【三人称視点】天啓の救済の大聖女と正教会⑤
ミンティス歴2030年 8月17日 場所ミンティス教国、ジュレェウの村、教会(教派:ミント正教会、宗派:セペァジャ派)
約二時間後、カタリナ一行はジュレェウの村に到着した。
相乗りの馬車を使い、先にジュレェウの村に戻っていた神父に教会の応接室に案内され、そこで詳細を聞くことになった。
ちなみに、カタリナが安価な相乗りの馬車を使わず徒歩での旅を続けたのは、聖女に与えられた「万人救済」の役割が理由である。
聖女には、各地のミント教徒を救済する仕事という名の義務がある。それが、「万人救済」。
このように、聖女に各所でミント教のイメージアップを行わせ、自分達はミント教徒からお布施と称して金を搾り取り、自分達の懐を潤わせる――それが、ミント教の重役達のやり方であった。
「ドライグ・ゴッホとグウィバーはどこにいるのですか?」
単刀直入にカタリナが切り出した。
「ここから少し北に向かったジ=グワドの森です。……しかし、本当に大丈夫なのですか?」
「はい、ご心配には及びません。意外かもしれませんが、私はある程度剣や槍を扱えますし、ユーゼフ様、ユリシーナ様、ゼルガド様の三人も頼りになります。……そうですね、クエレブレ三体程度なら、数分足らずで倒せてしまうでしょう」
「く、クエレブレ三体を数分!?」
ミンティス教国内の山脈の洞窟に棲まうクエレブレは凶悪な存在で、ドライグ・ゴッホやグウィバーと同様に竜種の魔獣として恐れられている。
強さもほぼ同等で、クエレブレを倒せる実力は、そのままドライグ・ゴッホとグウィバーを倒せるほどの実力を持つこととイコールになるのだ。
ちなみに、これらの竜種の強さはゴルィニシチェに劣る。
「ジ=グワドの森ですね? それでは、行って参ります」
◆
「〝届け、届け、我が祈りよ! 戦場に立つ我が愛しい人を癒せ〟――〝聖祈之治癒〟」
【反魂】を用いて紡がれた【聖魔法】がアートラータ・フェーレースとゴブリンキングに放たれる。
「魔法剣・極寒の刃! 凍てつけ魔獣共!!」
ゼルガドの冷気を纏わせた【魔法剣】がゴブリンジェネラルを御輿ごと切り裂く。
カタリナとユーゼフに出る幕はない。雑兵は全て任せろと言わんばかりに二人が全ての魔獣を引き受ける。
目的の魔獣――ドライグ・ゴッホとグウィバーはすぐに見つかった。
両者とも激しい死闘を繰り広げている。
思い返せば、魔獣達は、森の外へと逃げるように動いていた。もしかしたら、この二体の竜種から逃れようとして移動していたところに遭遇し、戦闘になったのかもしれない。
「ここは私に任せてください」
カタリナは、雷神の宿し霹靂の迅槍を宝物庫の指輪の中から取り出し、構えた。
――万天分かつ陰陽 天より降りし雨は地に落ち 地より昇りし蒸気は天へと還る
――即ち陰陽とは對を成し 循環する森羅万象 世界の条理
――生々流転 陰の気と交わりて生まれ落ちた命 陽の気のみとなりて天に昇る
――輪廻転生 陽のみとなりし魂 陰なる魄のみとなりて生まれ出づる
カタリナの玲瓏な声が詠唱を紡ぐ。龗神の宿し冽流の宝剣の時のように眩い輝きが宿った。
だが、今回は龗神の宿し冽流の宝剣の時とは異なり、黄色い輝きだ。
――血より生まれし雷の神 其は史上最強の武神にして 正義の心を宿す者
――今こそ我が呼び掛けに応じ 条理崩れし世界を救え 雷神の宿し霹靂の迅槍!!
雷神の宿し霹靂の迅槍――神産みにおいて伊邪那岐命が迦具土神の首を切り落とした際、天之尾羽張の根元についた血が岩に飛び散って生まれた異世界の神の名を与えられた槍に白い雷が宿った。
カタリナが槍を振りかざすのと同時に、その雷が空を奔り、ドライグ・ゴッホに降りかかる。
その一撃でドライグ・ゴッホは完全に死滅した。
『――グァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!』
敵を失ったグウィバーは、ドライグ・ゴッホの命を奪ったカタリナに狙いを定め、攻撃を開始した。
大口を開けて空気を大量に吸い込み、口からプラズマ化した息を吐き出す。――ブレス攻撃だ。
「〝光の矢よ〟――〝光矢〟」
回避しつつユーゼフは光属性初級魔法の〝光矢〟を放つが、焼け石に水。
それどころか、グウィバーの注意がユーゼフに向けられ、完全に狙いを定められてしまった。
グウィバーはユーゼフを敵ではなく獲物であると判断したのだろう。
素早く距離を詰め、黒々と輝く鉤爪を振りかざす。
「〝発動〟――〝護法の結界〟」
カタリナの左手に現れた万天照らす日輪の大杖の杖先に魔法陣が一瞬現れ、消えると同時にユーゼフを守るように結界が生まれた。
ギィィィ……耳障りな音を立て、鉤爪と結界がぶつかり合う。
――万天分かつ陰陽 天より降りし雨は地に落ち 地より昇りし蒸気は天へと還る
――即ち陰陽とは對を成し 循環する森羅万象 世界の条理
――生々流転 陰の気と交わりて生まれ落ちた命 陽の気のみとなりて天に昇る
――輪廻転生 陽のみとなりし魂 陰なる魄のみとなりて生まれ出づる
――血より生まれし雷の神 其は史上最強の武神にして 正義の心を宿す者
――今こそ我が呼び掛けに応じ 条理崩れし世界を救え 雷神の宿し霹靂の迅槍!!
再び雷神の宿し霹靂の迅槍に白い雷が宿る。
槍を振りかざすのと同時にその雷が空を奔り、今度はグウィバーの体を焼き尽くした。
◆
ミンティス歴2030年 8月20日 場所ミンティス教国、スギュヌの町、教会(教派:ミント正教会、宗派:セペァジャ派)
ドライグ・ゴッホとグウィバーはカタリナの雷神の宿し霹靂の迅槍によって倒された。
ジュレェウの村の者達からお礼を言われ、村人達の祝賀会に参加することになり、その日の夜はどんちゃん騒ぎだった。
カタリナ達はその後別の道を使い、各所で救済を行いながらスギュヌの町に戻った。
この旅はユーゼフに一つの問題を突きつけることになった。
それは、ユーゼフがあまりにも弱いということ。
この旅の間中、ユーゼフはずっと足手纏いであった。規格外のカタリナは別として、ユリシーナのような魔法の力も、ゼルガドのような【魔法剣】のような力もない。
使えるのは光系の効果の薄い【回復魔法】と、初級の【光魔法】のみ。
――この力では、カタリナを守ることはできない。
「……カタリナ様、ユーゼフってどこに行ったんだ?」
「えっ! ……居ませんか? さっきまで一緒にミント様にお祈りを捧げていたのですが?」
カタリナもゼルガドも、ユーゼフの行き先に心当たりが無かった。
「どうした、二人とも……ん? ユーゼフ? アイツなら、いつも町の外れにある空き地で法術の特訓を……おっと、口止めされていたんだった」
二人でユリシーナを問い詰めたところ、ユーゼフの最近の行動が明らかになった。
ユーゼフは最近、【光魔法】の特訓を町外れの空き地で行っているらしい。
それを偶然見つけたユリシーナは、ユーゼフから口止めされていたのだ。
『特に、カタリナ様には絶対に言わないでください』
そう念を押されて。ユーゼフがカタリナに向ける想いを見抜いたユリシーナは、決して言わないことを約束し、陰ながら彼の恋を応援することにしたのである。
「……カタリナ様には絶対に言うなってどういうことだ?」
「さあ、なんで私の名前を出して念押しをしたのでしょう?」
(……まさか、カタリナ様はユーゼフから想いを寄せられていることに気づかないのか? あんなに見え見えなのに? まあ、ゼルガドが鈍感なのは分かるが……)
完璧な聖女だと思っていたカタリナの完璧じゃない点を見つけ、ユリシーナはなんとも言えない気持ちになった。
「とりあえず、その空き地に行ってみましょう」
カタリナ達はユリシーナに案内を頼み、空き地に向かった。……しかし。
「ユーゼフ様、いませんよ?」
「えっ? そんな。昨日は確かにここに居たのに」
ユリシーナが案内した空き地にユーゼフの姿は無かった。
「……この痕、間違いなく魔法の痕跡ですね。ここでユリシーナ様がユーゼフ様を見たという話は間違いないと思います。……ゼルガド様、ユーゼフ様に早急に伝えたいことがあったのですか?」
「いや、特にそういう訳じゃない。ただ、居ないから気になっただけだ」
「そうですか……ユーゼフ様も子供じゃありませんし、姿を消したからと言って慌てる必要はないと思います。一旦教会に戻り帰りを待ちましょう」
カタリナの意見にユリシーナとゼルガドも同意し、三人で教会に戻った。
◆
一方、ユーゼフはジュレェウの村の冒険者ギルドを訪れていた。
「冒険者ギルド、ジュレェウ支部へようこそ。あら、ユーゼフ様ではありませんか? 本日はどのようなご用件でしょうか?」
受付嬢は、ユーゼフの姿を見て疑問を持った。
確かに、聖職者が冒険者になることはある。回復職は冒険者のチームを支え、冒険の成功率を上げる重要な存在だからだ。
「手っ取り早く強くなりたいんです。何か方法はありませんか?」
強くなりたい――その願いは冒険者の誰もが持つものだ。
強さと研鑽を続けることでようやく得られる力である。その過程をすっ飛ばし、力を得る方法はない。
だが、今のユーゼフは明らかに切迫していた。時間を掛けて力をつけていくという方法を彼は望まないだろうと、受付嬢の経験は告げていた。
「冒険者ギルドではユーゼフ様の求めるような力を与えることはできません。力とは、研鑽を続ける中で得られるものですから」
ユーゼフは、その答えを聞いてガックリと肩を落とした。
ユーゼフ自身、心の中では自分の願いが不可能なものであることを理解している。
過程をすっ飛ばして強くなることはできない。力とは自らの技を研鑽し、作戦を工夫する中で得られるものだ。
結果という名の上澄みを得ようとするのは、余りにも虫が良すぎる話。
だが、時間を掛けていては間に合わない。ユリシーナとゼルガドが居れば、ユーゼフは不必要になり、カタリナに見捨てられてしまう。
ユーゼフは、まだ自分がカタリナに恋をしていることに気がついていない。
しかし、カタリナを失った時、自分がどうなってしまうかは朧げに理解していた。
その恐怖に襲われ、ユーゼフは力を求めて彷徨う。
「アナタ、力を求めているのかしら?」
ユーゼフに声を掛けたのは、占い師の扇情的な衣装を身に纏った女性だった。
妖艶な色香を漂わせるその女は、艶やかな猫撫で声でユーゼフの願いを的確に言い当てた。
「……貴方は?」
「そう警戒しないで。アタシは、ペトロニーラ=ディミーズ、占い師をやっているわ。……アナタは力が欲しいのよね? しかも、手っ取り早く。その方法に心当たりがあるわ」
ユーゼフは警戒した。何故、相手が自分の求めていることを知っているのか。そして、何故声を掛けてきたのか。
「この水晶玉が教えてくれたのよ。アナタが何を求めているのか。――アタシならアナタに与えられるわ。アナタの大切な人を守る力も、アナタの想い人に告白する勇気も。お礼のことは気にしないで。アタシは困っている人が幸せになれるのなら、それで十分だから」
明らかに怪しいが、ユーゼフも手段を選んでいる場合では無かった。
求めている力が手に入るのであれば、どうなっても構わない――平生のユーゼフなら絶対に選ばない選択を、この時のユーゼフは選んでしまったのである。
ジュレェウの村の外れにあるボロボロの屋敷に、ユーゼフは案内された。
ここが、ペトロニーラの仕事場兼住居らしい。
話によれば、ボロボロの屋敷を最近買ったばかりらしく、改装の真っ最中のようだ。
「ちょっと待っていてね。今、何か飲み物を用意するから」
ペトロニーラはそう言うといそいそと中に入っていった。
それから数分後、ポットとティーカップ二つを持ったペトロニーラが戻ってくる。
「聞き忘れていたけど、紅茶で良かったかしら?」
「はい、大丈夫です」
ユーゼフにとっては、飲み物などどうでも良かった。
ユーゼフの頭の中を占めているのは、カタリナを守ることができるほどの強さを得ることだけ。
ポットの紅茶がなみなみとカップに注がれる。
「この紅茶、アタシのお気に入りなの。味わって飲んでね❤︎」
「ありがとうございます」
言われるがままに紅茶に口をつけ、味わう。
ユーゼフは不思議な気分になった。部屋の中に漂うアロマに似た匂いと、紅茶の味が混ざり合い、眠気のようなものに襲われる。目の前が少しずつぼんやりとしてきて、頭がピンク色の生ぬるい霧に覆われているように霞んで、思考力が少しずつ鈍っていく。
「アナタ、力が欲しいのよね?」
「…………は、い」
「なら、このペンダントをプレゼントするわ。素敵でしょ?」
中央に黒い石が嵌め込まれたペンダント――ユーゼフは、それをペトロニーラから受け取り、身につけた。
瞬間、ペンダントからドロドロの闇が現れ、ユーゼフの身体を包み込む。
「うふふ。さて、素質はあったけどどれくらい可愛くなるかしら?」
ペトロニーラは口を三日月のように歪ませた。
◆
ペトロニーラ=ディミーズ。彼女の正体は、リコリス教の枢機卿だ。
同性愛者であると同時に、男を穢れた生き物として憎悪の対象にする彼女はユリシーナの恋人を自称していた。
まあ、その好意は一方的なものだったが。ユリシーナは彼女を同じ神を信仰する仲間だとは考えていたが、その病的なまでの執着に悩まされ、ペトロニーラからは距離を取っていたが。
ある日、ペトロニーラはユリシーナがミント正教会に改宗したという噂を聞いた。
その瞬間、ペトロニーラの心に宿ったのは激しい怒り。ペトロニーラの大切な人を奪った者に対する復讐の炎。
「何やらお困りのようですね」
美しい――そう形容する他に無かった。
フリルを大量にあしらい、中央の大粒の青い宝が印象的なトップスとミニスカートを纏った少女。その手には不釣り合いな巨大なハサミを持っている。
「僕は魔法少女ブルーメモリア。この世界で唯一認められた魔法少女です。……貴女が今求めているのは、大切な人を取り戻すための力ですね? そのための策を僕は用意することができます」
ブルーメモリアと名乗った青い魔法少女は、一つのペンダントを手渡した。
「このペンダントには、闇の力が封じられています。解放すれば、その願いを闇に染め、相応しい姿に変えることができます。勿論、どう使うかは貴女次第です」
そこから、ペトロニーラの記憶は曖昧だ。いや、より正確に言えば青い魔法少女に関する記憶をごっそりと削られていた。
残ったのは、闇が込められたペンダントと、その使い方。
「必ず目を覚まさせてあげるわ! ユリシーナ!!」
◆
「お疲れ様、ブルーメモリア。それで、どうだった?」
魔王領の一角――四天王が所有する城郭都市の一つの城で、魔王軍四天王は紅茶で口を潤しながら、対面に座るブルーメモリアに世間話でもするように尋ねた。
「とりあえず、例の試作品は渡しました。ペトロニーラという小娘に渡しましたので、流石にどうなるかは分かりませんが」
「まあ、ペンダントはあれ一つじゃないし、いくらでも実験できるからね。情報思念体フリズスキャールヴに頼らない人造魔法少女を作成するための研究の副産物――どれくらい使い物になるのか楽しみだな」
「そうですね。僕も興味があります」
ヴァパリア黎明結社の開発部門は、研究熱心で研究のためにはいかなる犠牲も辞さないマッドサイエンティストで構成されている。
そのトップである魔王軍四天王とブルーメモリアもご多分に漏れず研究ヲタクであった。
「そういえば、超越者に至ったんだっけ? おめでとう」
「ありがとうございます。……やっと、という感じですよ。鎖を引き千切るのに苦戦しました」
「ああ、確かにあれって結構大変だもんね。他二つの条件を満たしても、残りの実力の研鑽が不十分だと鎖を砕けないし。……というか、アレを簡単に引き千切れる奴、おかしいと思うよ」
七賢者と呼ばれる本物の超人達を思い出し、魔王軍四天王とブルーメモリアは揃って肩を竦めた。
「そういえば、最近ヘクセンナハトの再現に取り込んでいるんだけど、上手くいきそうだよ」
「ヘクセンナハトですか?」
ヘクセンナハトは、情報思念体フリズスキャールヴが生み出した舞台装置だ。
魔法少女達の最終敵として設計されたこの装置は、約五年周期で魔法少女達の前に現れる。
戦闘力は魔法少女が束になって掛からなければ勝ち目がないほど。
しかし、魔法少女にほどほどの恐怖を刻む程度の戦いしかせず、直接的に殺しに掛かることはない。
このヘクセンナハトは、情報思念体フリズスキャールヴの守護者の役割を果たしていた。
最終決戦で開闢の魔法少女クレアシオンに倒され、完全に破壊されている。
「しかし、彼の人造闇堕ち魔法少女の情報をどこで手に入れたのですか?」
「勿論、七賢者のクレアシオン様だよ。彼の御仁は、情報思念体フリズスキャールヴを倒すためにその世界の〈全知回路〉を支配下に置いた。彼女はあの世界の全ての魔法少女の記録データを持っているんだよ。勿論、ヘクセンナハトのデータもね」
開闢の魔法少女クレアシオンならば、あり得る話だろう。
「しかし、師匠はよく憎い敵の情報を提供してくださいましたね」
「あの方が殺したいのは、フリズスキャールヴとその使徒たるマスコットだけさ。彼女の仲間の魔法少女はともかく、他の魔法少女のことはどうでもいいと思っている。いや、少し違うか。マスコットを信じ切っている魔法少女は狩りの対象だったね。だから、私達の研究にも協力してくれるんだよ。彼女は第二世代の魔法少女を我々が生み出しても、見逃してくれるだろう。まあ、ボクは魔法少女だけで満足しないけどね。あれは不完全だ。あの闇堕ちにはエネルギーを作り出すだけではない、それ以上の価値がある。闇堕ち魔法少女を解析し、魔法少女に成らずとも闇堕ちの状態を作り出す。――この研究は遂に最終段階に入った。この力は、フルゴル・エクエスと並ぶヴァパリア黎明結社の兵隊となり得る筈だ。……いや、フルゴル・エクエスそのものを闇堕ちさせることで更なる力を付与する方がいいか」
フルゴル・エクエス、カードなど、数々の作品を開発してヴァパリア黎明結社に貢献してきた開発部門。その次の目標こそ、闇堕ち魔法少女の力なのである。
「それじゃあ、ゆっくりと楽しもうか。ペンダントの性能を――」
魔王軍四天王とブルーメモリアのお茶会はその後も続いた。