酸性とアルカリ性のスライムを混ぜたら中性のスライムが誕生するのだろうか? それとも無性?
異世界生活百四十一日目 場所アシャッフテの森
昨日から引き続きアシャッフテの森を歩いております……うん、徒歩で進むと限界があるからね。その分色々な発見があるんだけど。
魔王領にしか生えない薬草を拾ったり、ドクツルタケを拾って食べてみたら【状態異常無効】で無効化されたりと。
まあ、【状態異常無効】があるからできることであって、常人には魔獣肉捕食と同じくらいオススメしないけど。
ジューリアがよだれを垂らしそうなくらい食べたそうにしていたので今日の夕餉はきのこ料理にすると約束して大量に積んでいたクサウラベニタケは捨ててもらった。……ヴァパリア黎明結社と戦う前に死ぬ気か、ジューリアよ。
しかし、この森……大分……というか、かなり毒系のものが生息しているな。
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NAME:超毒の粘性成物
LEVEL:360
STR:100000
DEX:10000
INT:0
CON:1000000
APP:0
POW:1000000
LUCK:10000
SKILL
【捕食】LEVEL:400
→敵を捕食するスキルだよ! スライム固有スキルだよ!
【隔離】LEVEL:400
→胃袋の中で区分できるようになるよ! スライム固有スキルだよ!
【擬態】LEVEL:400
→擬態が上手くなるよ! スライム固有スキルだよ!
【無限胃袋】LEVEL:400
→無限の胃袋を持つよ! スライム固有スキルだよ!
【超毒の身体】LEVEL:400
→超毒の体を得るよ! デッドリーポイズン・スライム固有スキルだよ!
【液体化】LEVEL:400
→液体化が上手くなるよ! スライム固有スキルだよ!
【物理無効】LEVEL:400
→物理を無効にするよ! 【物理耐性】の上位互換だよ!
【魔法耐性】LEVEL:400
→魔法に対する耐性を得るよ!
ITEM
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NAME:超酸の粘性成物
LEVEL:360
STR:100000
DEX:10000
INT:0
CON:1000000
APP:0
POW:1000000
LUCK:10000
SKILL
【捕食】LEVEL:400
→敵を捕食するスキルだよ! スライム固有スキルだよ!
【隔離】LEVEL:400
→胃袋の中で区分できるようになるよ! スライム固有スキルだよ!
【擬態】LEVEL:400
→擬態が上手くなるよ! スライム固有スキルだよ!
【無限胃袋】LEVEL:400
→無限の胃袋を持つよ! スライム固有スキルだよ!
【超酸の身体】LEVEL:400
→超酸の体を得るよ! ストロングアシッド・スライム固有スキルだよ!
【液体化】LEVEL:400
→液体化が上手くなるよ! スライム固有スキルだよ!
【物理無効】LEVEL:400
→物理を無効にするよ! 【物理耐性】の上位互換だよ!
【魔法耐性】LEVEL:400
→魔法に対する耐性を得るよ!
ITEM
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NAME:超塩基の粘性成物
LEVEL:360
STR:100000
DEX:10000
INT:0
CON:1000000
APP:0
POW:1000000
LUCK:10000
SKILL
【捕食】LEVEL:400
→敵を捕食するスキルだよ! スライム固有スキルだよ!
【隔離】LEVEL:400
→胃袋の中で区分できるようになるよ! スライム固有スキルだよ!
【擬態】LEVEL:400
→擬態が上手くなるよ! スライム固有スキルだよ!
【無限胃袋】LEVEL:400
→無限の胃袋を持つよ! スライム固有スキルだよ!
【超塩基の身体】LEVEL:400
→超塩基の体を得るよ! ストロングベース・スライム固有スキルだよ!
【液体化】LEVEL:400
→液体化が上手くなるよ! スライム固有スキルだよ!
【物理無効】LEVEL:400
→物理を無効にするよ! 【物理耐性】の上位互換だよ!
【魔法耐性】LEVEL:400
→魔法に対する耐性を得るよ!
ITEM
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遺跡ジグラートの地下迷宮で見かけた毒の粘性成物、超酸の粘性成物に加え、新たに超塩基の粘性成物が登場……足せば中性になるね。
「〝引き寄せ〟」
魔核を抜き出し【主我主義的な創造主】で錬成――そのまま皮の袋の中にポンポン入れていく。
核を抜かれたスライムはしぼんで溶けちゃったのです。
と、まあそんな感じでスライムを倒しながら進み、魔王領アディシェスに到着した。
◆
異世界生活百四十一日目 場所ジュドヴァ=ノーヴェ魔族王国、魔王領アディシェス
「……何故、こんなところまでニンゲンが……おい、増援を呼んでこい!!」
「はっ!!」
今回は敵愾心満載の視線を向けられるだけではなく増援まで呼ばれてしまった。
騎士団詰所には全て引括めた魔族ではない方の種族の魔族、蝮翼族、鬼人、蜘蛛人、朱の盆、蛇人、鳥魔人、氷柱女、災禍の豚頭皇などなど色々な魔族の姿がある。
「初めまして、能因草子と申します。アポ無しで来て申し訳ございません。こちらの魔王軍幹部様にご用があって参ったのですが……こちら、魔王軍幹部様への書状です」
「怪しい奴め、人間の書状など…………っ! これは!! ヴァルルス様とスフィリア様の紋章!! まさか、あのお二方がこのニンゲンを通したというのか!! ……これが本当かどうか俺には判断がつかない。おい、この二人を見張っておけ。俺は確認を取っておく。能因草子とジューリア=コルゥシカだったか? お前達をしばらく騎士団詰所で拘束する。もし、この書状が本物だと分かった際は謹んで謝罪しよう」
ということで前回同様騎士団詰所に連れていかれた。
なお、今回もジューリアがどら焼きを大量に出してそのまま茶会になった模様。ちなみに織田も坊主も来なかった。
「……へぇ、エンゼルトランペットもあるのか?」
「なんですか、それは?」
蝮翼族の女騎士が首を傾げている。あれ? エンゼルトランペットじゃないの? これ。
「このキダチチョウセンアサガオ属の花ですよ。花言葉は……えっと、愛敬、偽りの魅力、変装、愛嬌だったかな? スコポラミンとかヒヨスチアミンとか有毒物質が含まれていて、主に地下茎から抽出した成分は、聴覚性幻覚・急性痴呆・行動異状を引き起こすんだっけ?」
「なるほど……人間の世界ではダチュラのことをエンゼルトランペットと呼ぶんですね?」
「……えっ?」
「えっ?」
いや、地球でもダチュラと呼びますが? チョウセンアサガオ属の学名、Daturaだし。今も混同されるからね。
「多分人間の方にはないと思いますよ。俺もこっちで見たのは初めてですし。俺の故郷――地球にはありますが。……これって園芸用ですか?」
「いえ、食用ですよ。超毒の粘性成物などの一部のスライムは食べるみたいです」
毒タイプって毒が得意なのかなって思っていたけど……食べるんだ、エンゼルトランペット。
「能因草子様とジューリア=コルゥシカ様、先程はご無礼を。魔王軍幹部ハンスィス=フューエリオム様がお二人にお会いなさるという…………ってお前達、何をしている! 見張っておけとは言ったが、休憩しろとは一言も言っておらん! 狡いじゃないか! 俺も入れてくれよ!!」
その後、魔族の団長さんも加わり小一時間ほど休憩しつつどら焼きの作り方を教えたのだが、それはまた別の話。
◆
「以上であります。我々はどら焼きの誘惑には抗えませんでした!!」
「……はあ、それ威張っていうことじゃないよな。まあ、過ぎたことだしいいことにするよ。但し、次はない。次にサボったなら減給するからそのつもりで」
「………………はっ」
魔族の団長は不服そうな表情で戻っていった。
「さて、能因草子殿とジューリア=コルゥシカ殿だね。書状、読ませてもらったよ」
もし、仮にスライム系だとしたら筋肉質で背の高い茶髪の男が来ると思ったけど……そっちか。
うっすら青みがかった銀髪金眼の愛くるしい少女寄りの中性的な容姿の性別:スライムが現れた。
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NAME:ハンスィス=フューエリオム
LEVEL:800
HP:100000/100000
MP:600000/600000
STR:100000
DEX:60000
INT:1000000
CON:100000
APP:-100
POW:100000
LUCK:30
JOB:魔粘性妖体
TITLE:【魔王軍幹部】、【スライムの王】
SKILL
【粘魔ノ王】LEVEL:600
→スライムの王に相応しいスキルだよ! どんなものでも食べられるようになるよ! 食べた対象の持つスキルの中で望んだものを習得することもできるよ! 食欲の上限を自分の意思で無くすこともできるよ! 無限大の大きさの異空間に三次元物質を保管しておくことができるよ! 隔離すべき対象を閉じ込めることもできるよ! 食べた相手の姿に擬態することができるよ! 消化液や猛毒を作り出すことができるよ! 【捕食】、【無限胃袋】、【隔離】 、【擬態】、【万能毒生成】、【強酸生成】、【強塩基生成】の上位互換だよ!
【賢者ノ王】LEVEL:600
→賢者の王に相応しいスキルだよ! 思考加速、並列演算、全属性魔法無詠唱発動、解析鑑定、未来攻撃予測ができるよ!
【物理耐性】LEVEL:600
→物理に対する耐性を得るよ!
【魔法耐性】LEVEL:600
→魔法に対する耐性を得るよ!
【状態異常耐性】LEVEL:600
→状態異常に対する耐性を得るよ!
【恐慌】LEVEL: LEVEL:600
→恐慌を起こせるようになるよ! 【恐怖】の上位互換だよ!
【掣肘】LEVEL:600
→掣肘が上手くなるよ! 【威圧】の上位互換だよ!
【覇潰】LEVEL:600
→覇潰が上手くなるよ! 【覇気】の上位互換だよ!
【魔力掌握】LEVEL:600
→魔力を掌握するよ! 【魔力操作】、【魔力纏】、【魔力付与】、【魔力制御】、【魔力吸収】、【魔力妨害】の上位互換だよ!
【無限再生】LEVEL:600
→失った部位を再生できるようになるよ! 【超速再生】の上位互換だよ!
【ジュドヴァ=ノーヴェ語】LEVEL:600
→ジュドヴァ=ノーヴェ語を習得するよ!
ITEM
・賢人の外套
→耐刃、耐熱、耐寒、耐撃、加えて非常に高い攻撃魔法に対する魔法耐性の付与が施されているの! 持っていない属性のダメージは倍加するよ!
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そういえば、レーゲンも元はスライムなんだっけ? どっちが強いんだろう?
「《深淵の大罪》、《重震の大罪》、《黄昏の大罪》、《魂魄の大罪》を倒してくれたんだって? 《大罪の七獣》には俺達も苦戦を強いられていたから嬉しい話だよ。魔王軍四天王にいる可能性が高い裏切り者と仮面連中、魔法少女については余計な詮索をしないことを約束しよう。俺も部下を死なせたくないし、俺自身も死にたくないからね。最後の結界を賭けた模擬戦のルールについても合意しよう。……まあ、負けるつもりは毛頭ないけどね」
トントン拍子で進むな。流石は、ヴァルルスとスフィリアの手紙だな。
「では、始めましょうか」
【――システム起動。《神代空間魔法・夢世結界》の発動、完了しました。耐性及び無効スキルの無効化、超越者の優位性無効化、HPゲージの表示完了しました】
中空に画面が生まれ、エンリの姿が映し出される。
と、開始早々極寒の吹雪が吹き荒れた……これは、〝極寒世界〟か。
「【法則ト靈氣之神】!!」
【法則ト靈氣之神】で〝極寒世界〟の吹雪を一点に収束させ――。
「極寒収束球」
氷属性上級魔法に分類される一撃――それを収束させて生み出した吹雪球がハンスィスに迫る。
「魔力妨害」
ちっ、極寒収束球を構成する〝極寒世界〟の魔力を四散させるつもりか。
「【魔力ト魔法之神】!!」
「なっ、四散する筈の〝極寒世界〟の魔力が再収束するだと!!」
改めて……氷属性上級魔法に分類される一撃――それを収束させて生み出した吹雪球がハンスィスに迫る。
……あっ、【粘魔ノ王】で喰われた。【氷属性攻撃耐性】を獲得したみたいだ……ナニソレ。
そういえば、【氷耐性】ってスキルがあったっけ? あれ、最終的に【魔法耐性】に吸収されたけど、もしかして魔法ではなく氷属性のスキルに対処できるパターンもあるのか? もしかして、【属性攻撃無効】とかいうスキルもあったりして……夢が膨らむ? な。
ちなみにここでスキルを会得しても戦闘終了と同時に消滅しますので……あ〜意味なっし!
しかし、似ているな……俺の戦い方に。食らってスキルを得るところとか……それはレーゲンもか。
「【転移ノ王】!!」
展開した光の範囲内にあるものを同じ範囲内に高速転送する効果でハンスィスの前に飛び、エルダーワンドを刀剣に変形させて【究極挙動】で切り裂く。
「残念だったな! 俺は魔粘性妖体! 斬撃は効か……な……」
「耐性及び無効スキルの無効化って言ったよね? 無効化されているからスライムも切れるんだよ?」
俺のスキルだけ都合よく封じられる訳がないじゃん。平等にだよ、平等に……。
「そん……な………………」
はい、HP消失。割と呆気なく終わったな。
◆
結界が解け、戦闘は終了…………さて、と。
「ハンスィス様、後ほど結界の解除をよろしくお願い致します」
「……ん? 約束通り結界は解除するが……何故すぐにではなく、後ほどなのだ?」
そりゃ勿論、城内にいる闖入者の討伐をする必要があるからですが?
「隠れたつもりかもしれないが、俺の【叡慧ト究慧之神】は誤魔化せないよ」
空間が歪んだ。いや、歪んだように見えたというべきか。
現れたのはエプロンドレスにベレー帽を合わせ、パレットを持った少女。
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NAME:魔法少女カリカチュア
LEVEL:999
HP:999999/999999
MP:999999/999999
STR:999999
DEX:999999
INT:999
CON:999999
APP:999
POW:999999
LUCK:999
JOB:魔法少女
SKILL
【色彩聖女】LEVEL:9999
→色を使って敵と戦うよ!
【ジュドヴァ=ノーヴェ語】LEVEL:10
→ジュドヴァ=ノーヴェ語を習得するよ!
ITEM
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魔法少女カリカチュア……四人目の魔法少女か。
「開発部門の魔法少女!!」
「……この少女が書状にあった危険な存在か」
「まあ、そういうことになりますね。……ジューリアさん、今回も俺が対処するんで」
「了解なり」
「安心しなさい。私の目的は能因草子――あなたを殺すことだけ。他の人には手を出さない」
「……あんまり嬉しくない愛の告白だな? 相当ヤンデレな感じで怖いっすよ? あっ、勿論告白は丁重にお断りします。まだ死にたくないので」
「それはあなたではなく私が決めること。……私の世界で殺してあげる」
胸元につけられた絵筆のように見える形の石――プリンセスジュエルが眩い虹色の光を放つ。
瞬間、俺は悪堕ち魔法少女の結界に引きずり込まれた。