●戈と魔女が死闘を演じればその体が業で汚されて死んでしまうってことだな……まあ、物理法則が違う訳だし、必ずしも適用できる訳ではないけど。で、そこから連中はどうやって辿り着いたかは知らないけど、悪堕ち魔法少女のシステムに改良を加えることで魂を取り出し、尸解仙に至ろうと考えた訳だ……と思われる。要するにユェンが求めていた不老不死――昇仙に全く別の方向からアプローチをかけたということだな」


「…………でも、草子さん。解脱って本当にできるんですか? ユェン大師父(ダースーフ)もそのための修行を続けながら結局できなかったんじゃ……」


「例え人より長いエルフの寿命をもってしても難しいんじゃないかな? 【調息】を用いて内部から仙人に至るのは非効率だし……まあ、これ以外に方法は無かったんだから。だから、連中がやろうとしているインスタント・昇仙はユェンからしたら喉から手が出るほどの技術か、嫌悪感を抱くものかの二択になるなって話。…………しかし、なるほど。それなら、コンスタンスさんが所属していた塵芥共(勇者パーティ)を捕まえたのに魔法少女にしなかったのも納得できるな。より強い魂、そして妄執――堕とすなら勇者は最高の逸材だ。処女厨で男尊女卑の勇者を使ったらどんなクズができるか興味はあるけど、それはあり得ない反実仮想だから別として……とりあえず、今の反応がコンスタンスさんの仲間の誰かって可能性はあるんじゃないかな? 勇者パーティに所属したってだけで因果律が働いて魂が強化される……ってことはないだろうけど、記憶を弄れば人格を変えて魂の多寡を向上させることができるかもしれないし……」


「…………覚悟はしていたけど、本当に戦うのね?」


「いや、別に嫌ならやめていいけど?」


「正直どうでもいいです。復讐心なんてものは湧きませんし、ギャフンと言わせたいとも、今の実力を認めさせたいとも思いませんし。――今の私は一ノ瀬さんの隣にいることができるのならそれで十分です」


「…………随分欲がないことだねぇ。それに、そいつのどこがいいのやら? つくづく理解できんよ。まあ、その様子ならかつての仲間だから戦えないという事態にはならなさそうだな。――例えかつての仲間だろうと厄災を撒き散らすなら、敵になるというなら殺す。それくらいの覚悟がないんなら、このカオスなパワーバランスの世界で地球に帰還するっていう誰もが当たり前のように願う叶えられて当然の願いを叶えることはできぬさ」


 反応が少しずつ近づいてくる。そして、近くには三つの反応……一つは明らかに弱っているけど。

 さて、どういう組み分けでどのように攻めるとしましょうか?

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