街道【異世界の道ってやっぱりあまり舗装されてないわね】
今回は街に入る前までいきます
どうも皆さんこんにちわ私の名前は藤波 楓よ。まぁ、何処にでもおる普通の狐獣人ね…え?口調どうしたのかって?アルメラに言われて変えたのよ…性別と年齢的にこっちの方が違和感ないからね。少しでも言葉や所作が違えばアルメラの創ったゴーレムに文字通り「鉄拳制裁」されるから頑張ったわ、うん。
あ、アルメラっていうのは私が多重人格に付けた名前のことよ
名前つけたら態度がガラリと変わったのは驚きだけど…
『神狐は何処にでもいる普通の狐獣人ではないですよマスター?それと、早く支度を終わらせてください。そろそろ出発しないとアウゼント皇国の検問時間に間に合いません』
「分かってるわよ…というか、検問に行くのはいいけどお金とかはどうするのよ?」
『力の制御の為に魔物を狩ってた時に魔石が出たじゃないですか。ゴブリンの魔石でも売ればだいたいは何とかなります』
「そう…っと、出来たわ。それじゃあ出発しましょうか」
そう言って私は皇国に向けて歩き出した
「………ところで方角どっち?」
『……マスターから見て右手に12kmです』
「ありがとう」
気を取り直してしゅっぱーつ!アルメラに溜息つかれた気がするけど気の所為よね!
森を歩いて1時間もすれば道に出たので道なりに進んでいく。時折見かける馬車を追い越しながら進んでいく
「ところでアウゼント皇国って具体的にどんな国なの?」
『アウゼント皇国は皇帝が統治する国で差別が表向きは存在しません』
「表向きってことは裏ではあるのね?」
『はい。昔のアウゼント皇国では亜人…獣人やエルフ、ドワーフなどの事です。は劣等種とされてきました。現皇帝の意識改革により少しは改善されてきましたが、一部の貴族は亜人を劣等種として奴隷の様に酷使する輩もまだ少なからず存在します。ですがマスターの場合はマスターの種族である「神狐」が神の御使いとも呼ばれるので迫害等の心配は無いかと』
「所謂お稲荷様みたいな感じかしらね」
よかった…もし奴隷になれとか言われたら国を滅ぼすところだったわ
『マスターの場合実際にその力があるので脅しとして使うには余りにも過剰かと…』
「しないわよ、失礼ね…」
そんな風に雑談していると遠目に大きな街が見えてきた。もしかしてあれが?
『はい、アウゼント皇国最大の街にして皇都【アムレイス】です』
「へぇ〜…おっきいのねぇ…」
「んー?おーいそこの獣人さん。アムレイスは初めてかい?」
「えぇ、今までずっと山奥で暮らしてたから都会には来たことないのよ」
「そうかいそうかい。なら俺が皇都の魅力をたっぷり教えてやろうか?」
「結構よ。それにそういうのは自分で見つける方が楽しいでしょ?」
「だっはっはっは!そりゃそうだ!っと、皇都に入るには銀貨1枚払って貰うんだが、あるかい?」
「ごめんなさいね。山奥で暮らしてたから。お金を持ってないの…魔石はあるんだけど、それでいいかしら?」
「おう、構わんぜ?それからギルドカードとかは作ってるか?ギルドカード作っとくと銀貨1枚から小銀貨5枚に減るんだが」
「あのね、ずっと山奥で暮らしてた私がギルドカードを持ってると思う?」
「それもそうか……なら門を入って真っ直ぐ行って二つ目の十字路を左に曲がると冒険者ギルドがあるからそこで冒険者登録するといいぜ」
「そう?ありがとう。はい、これでいいかしら?」
「これは…オークリーダーの魔石だと!?お、お前さんオークリーダーを倒したのか!?」
「?あんなのただ少し知恵が付いただけの肉ダルマでしょ?そんなに苦労はしないわ」
「に、肉ダルマ…」
「それより、入っていいかしら?」
「お、おういいぞ。ようこそ、皇都アムレイスへ!」
私は門番の陽気な声に迎え入れられながら異世界に来て初めての街に入る。ここから私の伝説が始まるのよ!
…なーんてね♪私はほのぼのしたいのよ。
さて、無事皇都アムレイスまで着くことが出来ました
因みにオークリーダーはアウゼント皇国西の森で上から3番目に強い魔物です
普通のオークと見分けが付きにくいので初心者冒険者の被害が多く「初見殺し」の異名を持っています