ファミレスにて
いやほんとに、新作とか投稿してる場合じゃないですよね……
しかも、文字数少ないし……
会長と秋川さんから逃げるように喫茶店から出た僕らは、既にそういう気分ではなくなってきていたけど、夕飯を作る気も起きないので近くのファミレスに入った。
なんというか、カップルで来るのがファミレスって、風情も何もないね。
「災難でしたね。」
僕が先輩にそう言うと、先輩は強く頷いた。
本当に災難だった……まさか、会長と話すことになるなんて、ね。
「なんでこんなことになっちゃったんでしょうか。」
「ボクたちは運がなかったんだよ。」
「まぁ、会長も驚いてましたしね。」
レアな会長を見れてラッキー……とは思えないなぁ。
レアな会長とか会っても何も得しないし。ただ疲れるだけ。
「「はぁ……」」
僕と先輩は同時に溜息を吐く。
まさか溜息のタイミングが被るなんて……すごい偶然。
会長に会った直後じゃなきゃ喜べるんだけどね。
「チーズハンバーグです。」
「あ、はい。」
先輩の頼んだチーズハンバーグが運ばれてきて、なんとなく二人ともぼんやりとそれを見る。
なんか、付き合ってるカップルって、もっと甘々な雰囲気なものじゃないのかな?
「えっと、トマトソースパスタです。」
「ありがとうございます。」
続いて、僕の頼んだトマトソースパスタが運ばれてきた。
「じゃあ、食べましょうか。」
「そうだね。」
「「いただきます。」」
僕と先輩は同時にそう言うと、特に会話もなく食べ始める。
いやまぁ、そもそも僕と先輩ってあんまり会話ないけど、せっかくのデートなんだし少しくらい会話があってもいいよね?
……いや、でもまぁファミレスがデート先かぁ。
「あ、零君。それ分けてくれない?ボクのも少しあげるからさ。」
「いいですよ。」
先輩のほうにトマトソースパスタの皿を移動させると、先輩は少し不満そうにする。
なにか駄目だったのかな?
「ほら、あーん。」
先輩はそう言うと、口を開けて僕にあーんを要求する。
ちょ、先輩っ!ここ人目ありますからね!?
「せ、先輩っ!」
「ほら、早くして。恥ずかしいし……」
「恥ずかしいならしなければいいのでは?まぁ、しますけど。
はい、あーん。」
僕はフォークが先輩の口を切らないように注意しながら、要求通りあーんをする。
先輩は顔を赤くしながらもパクっと僕のパスタを食べ、もぐもぐと咀嚼した。
「うん、美味しい。」
「まぁ、店が作ったわけじゃないですけどね。」
「確かに。はい、あーん。」
先輩はそう言って、僕のほうに切り分けたハンバーグを差し出してくる。
え?僕もあーんされなきゃいけないの?
「先輩、それはちょっと……」
「え?嫌?」
「いただきます。」
上目づかいで「嫌?」とか言われたら断れるわけないよね。
先輩可愛いし。
「う、うん。美味しいです。」
なんか、先輩が食べさしてくれたってだけで美味しさ補正がかかってるのかもしれない。
前に食べたやつより美味しく感じる。
でも、まぁ……
「先輩の作ったハンバーグのほうを食べてみたいです。いつか、食べさせてくださいね。」
「え?う、うん。」
お弁当であんなに美味しいんだから、出来立てのハンバーグなんか……いや、想像もつかない。
絶対に美味しいに決まってるよ。そんなの。
とはいっても、いつかって言ってるといつまでもその時がこない気がする。
「あ、そういえば、ボク君の家に入ったことないんじゃないか?」
「あれ?ありませんでしたか?」
そう言われれば、なかった気もする。
先輩が風邪ひいた時に先輩の家にお邪魔したことはあったけど、先輩が僕の家に入ったことはなかったか。
「うん。」
「そうですか。なんなら、これから来まs――いえ、何でもないです。」
「これから来ますか?」と言おうとして、僕は首を左右に振った。
いや、もう夜だし付き合っている男女が会うのは流石によくない、よね?
しかも、僕も先輩も一人暮らしだし。
「ん?ボクは別に――い、いや、そうだな、うん。またにしよう。」
先輩も僕と似たようなことに思い至ったのか、顔を赤くして目を伏せる。
二人の間を気まずい空気が包み、お互いに目を合わせないように視線をずらす。
……まぁ、とりあえずこれ食べちゃおう。
えっと、もうここ数話謝ってばっかですが、また言います。
すいません!
ズバリ言います、新作に夢中で忘れてました。
いや、新作面白いと思うんですよ。書いてて楽しいですし。
ぜひ読んでみてください。「絵が好きな君と絵を描かない僕」ってやつです。
えっと、謝っておいてなんですが、やっぱり次話も更新未定です。
その分、「絵が好きな君と絵を描かない僕」は投稿するので、許してください……




