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ボクの心と……




「はぁ……」


ボクは家に入ると、ドキドキとうるさい胸を押さえ、深呼吸をする。


『“二人で”僕が『美しいと思える言葉』を探して、“二人で”笑い合いましょう。』


そう言う彼の言葉が脳内で再生され、さらに胸が弾け、頬が赤くなるのがわかる。

これは何だろう。風邪よりももっと心地よくて、何かを楽しみにしているにしては強すぎる。


ボクはそのままリビングに移動し、ソファーに腰かける。

そのまま胸のドキドキを押さえようとするが、一向に収まる気配がない。

一瞬何かの病気かとも思ったが、それも違う気がする。


ただ、彼に、あの後輩に会いたいと思ってしまう。


そこでボクは一つ閃いた。

こんな症状も、もしかしたら頼れる友人である茜ならどうにかできるかもしれないと。

そう考えたボクは、スマートフォンを手に取り、茜に電話をかける。

食事中かもしれないが、寝てはいないだろう。


――プルルルル


出ない。

深呼吸して、話したい内容を整理しようとするが、何故か零君のことが頭から離れず、整理ができない。


――プルルルル


もう少しでないでほしいと願いながら、脳内を必死に整理する。


――プルルルル


『はい。もしもし?葉奈?』


そう電話の向こうから聞こえてきた声に、ボクは何を言ったらいいかわからなくなり、出てきたのはよくわからない言葉だった。


「どうすればいいの?」

『え?何の話?』


それも当然だ。だって、どうすればいいの?としか言っていないのだから。

しかし、ボクには何をどう説明すればいいのかわからない。

だから、今日部室で会ったことから順に話していく。


茜は、相槌を打ったり、何かの反応をしたりしてくれたので、とても話しやすかった。


話し終わってから、暫く電話の向こうから聞こえてきたのは、何かを考え込むような声。

その声は暫く続いていたが、やがて何かを決意したのか、いつものおかしなテンションとは違う、真面目なトーンで話し始める。


『たぶんだけど、それは恋だと思う。』

「え?これが?」

『うん。たぶんだけどね。それを確かめるためにも、今からの質問にちゃんと答えてね。』

「あ、ああ。」


ボクはどんな質問が来るのかドキドキしながら、電話の向こうから聞こえてくる声に意識を集中する。


『まず一つ目。その零君って子ともっと話したいと思う?』

「あ、ああ。」

『じゃあ二つ目。その人の顔を思い浮かべた時に、何か安心するような、早く会いたいような、そんな気分にならない?』

「わ、わからない。ただ……ほかの人とは違う感じがする。」

『そっか。ふーん。そっかそっか……』


その声から、絶対ににやにやして悪だくみしていると考えることができてしまう。

そして、同時に悪い予感がする。


『その零って子、私見たことあるわ。すっごいイケメンだったから狙ってたんだよね。ねえ、私が狙っちゃうね。』

「そ、それは駄目だ!」


何故か反射的にそう返してしまった。

絶対に他の人、特に女性にはさわってほしくない。そう思ってしまった。

何故だろうか。大事な後輩だから?でも、それじゃあない気がする。


『ふーん。なんで?』

「なっ!な、何でもだ!」

『つまり理由はないんだね。わかってるから。私も冗談で言ってるんだし。』


その一言で、ボクの中に安堵の気持ちが広がる。


「よかった……」

『ねえ、私が狙うって言ったときに、嫌だって思ったでしょ?ほかの人には近づいてほしくなかったでしょ?』

「あ、ああ。」

『たぶんね、それが独占欲。やっぱり葉奈は零君が好きなんだよ。』

「そうなの?自分だとわからないのだが……」

『じゃあさ、もっと近づきたいと思う?』

「ああ。お、思うぞ。」


こういうことを言うのはとても恥ずかしいが、こちらから相談した手前、きちんと答えるのが筋だろう。


『想像してみて。零君とキスをするところを。どう?そうなりたい?』


想像してみる。

あの白い肌。整った顔。安心する声。匂い。

それがボクの至近距離にいて……


「ッツ!!」

『で、どう?』

「こ、答えられるわけないだろっ!」

『ええ?私は相談受けてる側なんだけどなぁ?』

「……わかったよ。そ、そうなりたいと思ってしまったのは事実だ。」

『やっぱりそれが恋なんだよ。まあ、とはいっても自覚はないか。どうしよっかなぁ……』


電話の向こうから悩むような声が聞こえてくる。


『あ、じゃあ、もっと葉奈たちの距離を縮める方法を教えるね!知りたい?』

「そ、そんなのがあるのか!!……っとすまない。急に大声を……」


一気に襲ってきた知識欲……いや、違うか。もっと仲良くしたいという気持ちがボクの平常心を失くしてしまった。


『まあ、仕方ないよ。初恋でわかんないことだらけだろうし。で、その方法っていうのがね……』


無駄にためが長い。


『明日、一緒に登校すること!!パチパチパチ!』

「は?」


何故か電話の向こうから聞こえてくるハイテンションな声に、ボクは素っ頓狂な声を上げた。




本当にすいません!

こちら側にもう一つのほうの連載を投稿してしまいました。


この失敗をするのは二回目です……


本当に申し訳ありません!


この事件についてのもう少し詳しい話と、これからの更新についてを活動報告に載せましたので、時間があればお読みください。

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これも読んで!
「絵が好きな君と絵を描かない僕」
面白いよ!(たぶん)

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