A:指パッチンします
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「椿原さん、凄いね。さっき魔法の使い方を聞いたばっかりなのに、もうあんな事が出来るんだ」
いつの間にか佐々宮くん登場だね。やっぱりメイドさんの数を増やしてますね。羨ましくなんか無いよ。本当だよ。
「お腹減ったんじゃんいかと思って、お昼ご飯貰ってきたよ。一緒に食べよう」
「おぉ、そんな時間か。言われてみれば腹減ってきたな。サンキュー、伊吹」
「じゃ、八雲ちゃんも誘って、お外でご飯食べよう。なんかピクニックっぽくっていいよね」
佐々宮くん気が効くね。朝ご飯ちゃんと食べれなかったからお腹ペコペコだよ。
しかし、みんな、あんな大蹂躙戦があったのに通常運転だね。大森さんなんてピクニック気分だし。後で怒られたりしないか心配じゃ無いのかな。
みんなで椿原さんのいる方に歩いて行くんだけど、吹っ飛ばされた騎士団の皆さんがいたるところに転がってました。酷い状況だね。百人位は吹っ飛ばされたみたいだね。まぁ、誰も死んでないみたいだし、いいかな。いいよね。
「おぅ!椿原。チョーご機嫌だな。ド派手でいいじゃねぇか」
「八雲ちゃん、凄かったよ!本当に魔法使いになっちゃったね」
「見てましたぁ?私の超爆裂炸裂大魔法ぉ!あぁ!感激ですぅ!こんな日が来るなんて夢のようですぅ!」
神くん、大森さん、椿原さん。ハイタッチして喜びを分かち合ってますが、何か忘れてませんか?とってもやっちゃった状態の筈なんですが・・・・・・。
「椿原さんの魔法の威力はすさまじいね。騎士団の人達を、あり得ないくらい吹っ飛ばしてたよね」
「あはははぁ。向かってくる敵は皆殺しですぅ」
そうそう、佐々宮くん、それだよ。大問題だよね。みんな、楽しそうに話してるけど大丈夫なの。大丈夫じゃないよね。
あと、椿原さん。恐ろしい事を笑いながら言わないでね。敵じゃないから。僕達がお世話になっている王国の騎士団の人達だよ。
色々、心配してビビってるのってもしかして僕だけなのかな。
「しかし、椿原。なんでそんな簡単に魔法使えるんだ。魔法って簡単なのか?」
「それはですねぇ。魔法を使うのに重要なのがイメージだからですぅ」
「えっ、イメージって難しくない?私は魔法のイメージって全く思いつかないよ」
そうだね。そうだね。そんな話より今重要なのは騎士団の皆さんに仕出かした事への後始末をどうするかだよね。あぁ、担架で運ばれて行く姿が痛々しいよ。僕が悪いわけじゃ無いけどみんなが無関心なので代わりにお詫び致します。ごめんなさい。だから怒らないでね。
「それはですねぇ、私が今まで見てきたアニメのお陰ですぅ。アニメの中で映像化された魔法を毎日毎日、脳に焼き付くほど見てきて、魔法を使う妄想を続けていたので、イメージはバッチリですぅ。魔法使いになる妄想をし続けた努力が報われたのですぅ!」
「妄想が努力ってどんなだよ。イカれてんな・・・・・」
「うん。八雲ちゃん。あんまり魔法使いになる妄想をしてたのは言わない方がいいよ。高校生だし・・・・・・」
知らなかったよ。椿原さんって中二病的なものを患ってたんだね。神くんも大森さんもちょっと引いてるね。
まあいいや。それよりお昼ご飯だよね。お腹すいたんだよ。佐々宮くんとメイド隊の皆さん、早くご飯の準備をお願いします。
「椿原さん、イメージはともかく、魔力の操作は初めてだろう。そんな簡単に出来るものなの」
「そうですねぇ。細かい調整とかはもっと慣れないといけないと思いますけど、何となくで出来ちゃいましたよぉ。私ってきっとナチュラル ボーン魔法少女なんですよぉ」
「八雲ちゃん、言ってる事はよくわかんないけどコツとか有る?」
「コツはですねぇ、ギューてしてグルグルでドーンですぅ!」
「「「・・・・・・全くわからない」」」
神くんは不良、佐々宮くんは良家のご子息で生徒会長、大森さんはスポーツ少女。オタク様でちょっとご病気な椿原さんと魔法について理解し合うのは無理があるのでは無いでしょうか。
それよりもメイドさんズ、ご飯の準備をハリー。お腹が鳴って僕が恥ずかしい思いをする前にお願いします。
「尊や大森さんの方はどうなんだい。闘気は上手く使えそうかな」
「ああ、何とかなりそうだな。しかし俺の相手をしてるのがランクDの騎士団員なんだが、ありゃ、完全に人間超えてるな。バケモンクラスだな。俺の攻撃擦りもしねぇ」
「そうそう、シグマさんはランクCって言ってたけど、あの人たまに消えるんだよね。シュパって。ありえないよね」
「そうか。やっぱり騎士団の人達は強いんだね。椿原さんが大量に吹き飛ばしてたから、もしかしてそんなに強く無いのかと思っちゃたんだよね」
「私に向かってきた人達はそんなに早く無かったですけど、とても頑丈でしたよぉ。大爆発に巻き込まれても怪我で済んでますからぁ。人間としてありえないですねぇ」
では、お先にいただきます。メイド隊の皆様、ご準備ありがとうございます。
お昼ご飯はサンドイッチですね。見たことあるような、無いような具が挟まっています。この紫色の野菜のような物はほのかに酸味が有りつつジューシーで、ピンク色の甘めのソースと良く合いますね。こっちの何か分からないお肉と真っ青なソースのサンドイッチも大変美味しゅうございます。あぁ、異世界の料理も中々良いですね。
ところでシグマさんって誰?
「伊吹は訓練しなくて良いのか。椿原には差つけられてるし、俺達とも差着いちまうぜ」
「そうそう。なんか結構早く強くなれそうだよ。闘気ってすごいよ」
「そうか。でも、まぁ、午後はやっぱり資料漁りにしておくよ。情報は力だからね」
「じゃ、俺が夕飯の後にでも個人特訓してやるよ。血反吐吐くぐらいのやつで。ははははっ」
「お手柔らかに頼むよ。ところで、闘気を使うコツってあるのかな?」
「おぅ!闘気ってのは、ウォォやって、ウゥゥンてして、バァァァンってやるんだよ!」
「えぇぇ!違うよ。ギューてして、キィィィィィンからのシュパァァァァだよ」
「・・・・・・全くわからないよ」
うん。全然分かり合えないね。
その後、雑談をしながらのお昼ご飯を終えて、それぞれしたい事をする為に別れました。神くんと大森さんは闘気の訓練に、椿原さんは魔法の練習に、佐々宮くんは情報の収集に、おじいさんは山に芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に。
で、僕は何をしようかな。お散歩やお昼寝も捨てがたいな。新たな出会いを求めて街に行ってみるのも良いかな。
うん。嘘です。分かってます。ここは魔法の練習ですよね。そうですよね。
僕は光属性の魔法に適性があるって言ってたよね。攻撃系の魔法も使えるみたいだけど、正直、生き物を攻撃するとか僕には無理かな。今までの人生で喧嘩とかしたこと無いし。攻撃して怒られたら嫌だもんね。
ということで回復魔法を頑張ってみようかな。お医者さんは人気のある職業だからきっとモテるよね。女の子を治療して惚れられてハーレムコースが良いな。あっ、何か凄くやる気が出てきた。頑張ろう。
では、神くんの所に行ってみよう。きっと騎士団員の人にボコボコにされてるから、回復魔法の実験台に丁度良いよね。
神くんと大森さんが訓練している方に歩いて行くとやっぱり神くんはブッ飛ばされてました
。そんな簡単には強くなれによね。相手の人はランクDらしいし。大森さんのスカートがヒラヒラするのがとても気になるけど、ハーレムの為に魔法の練習を始めようかな。
取りあえず魔力が有るのは伝説の魔力測定器を壊しちゃったんだから間違いないよね。魔力操作は『ギューてしてグルグルでドーン』だったよね。椿原さんがそう言ってたはず。後はイメージだよね。
椿原さんほどでは無いけど、僕もアニメや漫画はよく見るし、ゲームだって大好きな高校生だからそれなりにイメージするのは簡単かな。よくある回復魔法を真似れば良いんだよね。
それでは実験開始です。被験者は神くん。変なことになったらごめんね。
怪我治れ。怪我治れ。怪我治れ。ギューてしてグルグルでドーン。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
何も起こりません。何だろう。ギューが足りないのかな。もう一回いってみます。
怪我治れ。怪我治れ。怪我治れ。ギュー、ギュー、ギューてしてグルグルでドーン。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
やっぱり何も起こらない。グルグルが足りないのかな。もう一回いってみます。
怪我治れ。怪我治れ。怪我治れ。ギュー、ギュー、ギュー、てしてグルグルグルグルグルグルでドーン。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
何も起こらないよ。ドーンが足りないのかなって、そんなわけあるかーーい!。うん。これはきっとあれだ。僕と椿原さんは分かり合えないってことだね。椿原さん言語の翻訳が必要なんだね。うん。無理だね。
はぁ、仕方ないな。深く考えずにやってみようかな。呪文の詠唱?それは本気で椿原さんと同じ病気に罹ってしまいそうだから最後の手段にしよう。
治れ。
あっ、何か光った。でも、神くんが動くから神くんに当たらないな。もう一回。
治れ
あっ、神くんがぶっ飛ばされたから光ってるんだけど当たらないよ。ちょっと動かないでもらえるかな。困るよね。じゃあ、連発してみよう。
治れ、治れ、治れ、治れ、治れ、動くな!
本当、神くんじっとしてられないのかな。先生に落ち着きが無いって怒られるよ。
どうしよう。これじゃ、魔法が使えてるか検証できないよ。でも、ちょっと光ってるからいけてると思うんだけどな。
まずは『治れ』を変更しよう。うん。大事なことだね。魔法の名前が『治れ』って変だもんね。やっぱりオーソドックスに『ヒール』
にしよう。そして指差し確認をしよう。うん。指差し確認は大事だよ。安全第一だね。
出発進行〜。
『ヒール』
あっ、外れた。ちゃんと指差ししたのに。
う〜ん。確かに何かタイミングがズレてる感じがするな。一瞬って感じが欲しいな。う〜ん、指でも鳴らしてみる?腕を伸ばして狙いをつけて。
『ヒール』パチン
ピカーーン
おっ、神くんが光った。どう?治った?
「おぉぉ!?何だ!痛みが無くなった?」
「まさか!?癒しの魔法か!?」
神くんと第一騎士団長さんが驚いてるね。という事は魔法成功?で、第一騎士団長さん、もしかして貴方がシグマさん?さっき大森さんがシグマさんって言ってたのは貴方の事はですか?ごめんなさい。今、思い出したような気がします。そうそう、そんな名前だったよね。
「もしかして優か!?凄ぇな!怪我直す魔法か!お前まで魔法使えるようになったのか!こりゃ、負けてらんねぇな!気合入れ直していくか!」
「ゆうたん凄い!かっこいい!私にもかけて!早くかけて」
大森さん。日本語は注意が必要です。気をつけて使いましょう。でもご馳走様です。今夜は良い夢が見れそうです。
『ヒール』パチン
「うぁぁ〜。なんか気持ち良いね。癖になりそう」
「あり得ない。今日の朝、説明を受けたばかりで高難易度の癒しの魔法を使えるなんて・・・・・。これが勇者の力なのか・・・・・・」
大森さんが言うと僕の青い妄想が刺激されちゃうからほどほどでお願いします。でも、ありがとうございます。
第一騎士団長さん、驚いてる所悪いんだけど、僕は説明聞いてないよ。廊下にたたされれたからね。僕の事忘れてるよね。お互い様だね。
「よっしゃ!これで怪我を恐れず全力でいけるぜ。かかってこいや、このヤロー!」
って言いながら神くんが騎士団員さんにかかって行きました。神くんの日本語が乱れてるね。嘆かわしいよ。
さて、指パッチンよかったね。どんどん練習していこう。
パッチン、パッチン、パッチン、パッチン、パッチン、パッチン、パッチン、パッチン。
ふと我に返って、客観的に見てみたら、結構、中二病ぽいよね。ちょっとカッコ悪いかも。
あっ、後ろにいた筋肉ムキムキメイドさん達が冷ややかな目で見てるよ。
もしかしてこれも黒歴史・・・・・・。
なかなか進まなくてすみません
感想お待ちしています