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どんな表情で……

いつもより短めです。



保健室の扉に、手を伸ばす。

けれど、その手は扉を開けようとはしてくれない。


……どんな顔をすればいいのだろう。


「廃部は一応なくなりましたよ。」って笑顔で言う?

「すいません、僕一人だけの力じゃダメでした。会長に助けてもらわないと駄目でした」って言う?

いや、どっちも僕の些細なプライドが許してくれない。

そのプライドがくだらないもので、先輩を不安にさせたままでいていいほど大事じゃないってわかってる。

でも、捨てられない。


捨てたいのに、捨てたいのに、捨てられない。

わかってる。この誇りが邪魔してるんだって。


先輩にどんな顔で、どんな言葉を言えばいいんだろう。


「……零。話は聞いた。」

「一輝か。」

「何でそこでじっとしてるんだ?」


そう訊かれても、素直に答えるのは自分の弱いところを見せる気がした。

けれど、僕には答えが欲しかった。


「……僕は、勝てなかった。結局宝井に負けて、会長を侮った癖に肝心なところは助けられて……

 それで、屋上に居たら、会長に言われたんだ。『何でここにいるんだ』って。馬鹿だよね。そう言われるまで、古都先輩を不安にさせてたって気が付かなかった。

 でも、どんな顔をして先輩に話したらいいかわからないんだ。

 『大丈夫でした、会長が何とかしてくれました。』って言えばいいのか、『すいません、僕一人じゃ駄目でした。』って言えばいいのか。わからないんだ。」

「そっか。そうだよな。お前にだって、プライドはあるもんな。」

「うん。先輩にくらいは、かっこいい姿を見せていたいんだよ。でも、負けた。だから、そんな僕を先輩には見せたくないんだよ。先輩の前では、少しでもかっこいい自分でいたいから。

 ねえ、一輝。好きな人の前でかっこつけたいって思う、古都先輩の前でかっこつけたいって思う僕はどうしたらいいと思う?」

「……そうだな。そんなことは俺でもわから――」


その瞬間、ガラッと扉が開く音がする。

次の瞬間には、僕の体に軽い衝撃が走っていて、ふわりと甘い匂いがする。



「零くんっ!!」



その声を、聞き間違える筈がない。

その匂いを、忘れる筈がない。



「せ、先輩?」



僕はいつの間にか流れていた涙を隠す余裕もなくて。

ただ、その状況を呑み込むことに必死だった。



「そんなことしなくてもっ!!」



ただ、嬉しいような、怒っているような、恥ずかしいような。

そんな複雑な表情を顔に浮かべる先輩は、ただ僕を見つめて、何かを迷うように瞳を揺らして。

でも、ゆっくりと口を開いた。



「ボクは、キミのことが――









この辺りで作品を終わらせるべきか、もっと続けるべきか……


悩ましいんですよね……書きたいことは多いんですけど、話の流れがなぁ……

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