概要説明は大事
二か月近く空けての更新です。
本当に申し訳ございません。
次話は明日か明後日には更新できると思うので、許してください……
よし。会長から聞いたルールを整理しよう。
1.生徒会主催で行われ、全部活動と生徒会が参加する。
2.出場する生徒は全員男装又は女装をしなくてはいけない。
3.部活動から二名以上を出場させなくてはいけない。
4.出場者は、ステージ上で何かしらのパフォーマンスを行う(各部活動十分以内)
5.審査員は出場していない生徒及び教師。一番票が多く集まった部が優勝。
6.優勝賞品は、三十万の部費。準優勝には、十万の部費。
7.6以外にも、『おもしろかった賞』『パフォーマンス賞』『努力はわかった賞』『ユニーク賞』が与えられ、それぞれ五万円ずつの部費。後日、全校生徒と教師の投票によって決定される。
うん。何で始めようと思ったんだろうね。
「会長。百歩譲ってこの行事の開催を認めるとして、この六十万のお金は何処から出てるんですか?」
「あれ?覚えてない?四月の中旬に、『イベント費』として二千円ずつ徴収したと思うけど。」
「こんな行事に使うんですか?」
「なかなか盛り上がるんだよ?去年なんか、腹筋崩壊する人が続出したり、何故か泣き出したりする人が出たんだから。」
「すいません。混沌とした場しか想像できません……」
「零君。ボクからも言っておく。あの行事は危険だ。考えた奴は頭がおかしい。」
いや、だからどんな行事なの?
「ちなみに、ここ二年間は生徒会が優勝してるから。」
「だろうと思いましたよ!」
なんで参加しなくちゃいけないんだよ!!
面倒くさいなぁ……行きたくないなぁ……
「あのさ、二人とも。準優勝の十万があれば、合宿に行けると思うよ?」
「え!?そういう使い方ありなんですか!?」
「うん。全然あり。」
そうか。先輩と合宿。先輩と……
うん。燃えてきた!やってやろうじゃないか!
「じゃあ、出場選手をこの紙に書いてね。」
そう言って渡された紙を、先輩が受け取る。
先輩はそれにさらさらっと記入すると、その場で会長に渡す。
会長はそれをさらりと読むと、どこからか出した判子をぽんっと押す。
「はい。これで承認完了。当日の動きとかは後でプリントにして渡すね。じゃあ、話はこれで終わりだから帰っていいよ。」
会長はそう言いながら、手に持った紙を机の紙束の上に置く。
え?このためだけに呼び出されたの?なんで?
まあ、邪魔なやつから逃げれたからいいけど……
「じゃあ、失礼します。」
僕と先輩はそう言って生徒会室から出る。
「先輩、パフォーマンスって去年どんな感じだったんですか?」
「えっと……歌ったり、踊ったり、皿回したり、ボール投げたり……」
どうしよう。全く想像がつかない。
っていうか、理解不能。意味わかんない。
「えっと……僕たちは、何しますか?」
「うーん……適当に劇でもする?」
「例えば何の劇をですか?」
「……シンデレラ?」
「つまり、僕にガラスの靴を履いて歩けと?」
「……ごめん。忘れてくれ。」
良かった……流石にガラスの靴は嫌だ。
そもそも、ああいう靴って足痛くなりそうだし。
「零君。これは今日の放課後までの課題にしないか?」
「そうですね。それがいいかもしれません。」
まあ、考えても答えが出る気は全くしないんだけど。
だけど合宿(という名の旅行)の為には頑張るしかない!
「ちなみに、去年生徒会では何をしていたんですか?」
「去年は……派手な演出とかを使った笑いあり涙ありの劇を披露してたな。」
「十分で笑いあり涙ありの劇をやったんですか……」
十分だよ?十分。
劇をするには少ない気がする。
「まあ、去年は会長だけじゃなくて前会長もいたからね。」
「前会長?」
「うん。梅田会長っていって、今の会長に負けないくらいハイスペックだった。」
ハイスペックが二人集まったのか……そりゃあどこも勝てないよな。
「あ、ボクの教室こっちなんだ。また部活で。」
「はい。ちゃんと考えてきてくださいね?」
「そっちこそ。」
先輩はそう言うと、階段を駆け下りていく。
合宿かぁ……絶対に行きたいから、頑張らないと。




