【三人称視点】魔王領バチカルにて 上
異世界生活百四十日目 場所ジュドヴァ=ノーヴェ魔族王国、魔王領バチカル
「ポテムの村出身、キール=デスサルズです。魔王軍幹部ヘズティス=ソードルケーター様直属騎士団管轄、シュトライドフ=ノアル様から書状を受け取り参上仕りました」
「キール殿、お待ちしておりました……早速シュトライドフ様のところまでお送りしたいところですが……何故、ニンゲン達を連れてきたのですか! しかも勇者を!! それも、一人や二人どころの騒ぎではありません!! 聖剣の所有者が五人以上!!! この状況について詳しく説明してくださるのですよね!!」
警備の魔族達の視線が白崎達に集中する。魔族にとって人間とは不倶戴天の敵――その人間を魔王領の玄関口である魔王領バチカルに侵入させるのは非常識な行動である。
非難の視線を向けられるのは至極当然。それは、白崎達も覚悟していたことだ。
「……信じて頂けるとは思いませんが、私達は別に魔族の皆様の平穏を揺るがすために魔王領バチカルにやってきたのではありません。かつて共に旅をした同郷の友人……私達が勝手にそう思っているだけかもしれませんが、その友人と再会して、私達の思いを伝えたいのです」
「……最近は妙な人間が多いな。……詳しく話してみろ。その話次第では、こちらもお前達を見逃してやる。まあ、魔王領バチカルを速やかに出るという条件つきだがな」
魔族に勇者を見逃すという選択肢はない。魔王を倒す可能性を秘めた存在だからだ。
だが、魔王領バチカルの魔族達は、ぶっきらぼうな態度を取りながらも、その行動の節々に優しさを持ち合わせ、敵対している筈の勢力に対する配慮を欠かさない少年の存在を知っている。
人間が皆、凶悪な存在という訳ではない。それを知った魔族達は、その人となりを判断した上で場合によっては見逃すという寛容さを持ち合わせるようになったのである。
「私達は能因草子君――同郷の友人と再会し、想いを伝えるチャンスをもらいたくてここまで来ました。もう、これが最後のチャンスなんです! お願いします! どうか草子君に追いつくために、魔王領バチカルの入都許可をください!!」
「……た、大変申し訳ございません! こればかりは上司に指示を仰がなければなりませんが、必ず吉報を届けさせて頂きます!!」
白崎の必死の言葉が魔族の心を動かした……訳ではない。
白崎の言葉の中に彼らの恩人の名が入っていた――それが魔族達の態度を変えたのである。
門番の一人――蜘蛛人が奥へと入って行ってから約三十分後、蝮翼族の騎士が姿を現した。
「初めまして。私、魔王領バチカルの警備の全権を委任されている騎士団長のシュトライドフ=ノアルと申します。草子様には、私と直接的に関係あることでは軍備強化の面でお世話になりました。勿論、それは氷山の一角――草子様にはとても返せない恩を受けました。そんな恩人のご友人である皆様に協力したいのは山々なのですが……ヘズティス様は、皆様に一度会ってみたいそうです。その印象次第では、草子様捜索に全面協力をするつもりだと仰られております」
「やっぱり草子君は、草子君ね。離れ離れになってから、改めて草子君が偉大な存在だと感じたわ。……なんで、自分のことをモブキャラなんて称するのかしら? 草子君は、少々無類の努力家で、努力で器用万能に至った本物の天才で、少々お節介で、文句言いながらも最終的には力を貸してくれて、沢山の人の繋がりを作って争っていた種族の抗争を止めて、沢山の人からは尊敬されるのに、凄い人だって思われているのにそれでもモブキャラだって言い張る……。変わっていなくて本当に良かったわ。あたしの、いえあたし達の大好きな草子君で居てくれて」
キールの話で、草子が何も変わっていないことを確信していた聖だったが、シュトライドフの言葉で改めて、草子が変わっていないことを感じることができた。
向けられた冷たい双眸、向けられた杖。
――聖は、否、聖達は光の奔流と足元から溢れかえる光という目に見える形で拒絶された。
共に旅をした八十日を超える日々――その思い出を、旅の中で抱いた恋心を全て理解し、真っ向から対峙され、完膚なきまでに踏み躙られた。
それでも聖達は諦められなかった、一度拒絶されて捨てられたくらいで草子を最低の人間として記憶して綺麗さっぱり忘れることができなかったから、今、聖達は魔王領バチカルにいる。
完璧にすら見える最高知能――白崎達を完全に掌握し、戦場を支配した【叡慧ヲ窮メシ者】をもってしても、聖達の諦めの悪さを、彼女達の想いの強さを見抜けなかった。
草子は知らず知らずのうちに白崎の気持ちを軽んじていたのである。――超越者に至れない程度の気持ちなど所詮はその程度のものだと。
一度完膚なきまで叩きのめせば、すぐに熱が覚めると。
異世界という非日常に突然放り出された恐怖により発生した吊り橋効果で好意を抱いたと錯覚しているだけで、こんなモブキャラに恋愛感情を抱くなど絶対あり得ない。そんな御都合主義な展開は絶対に起こり得ないと。
草子は軽んじていたのだ、他ならぬ自分自身の行いを。
自身をモブキャラと卑下した男は、自らの行いを無意識のうちに大したことがないものだと決めつけていたのである。
いや、もしかしたら草子という人間は気づいていながら気づかぬふりをしていたのかもしれない。
自分の行いの大きさを理解した上で、あえてそれを無視してきた……その可能性はなきにしもあらず。
結局、能因草子という人間がどれほど計算の要素に加えているかは他ならぬ能因草子本人以外には分からないということである。
◆
「初めまして、俺が魔王領バチカルの守護を担当している魔王軍幹部ヘズティス=ソードルケーターだ。この人は俺の相棒のシャルミット=シャーヌフ……訳あって記憶を失っていてな。草子曰く、二度と記憶が戻らないそうだ。……まあ、少々子供っぽいところがあるかもしれないが、記憶を失っているから仕方ないと思ってくれ…………で、だ。なんで、魔法少女がいるんだ?」
ヘズティスから猛烈な殺気が放たれた。殺気を向けられたアイリスは、突然向けられた殺意を柳のように往なし、ヘズティスに向き直る。
シャルミットはヘズティスの背後で怯えていた。今のシャルミットの姿に、クールビューティだったかつてのシャルミットの面影はない。
『…………アイリスに殺意を向けないで欲しいリプ。……彼女をフリズスキャールヴのエネルギーを得るための存在にするために契約を持ちかけ、アイリスを騙して魔法少女にしたのはこの僕だ。アイリスは関係ない!!』
「……魔法少女を作り出す存在か。お前が、いや、お前達がシャルミットを壊したのか!!」
ヘズティスにとって、シャルミットは大切な存在だった。
最も頼りになる秘書であり、最愛の人物であり、ヘズティスにとっては片思いの相手だった。
本当はヘズティスとシャルミット――両者が互いに片思いしていたのだが、その事実を知る術は最早残されていない。
『…………そ、そんな筈はないリプ! どうなっているリプ!! その人は確かに魔法少女だ!! だけど、反応がフリズスキャールヴ産の魔法少女と百パーセント一致しない……その人はフリズスキャールヴ産の魔法少女であって、フリズスキャールヴ産の魔法少女ではない存在…………ど、どうなっているリプ!! どういうことリプ!! フリズスキャールヴが魔法少女のシステムを変えた事実はないし、フリズスキャールヴはとっくに滅んでいる……まさか、マスコットの暴走……いや、フリズスキャールヴの端末に過ぎない僕らにそんな大それたことはできない…………でも、現に目の前にはフリズスキャールヴ産の魔法少女の要素を含んだ魔法少女が…………か、考えられるとしたら……で、でも、それは絶対にあり得ない…………有り得ないリプ』
「お、落ち着いて! クリプ。ちゃんと順序立てて説明して!!」
バグったように周囲を置き去りにして思考を進めるクリプの姿に、怒りを覚えていたヘズティスも含めて時間が停止したかのように呆然としてしまった。
なんとか、立ち直ったアイリスはクリプを揺すり、正気を取り戻させる。
『…………ヘズティスさん、だったリプね。その人は、純正フリズスキャールヴ産の魔法少女ではないリプ。見たことも聞いたこともない魔法少女のデータが混ぜられているリプ』
「……つまり、お前達が作り出した魔法少女ではないと、そう言いたいのか?」
『……そう、リプ。…………そして、それは最も有り得ない結論に収束するんだリプ。…………開闢の魔法少女クレアシオン――あの最も魔法少女という存在を生み出す僕達マスコットを憎んだ魔法少女が魔法少女を作り出すという所業を行っているという事実に』
クリプにとって、それはあり得ない可能性だった。
人のふり見て我がふり直せ――魔法少女であることの苦しみを最も知る存在が、果たして他者を魔法少女にしようとするだろうか?
あの世界で最も心優しい少女が、魔法少女達の死一つ一つに涙を流し、打倒フリズスキャールヴを誓い、そのために因果と融合して『魔法少女を生み出す元凶を滅ぼし、全ての時間軸の魔法少女を救いたい』と願ったあの少女が、魔法少女を生み出すなどあり得ない。
「…………まだ完全にお前達を信用した訳ではない。だが、お前達は草子の仲間であるならば、本当に邪悪な存在であるとは思えない。あの男が見抜けない筈がないからだ。……それで、マスコットとやら……その開闢の魔法少女クレアシオンとはどのような存在なんだ?」
『一言で言い表すのなら、“神”……リプ。クレアシオンは、その世界の〈全知回路〉と同化したことで、その世界の全てを視ることができるようになった。僕の知る本来の彼女は〈全知回路〉に記録された存在――魔法少女を含めて全ての存在を具現化することができ、元々の固有魔法である時間魔法を自在に操り、悪堕ち魔法少女になる寸前で魔法少女を救済する究極救済概念――〈円環の機構〉としての力を持ち、全宇宙を崩壊させ、構築し直す力を持ち、超因果存在であるが故に干渉されないという存在だった筈……。……だけど、彼女はこの世界に来た。文字通り神となった存在だが、〈全知回路〉との融合、〈円環の機構〉になったことで開闢の魔法少女クレアシオンはあの世界に縛られた……つまり、異世界カオスと他の宇宙圏の狭間にある空間に根を下ろしたフリズスキャールヴのコピーを討伐に来ることはできなかった筈だった。……アイリス、僕は前に『なんで彼女が世界の壁を渡れたのかは分からない。そもそもこの世界をピンポイントで当てるのは不可能に近いし、超因果的存在となった彼女にも世界を渡る術式を編むのは無理だった筈だ……』と言ったリプよね? もしかしたらクレアシオンはクレアシオンよりも上位のナニカに召喚され、そこで世界との同期が切れた……つまり、切り離された可能性があるかもしれない……まあ、今回のことには関係ないし、証明のしようがないんだけどね。……そんなクレアシオンが自分と同じような苦しみを他人に与えることはない……と思うんだけど、事実はその可能性が高いと告げている。彼女以上に魔法少女について知る存在は、いない。フリズスキャールヴの端末である僕ら以上にクレアシオンは魔法少女について理解している筈だからね。……だから、現状では誰が犯人か断言することはできない』
「…………“神”のような存在、か」
例え、その魔法少女がヘズティスの最愛の人物を魔法少女に変えていたとしても、ヘズティスにはどうしようもないことだ。
……だが、敵の正体がヴァパリア黎明結社であることを掴み、彼らと全面戦争を繰り広げてきた草子ならば或いは。
例え中身が変わってしまっても最愛の人物を救ってくれた、できる限りの手を尽くし申し訳なさそうに唇を噛み締めていた、あの自称モブキャラならば、例え敵がクレアシオンであったとしても倒して前に進むだろう。
少なくともヘズティスは、そう確信している。
――だからこそ。
「改めて、魔王領バチカルを治める魔王軍幹部にして、草子の友人――ヘズティス=ソードルケーターだ。魔王領に足を踏み入れ、かつての仲間と再会するために聖剣を携えた勇者諸君! 魔王軍幹部としてお前達勇者の前に立ち塞がらせてもらう!! お前達の気持ちはよく分かる! だが、俺は能因草子殿に恩を受けた。その恩人の友人たる君達勇者に危険が迫ることを彼が望んでいるとは思えない。……彼の真の敵は勇者や魔王より数段上の存在――ヴァパリア黎明結社なのだろう? そんな存在を相手に戦う世界に足を踏み入れるのだ。高が魔王軍幹部程度、倒せなくては話にならないだろう?」
ヘズティスは喰魂の大剣と呼ばれる漆黒の大剣を抜き払い、白崎達に向けた。
「もし俺に勝つことができれば草子捜索に全面協力させてもらう。ただし、もし俺に敗北するようであれば速やかに魔王領バチカルから出て行け」
「……戦わなくてはいかないようね」
聖も草子のことを想ってくれる存在を傷つけたくはない。
だが前に進むためには、ヘズティスに自分達の力を示さなければならないのだ。
「わ、私も! ヘズティスおじちゃんと一緒に戦う!! 覚えてないけど、私を救ってくれた草子さんのためになるのなら、どんなことでもしたいから!!」
「聖さん、私も戦います。白崎さん、ここは私達に任せてください」
聖に続いてリーファが一歩前に踏み出し、ヘズティスの隣にシャルミットが立った。
そして遂に、草子の友人達の思いが錯綜する戦いが始まる。
◆
「勝負といっても命をかけて戦う訳ではない。草子殿が訓練用にと置いていった《神代空間魔法・夢世結界》発生キューブを使用した仮想世界で戦う。効果は分かるよな?」
「……知っているわ。あたし達はあの魔法の空間で草子君に敗北したから……ヘズティスさん、シャルミットさん。あたし達は必ず勝つ! 勝って草子君の元まで辿り着いてみせるわ!!」
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NAME:ヘズティス=ソードルケーター
LEVEL:835
HP:420000/420000
MP:350000/350000
STR:800000
DEX:300000
INT:10000
CON:600000
APP:120
POW:600000
LUCK:305
JOB:首無しの騎士
TITLE:【魔王軍幹部】、【首無しの騎士】、【死の宣告者】、【変態紳士】
SKILL
【片手剣理】LEVEL:600
→片手剣の真髄を極めるよ! 【片手剣】の上位互換だよ!
【大剣理】LEVEL:600
→大剣使いの真髄を極めるよ! 【大剣術】の上位互換だよ!
【唐竹】LEVEL:600
→唐竹が上手くなるよ! 上から下に斬るよ!
【逆風】LEVEL:600
→逆風が上手くなるよ! 下から上に斬るよ!
【袈裟斬り】LEVEL:600
→袈裟斬りが上手くなるよ! 相手の左肩から右脇腹を斬るよ!
【逆袈裟斬り】LEVEL:600
→逆袈裟斬りが上手くなるよ! 相手の右肩から左脇腹を斬るよ!
【左斬り上げ】LEVEL:600
→左斬り上げが上手くなるよ! 袈裟斬りの逆に斬り上げるよ!
【右斬り上げ】LEVEL:600
→右斬り上げが上手くなるよ! 逆袈裟斬りの逆に斬り上げるよ!
【飛斬撃】LEVEL:600
→斬撃を飛ばすのが上手くなるよ!
【無拍子】LEVEL:600
→無拍子が上手くなるよ!
【刺突】LEVEL:600
→刺突が上手くなるよ!
【連続突き】LEVEL:600
→連続で突きを放てるようになるよ!
【貫通】LEVEL:600
→攻撃を貫通させられるようになるよ!
【薙ぎ払い】LEVEL:600
→薙ぎ払いが上手くなるよ!
【剛力】LEVEL:600
→剛力を得るよ! 【怪力】の上位互換だよ!
【振りかざし】LEVEL:600
→振りかざしの威力が上がるよ!
【金剛】LEVEL:600
→金剛の如き硬さまで硬化するよ! 【部分硬化】の上位互換だよ!
【受け流し】LEVEL:600
→受け流しが上手くなるよ!
【物理耐性】LEVEL:600
→物理に対する耐性を得るよ!
【魔法耐性】LEVEL:600
→魔法に対する耐性を得るよ!
【状態異常耐性】LEVEL:600
→状態異常に対する耐性を得るよ!
【即死耐性】LEVEL:600
→即死に対する耐性を得るよ!
【ジュドヴァ=ノーヴェ語】LEVEL:600
→ジュドヴァ=ノーヴェ語を習得するよ!
【掣肘】LEVEL:600
→掣肘が上手くなるよ! 【威圧】の上位互換だよ!
【覇潰】LEVEL:600
→覇潰が上手くなるよ! 【覇気】の上位互換だよ!
【魔力操作】LEVEL:600
→魔力操作が上手くなるよ!
【魔力付与】LEVEL:600
→魔力付与が上手くなるよ!
【魔力治癒】LEVEL:600
→魔力を使って治癒ができるようになるよ!
【魔力制御】LEVEL:600
→魔力制御が上手くなるよ!
【魔力吸収】LEVEL:600
→魔力を吸収できるようになるよ! 【魔力回復】の上位互換だよ!
【再生】LEVEL:600
→失った部位を再生できるようになるよ! 【体力回復】の上位互換だよ!
【邪眼】LEVEL:600
→邪眼を使えるようになるよ!
【瞳術】LEVEL:600
→瞳術が上手くなるよ!
【視野拡張】LEVEL:600
→視野を拡張できるよ!
【アンデッド創造】LEVEL:600
→アンデッドが創造できるよ!
【死の宣告】LEVEL:600
→死の宣告が上手くなるよ!
ITEM
・喰魂の大剣
→漆黒の大剣だよ! 斬った相手のHPを吸収することができるよ!
・死せる戦士の甲冑
→死を恐れず勇敢に戦い死んでいった戦士だけが纏うことを許される漆黒の甲冑だよ!
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NAME:シャルミット=シャーヌフ/魔法少女マルミット AGE:21歳
LEVEL:600
HP:300000/300000
MP:250000/250000
STR:300000
DEX:300000
INT:10000
CON:300000
APP:120
POW:300000
LUCK:2500
JOB:護衛騎士、魔法少女
SKILL
【片手剣理】LEVEL:600
→片手剣の真髄を極めるよ! 【片手剣】の上位互換だよ!
【唐竹】LEVEL:600
→唐竹が上手くなるよ! 上から下に斬るよ!
【逆風】LEVEL:600
→逆風が上手くなるよ! 下から上に斬るよ!
【袈裟斬り】LEVEL:600
→袈裟斬りが上手くなるよ! 相手の左肩から右脇腹を斬るよ!
【逆袈裟斬り】LEVEL:600
→逆袈裟斬りが上手くなるよ! 相手の右肩から左脇腹を斬るよ!
【左斬り上げ】LEVEL:600
→左斬り上げが上手くなるよ! 袈裟斬りの逆に斬り上げるよ!
【右斬り上げ】LEVEL:600
→右斬り上げが上手くなるよ! 逆袈裟斬りの逆に斬り上げるよ!
【飛斬撃】LEVEL:600
→斬撃を飛ばすのが上手くなるよ!
【無拍子】LEVEL:600
→無拍子が上手くなるよ!
【刺突】LEVEL:600
→刺突が上手くなるよ!
【連続突き】LEVEL:600
→連続で突きを放てるようになるよ!
【貫通】LEVEL:600
→攻撃を貫通させられるようになるよ!
【薙ぎ払い】LEVEL:600
→薙ぎ払いが上手くなるよ!
【ジュドヴァ=ノーヴェ語】LEVEL:600
→ジュドヴァ=ノーヴェ語を習得するよ!
【料理聖女】LEVEL:610
→美味しい料理とお菓子を作ることができるよ!
ITEM
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二人のステータスを確認し、敵の戦闘方法を予想する。
これは、草子の戦い方から教わったものだ。
もっとも、草子のように無数のテクストが頭の中に入っている訳ではないためその精度は数段落ちるが、それは致し方ないこと。
それでもスキル名と説明から戦い方を予測することは十分に可能だ。
「汝に死の宣告を!」
戦闘開始早々、聖とリーファを【死の宣告】が襲った。
実際に即死が執行されるのは三十分後――つまり、聖とリーファはそれまでに戦闘を終わらせなければならなくなったということである。
「ハハハ、この俺の視界から逃れることはできん!! 【視野拡張】――不死騎士の斬嵐!!」
頭を大きく放り投げ、鳥瞰的視野を得た状態で斬撃の嵐を放つヘズティスの奥義。
「――明鏡止水の雨色同化。――激流の斬撃・連斬」
リーファはそれを“水の精霊王”の【精霊鬭術】で真っ向から対処した。
「――〈極撃〉!!」
【ポルターガイスト】のエネルギーを利用することで不可視の霊力の力場を発生し、剣に纏わせて使用する特殊攻撃――聖のカウンター攻撃がヘズティスの大剣に迫る。