四陣営戦争④
【三人称視点】
ミンティス歴2030年 9月12日(異世界生活百二十八日目) 場所聖都
四陣営戦争の序章たる神殿宮崩壊が起こったのは、レーゲン達が神殿宮の二階に到達した直後だった。
「っ、これは!!」
そこからのレーゲンの行動は早かった。素早く壁を操剣ノ飛劇で破壊すると抱えていた照次郎と孝徳を下ろし、【色欲之大罪】を発動してエクスワイバーンに変身。
照次郎と孝徳を掴んで背に乗せ、メルにも背に乗るように促した。
「……こ、怖いよ」
「大丈夫、僕を信じてくれ。……落とさないように頑張るから」
レーゲンには人を背に乗せて飛んだことはない。ぶっつけ本番ではあったが、それ以外に方法は無かった。
「メルさん、照次郎と孝徳を掴んでおいてくれ。【糸生成】と【糸理】で固定するけど、後で斬るから心配しないで」
「……う、うん」
メル、照次郎、孝徳を糸で背中に固定し、レーゲンは地を蹴って飛び出した。
瞬間、レーゲンの目に映ったのはSFで見るような空を飛ぶ船から降りる軍人達と、三人一組の明らかに強敵だと分かる青い軍服を纏った仮面の軍勢と騎士の装備を纏った男女の集団。
既に戦争は開始されているようだ。どこかのライトノベルで見たような機械の装備を纏った男達が騎士の装備を纏った男女へと攻撃を仕掛け、仮面の軍勢がそれを迎え撃つ。
その戦いに巻き込まれ、既に民間人の死傷者も出てしまっているようだ。
「――まさか、このタイミングで魔獣か!?」
「ネメシスさん、落ち着いてください。僕です、レーゲンです!」
槍を構えるネメシスに声を掛けながらネメシスにレーゲンは背中の糸にグルグル巻きにされたメルを見せる。
「メル様!!」
「ちょっと荒っぽい方法を取るしかありませんでしたので……ネメシスさん、この糸、切ってくれませんか?」
「分かった」
ネメシスに糸を切ってもらい、自由になったレーゲンは【色欲之大罪】を解除した。
「ネメシスさん、現状は?」
「分からん。ピエールと神聖騎士修道会、聖法騎士修道会、獣法騎士修道会、隠法騎士修道会が民間人の避難のために動いているが、既に死傷者も出てしまった……あれが草子……大聖女カタリナ様が仰っていた超帝国マハーシュバラとヴァパリア黎明結社の軍ということか」
「そういうことになりますね。……あの騎士達は護法騎士修道会ですか?」
「ああ……まさか、あんな奴らだとは思わなかった。しかし、あの仮面の兵達は何者なんだ? あんなの、見たことがない」
「草子さんの話によればフルゴル・エクエスと呼ばれる対異世界級の人造兵器らしいです。たった三体で大抵の異世界ならば滅ぼせる数の暴力――アレには物理も魔法も即死も因果攻撃も効かないそうです。スキルは効くようですが、物理の延長のようなものは効かないと」
フルゴル・エクエス――かつて能因草子の前に現れたヴァパリア黎明結社の決戦兵器は能因草子に〝死が確定する十三分-The god of death keeps ridicule of life for 13 minutes-〟を開発させるほど、彼を追い詰めた。
同じホムンクルスでも使徒天使とは明らかに格が違うという印象をレーゲンは持っていた。
「……それでは、私でも倒せそうにないな。ピエールやハインリヒ、ジューリアでも無理だ。……ジューリアを置いてきたのは正解だったな」
「ジューリアさんは今、どちらに?」
「ここから少し離れた場所に結界を張って、民間人を守っている。彼女は誰よりもヴァパリア黎明結社と戦いたがっていたが、あのままだと形振り構わず戦いそうだったので、戦いから遠ざけた。……かく言う私も本当は形振り構わず戦いたい……それが、例え自らの命を散らすことになってもな。私もジューリアもこの国と騎士修道会の仲間達を愛していた。それを裏切られた怒りは私も理解できる」
ジューリアはあまり感情を表に出すことはないタイプの人間だ。
それが、ダニッシュに対しては露骨に怒りを見せた。
ジューリアは誰よりもミンティス教国を、ミント正教会の仲間を愛していた。
だからこそ、ミント正教会の闇に徹し、手を汚すことにも躊躇いは無かったのだろう。
ミント正教会の仲間達が幸せになれるのなら自分は汚れてもいい。――そんな気持ちを踏み躙るようにダニッシュはミンティス教国を斬り捨てた。
ジューリアはきっと戦いたかった筈だ。その命の灯火を燃やし尽くしてもヴァパリア黎明結社に一矢報いようと考えていた筈だ。
それをネメシスが止めたのは、彼女を守りたいと思ったが故。
レーゲンは密かにミント正教会の評価を上方修正した。
「それで、これからどうしますか?」
「アレと戦ったところで私達に勝ち目はないのだろう? 榊翠雨、お前にフルゴル・エクエスを倒すことはできるのか?」
「できるとは思いますが、かなり厳しい戦いを強いられると思います。それに、あれだけの数がいますからね。【叡智賢者】という演算スキルは、このまま超帝国マハーシュバラとヴァパリア黎明結社が潰し合うのを傍観しつつ、漁夫の利を狙うのが一番だと言っていますが、それだと……」
「ああ、どう転んでもミンティス教国は滅ぶだろうな」
ネメシス達はそれを許容できないだろう。例え負けることが分かっていても全力で聖都を守ろうとする筈だ。
「……草子さんにお願いしてみるのが一番ですかね」
「例え【たった一人で殲滅大隊】の名を持つカタリナ様と雖も、この国を守りながら戦うのは無理だろう」
「いえ、草子さんならばできます。彼は幾度となく困難をその機転と知識で乗り越えてきましたから。……確かに嫌そうな顔をするかもしれません。ですが、それでも最善を尽くしてくれるのが草子さんです……ただ、彼は依存されることを嫌いますから、その力を頼りにし過ぎるのはいけないんですけどね」
なんでもできるが故に、誰からも頼られてしまう。
あの自称モブキャラは主人公ではない。主人公が悩み、修行して超える壁をあっさりと超えてしまうから。
あの自称モブキャラはチートキャラではない。彼の力の根幹を成すものは、全て己が集めた知識の結晶であり、何一つズルをしていないから。
榊翠雨は、能因草子という男はチートという言葉が転じて生まれた「バトルが白けてしまうほどに無敵だったり、もはやこいつ一人でいいんじゃないだろうかと思えるほど万能だったりといった、完全無欠の全能的能力を兼ね備えたキャラクター」という意味のチートキャラですらないと考えている。
もっと別の、今まで存在しなかった概念。俺TUEEEと異世界転生の物語が溢れかえる世界で異世界に転移した存在だけが持ち得る性質を持った存在――そう考えれば、彼の力というのが俺TUEEEなどという敵を想定せずに作り出した最強ではない、もっと別の力だということになる。
そしてその性質は理論上、更なる脅威と遭遇した場合に限り、更なる飛躍を遂げさせる。
彼が数々の難題にぶつかり、その中で高速進化を続けたように、今回もいつものように面倒くさそうに全てを守ってくれるとレーゲンは信じていた。
◆
神殿宮崩壊から約五分、倒壊した神殿宮の地下から一機の飛空戦艦が現れた。
【――下等生物共に支配された世界……地に落ちたようですね、異世界カオスも。エンリはがっかりです。……この日より、我々マルドゥーク文明がこの世界を支配します。まずは、この地から支配を開始しましょう】
突如現れた無数の画面に映るのは一人の少女。
エンリと名乗った超古代文明マルドゥークが誇るAIの一体は、いきなりミンティス教国に宣戦布告した。
「……今度は何だ! 一体、何が起きている」
「超古代文明マルドゥークまで……まさか、さっきの地震は最後の古代文明の遺産の復活を知らせるものだったというのか……ネメシスさん! 僕も手伝いますので、避難を急いでください!! ここから戦いは全く別種のものになります」
「……どういうことだ」
「超帝国マハーシュバラ、ヴァパリア黎明結社、能因草子――この三派は全て超古代文明マルドゥークの秘宝を狙っているんです。ミンティス教国は間違いなく三つ巴の者達の秘宝を求める戦争の地になります」
「……なん、だと」
ネメシスの表情は絶望に染まっていた。最後の頼みの綱である草子すらも本気で戦うということになれば、最早ネメシス達には止められなくなる。
「……レーゲン、無事だったみたいだな」
「草子さん」
【魔力纏】の翼を使い、草子は倒壊した三階から地上に降り立った。
「……カタリナ様、どうかお願いします。私達を救ってください」
それは、ミント正教会最強の戦乙女が初めて対等な協力ではなく、他人の力に縋った瞬間だった。
「……全ては救えないかもしれない。既に死傷者も出ている。……それでも、俺は最大限のことをしてみるよ。能因草子は、善人じゃない。聖女でもない。どこにでもいるモブキャラで、誰よりも地球への帰還に拘る自己中心的な男だ。でも、カタリナ=ラファエルは全ての救いを求める者を救済する本物の聖女だった。……彼女なら、救いを求める者を必ず救済する。なら、彼女を演じていた男として、彼女のやり残した仕事をやらない訳にはいかないだろう? 任せとけ、これからこの戦いでは一人たりとも民間人の死者は出さない」
強い意志を湛えた視線を草子はネメシスに向けた。
◆
「〝神を代行する熾天使達よ! 今こそ我らが前に現れ、遍く敵を薙ぎ払え〟――〝神界天軍-Summon of the Seraphim troops〟」
刹那、地面に無数の純白の五芒星が生まれた。
完成した魔法陣が白い輝きを放ち、次の瞬間、純白の翼を持つ美しき美青年、美女が魔法陣があった場所に現れた。
『……能因草子様、どのようなご用でしょうか?』
「仕事はこの国の民間人を保護してジューリアの結界まで運ぶのと、その結界の守護。俺は今から超古代文明マルドゥークの秘宝を掻っ攫いがてら超帝国マハーシュバラとヴァパリア黎明結社召喚部門を潰してくるんで、後を頼むって感じだ」
『畏まりました。このラファエル、命に代えてもこの任務、達成してみせます』
「そう簡単に神の使徒が命賭けるなよ。……後で援軍を出す。お前ら聖なる者達が嫌う不死者だが、気にせず仕事を進めてくれて構わない。後で浄化するんでな」
ラファエルは少し嫌そうな顔をしたが、何故か俺に忠誠を誓っているラファエル達ならば死霊騎士達と無駄な戦いをしてくれないと思う……思うけど、どうだろう? 天使と不死者とか悪魔って天敵だからな。
「んじゃ、頑張りますか。ダニッシュとも決着をつけてないし、な」
レーゲン達を送り出し、熾天使達が散ったのを確認してから、【魔力纏】で翼を作り出して飛翔する。
ちなみにダニッシュは召喚部門と合流して、Prima moventur corpora Rubriをフルゴル・エクエスの強化版らしいフルゴルエクエス・ジェニュインに使ったらしい。
少し気になる装備もあるし、いくつか拾っていくとするか。
「第一の特殊武装 星殺しの刀」
ちっ、いきなり先制攻撃か、インフィニット様……ヴァパリア黎明結社の方はどうした?
「生きていたか? 微温湯に浸かった転移者としてはしぶとく生きているようだな。……まあ、いい。死ね」
「会って早々物騒ですね、将軍サマ。貴方の相手はヴァパリア黎明結社じゃないんですか?」
「ほざけ。先に雑魚の方を倒そうとしているだけだ。……前に忠告してやった筈だ。二度と俺の前に顔を見せるな、と」
……えっと、そんなこと言われたっけ? 「形勢が悪い。今日のところはお前に勝ちを譲ってやる。だが、次はないと思え。俺の道を邪魔するならば、誰が相手でも容赦はしない」とは言っていたと思うけど。
「超古代文明マルドゥークの秘宝――YGGDRASILLは誰にも渡さん。俺達超帝国マハーシュバラが手に入れ、この手でぶっ壊す。邪魔するならば排除するまでだ」
ちっ、この場でインフィニットと戦うのは色々な意味でマズイ。即刻逃げるが吉だな。
「いやぁ、今はちょっと無理かな。もう少し待ってくれたらいくらでも戦ってあげるからさ」
「……貴様、勘違いしているな。お前に選択肢はない。今すぐに俺に殺される、それ以外の道はない。――死ね。【戦律・烈火】」
……それって、【戦陣・劫●】じゃね!? やっぱりシン●レンじゃねえか!!
機竜操作――調律の応用に近い技を使えるってのは厄介だな。
剣士としては《比翼》や迷●皇の剣すら霞むほどの実力を持ち、狙撃においてはシノ●を超えるライフルの扱いと精密射撃の腕を持つ。
ライン●ルト・ヴァン・アス●レア並みの加護を持ち、シン●レンを彷彿とさせる機械操作を行う。
まさに、キング・オブ・チート……キング・オブ・ニートじゃないよ!?
「仕方ない。インフィニットと戦いながらやるしかないか。ながら運転は事故の元なんだけど、まあ運転じゃないし。【叡慧ヲ窮メシ者】、オートバトルモードへ移行せよ!」
【――命令受諾。思考演算領域分割。オートバトルモードへ移行します】
俺の奥の手の一つ……って【大●者】とほとんど変わらないって?
いや、【叡慧ヲ窮メシ者】に貸与するのは身体の支配権の一部で右腕は俺の支配下にあるし、ここぞという場合は瞬時に俺と入れ替えられる。
更に魔法については思考演算領域を分岐したから【叡慧ヲ窮メシ者】に攻撃させながら魔法を発動できる。つまり、【叡慧ヲ窮メシ者】がインフィニットとの戦闘を、俺が魔法を用いてフルゴルエクエス・ジェニュインをどうにかするって寸法だ。
いや、フルゴルエクエス・ジェニュインだけじゃないか。飛空戦艦エンリルから使徒天使が大量に出てきやがった。
「〝死せる騎士達に捧ぐ。我が黒き祈りにより、受肉し無敵の騎士となりて、我が敵を斃せ〟――〝死セル騎士達ヘノ供物-An offering for dead knights-〟」
「〝全てのものに寿命はあり、全てのものに終わりはある。終わらせるものよ、死の神よ、そなたの力を貸してくれ。アジャラカモクレン、テケレッツのパー。死の因果より逃れしものよ。アジャラカモクレン、テケレッツのパー。今こそ汝の灯火を吹き消さん〟――〝死が確定する十三分-The god of death keeps ridicule of life for 13 minutes-〟」
「〝殺せ、殺せ。我が死へと導く指揮よ! 振れる指揮棒よ、死と音楽を奏で、汝らの魂を冥界へと送れ〟――〝死の行軍-Death march-〟」
俺の持つ最強コンボでフルゴルエクエス・ジェニュインと使徒天使を殺し尽くす。
【叡慧ヲ窮メシ者】のマップで位置を特定し、手に現れた黒い指揮棒を4/4拍子で振ってソイツを対象に【即死魔法】を発動する。
ヴァパリア黎明結社召喚部門のメンバー、ダニッシュ、インフィニット、超帝国・国防軍の連中には向けない……ダニッシュはこんな卑怯な方法で殺したくないし、超帝国軍とヴァパリア黎明結社のメンバーに関しては大量虐殺をしたくないという理由から。
ぶっちゃけ降伏してくれるんだったら見逃すんだけどね。まあ、降伏したと見せかけて刃向けるなら容赦はしないけど。
インフィニットは……というか、そもそも超帝国マハーシュバラとは戦う意味が分からない。目的も一致しているし、「一つくらいはカオス残しても問題ないよね?」って老害を脅すつもりでいるんで、まあ問題ないかな。
今ので【死の支配者】と【盤上の支配者】、【ユニークアルティメットスキルに身を任せる者】を獲得したようだな……【死の支配者】は【即死魔法】で大量虐殺したからか? 【盤上の支配者】は多分マップを利用した攻撃を行ったからだと思う……何もなく【死の支配者】はハーレム主人公の骨の方と【盤上の支配者】は転生者でも転移者でもない自称行商人さんだと思うけど……微妙に違う? というか、この称号って「計算通り」が口癖などっかのパズルアニメに出てきた大富豪を彷彿とさせるよな。まあ、多分違うけど。そして、【ユニークアルティメットスキルに身を任せる者】……というか、ユニークアルティメットスキルって何!? 究極能力の上位互換!? というか、もしかしなくてもユニークエクストラスキルという名の二重尊敬スキルの同類? 多分、【叡慧ヲ窮メシ者】だと思うけど。
ちなみに、スキルには隠れで分類があるらしく、スキル、ユニークスキル、エクストラスキル、チートスキル、アルティメットスキルと上がっていくらしいが、こんなのは有って無いようなもの。スキルだって鍛えればアルティメットスキルにだって勝てるのさ。
ちなみに、超越技はスキルではないのでここには分類されません。
さて、バトルに戻ろう。殺した数は合わせな・な・なんと六百六十六体……呪いなのだろうか?
ということで、六百六十六体の死霊騎士を召★喚! つう訳で、お前ら全員防衛に行きやがれ!!
【――原始人の分際で使徒天使を瞬殺……エンリの計算に間違いがあったようです。あり得ません、すぐに再演算を開始します。……原始人の魔法は連発はできないでしょう。今のうちに原始人を殺すのが吉です】
……うわ、ナニアノコ。自分のことを名前で呼ぶとか……いや、何となく自分可愛いって思ってやっているんじゃないかって、思うんだよね? まあ、うちのエレシに至っては自分のことをエレシちゃんって呼んでいるけど……こっちの方が明らかにイタいな。
「エレシ、ナン。お前らの友達って色々と大丈夫?」
【……大丈夫じゃないな。エレシは見ての通りただの莫迦な賑やかしだし、エンリは賢いが超古代文明マルドゥークに対する信仰が行き過ぎている。……まあ、アタシが一番まともだな】
【ちょっと! ナンちゃんだって真面じゃないよ!! 熱血で脳筋なナンちゃんはただの莫迦なのです。ふふふ、エレシちゃんこそがクイーン・オブ・AIなのです!!】
うちのAIが五月蠅過ぎる件。なお、インカム風の魔道具を使って会話しているのでインフィニットに俺達の会話は聞こえない筈……いや、ただ独り言を言っているように見えるか……そっちの方がヤバイ人だ。
「俺を相手にして随分余裕そうだな。――【戦律・烈火】」
エネルギーを飛行に使う最小限を残して星殺しの刀に集中させて刀身を伸ばしたか……厄介だな、その祥瑞操作。
「【叡慧ヲ窮メシ者】、もういい」
【――畏まりました。オートバトルモードを終了します】
流石にこれじゃあインフィニットは止められないからな。
さて、まずはどうやってインフィニットを退却させるか……ダニッシュが参戦して来ないことを祈ろう。