王道を往く者
前回までの『なんだよ!24(仮)』ピッ、ピッ、ピッ、ピッ・・・
はるか昔・・・遠い異世界の片隅で・・・ジャン!!!
この物語は、リリス家四姉妹の平凡な日常を淡々と描くものです。過度な期待は・・・
う~ん、どれも違う・・・
そうだ!『おち〇ちん問題』だった。
チ〇コ、ポコ〇ン、タ〇キン、キャンタマ・・・
どれがセーフで、どこからアウトか?
そんなお話でしたね。
って、この前書き自体アウトだろ!
削除必至の前書きニモマケズ、俺は狂言回しとして話を進める。
リリスちゃんが【観察日記】に、俺の『アイロン男』をスケッチしていると、
部屋にアルプさん(次女)がやって来た。
「おい、ケント。朝飯の準備できたから、
そろそろ起きろ・・・あれ?リリスが起こしに来てたのか」
「うん!」
全裸で枕を股間に挟んでいる俺を見て、
アルプさんは、あからさまに目をそらした。
「ほら、おねえちゃん。これ、リリスが書いたんだよ!」
十歳の少女が描きたてほやほやの力作を姉に見せた。
あーっ!ダメ!
それは!!!
以前、リリスちゃんの描いた絵を見せて貰った事があるのだが
これが、十歳の子供の描いたものとは思えないほど上手で
実に写実的な、写真のような絵だった・・・
「ほう、よく描けているじゃないか」
「うん、よーく見て描いたの」
「そうか、そろそろ朝ごはんにするから、ママの手伝いしておいで」
「うん!」
アルプさんは、優しく笑っていたが、こめかみに激おこプンプンマークが浮かんでいた。
ヤバい!怒られる・・・
だけなら、まだしも・・・嫌われる、軽蔑されちゃうよ・・・
「なぁ、ケント・・・」
「は、はい!」
「リリスは、まだ十歳なんだ・・・」
「はい・・・」
ヤバい!土下座でもするか?全裸で?いやいや、ないわー
「だから、その、そういう事は・・・」
あれっ?アルプさんの顔が赤い・・・
照れくさそうに・・・
ん?怒ってない?
「そ、そういう事したかったら・・・その、ボクが相手するから・・・」
え?
相手って、殴り合いとかの相手じゃないですよね・・・
「男の子だから、その、仕方ないんだろう・・・そういう気持ち」
えっと・・・男子のエッチな気持ちをご理解いただいたのでしょうか?
「大丈夫だ!ケント!ボク、少しぐらいなら我慢できるから!」
真っ赤な顔で、俺の両肩を掴んでアルプさんは言った。
「ア、アルプさん!」
思わず立ち上がる俺・・・
枕が、バサッと音を立てて床に落ちた・・・
「ケント、まだ寝てんの?お寝坊さんね」
今度は、スクプちゃん(三女)が部屋にやって来た。
「スクプなんか、朝から蜂蜜の収穫に・・・」
向かい合うアルプさんと全裸の俺・・・
それを見て立ち尽くすスクプちゃん。
ちなみに、俺のアイア〇マンは再起動していた・・・
「ケ、ケントのバカ!」
蜂蜜の壺を俺に投げつけ、スクプちゃんは部屋からダッシュで逃げ出した。
壺は、俺の股間にストライク!
蜂蜜まみれの俺のジュニア・・・
ああ、朝からハチミツプレイとは・・・
ハニートラップって、こういう事?
アルプさんの勧めもあって、俺は風呂に入る事にした。
「あ~、ひどい目にあった・・・」
いや?酷いのか?
これは、これで、ハーレムへの試練というか
ラブコメのお約束というか・・・
ぐふっ、悪くないなぁ・・・
風呂場のドアをニヤケながら開ける俺。
「え!」
脱衣所に裸のエムプさん(長女)・・・
「キャッ!」
タオルで前を隠すキレイなお姉さん。
「あ、あわ、わ、あわ・・・」
暫し固まった後、俺は慌ててドアを閉めた。
「す、すいません!エムプさん!」
ドア越しに聞こえる小さな声・・・
「ケントさんの・・・エッチ・・・」
な、なんだ?このベタなラブコメ展開は?
あー、まだ、ドキドキする。
ああ、エムプさんの裸体が・・・目をつぶると・・・
あれっ?肝心なところが、再生されない?
おかしい・・・
しっかり目に焼き付けたはずなんだが・・・
ダメだ・・・
なんだよ!なんで思い出せない!
ガキの頃、田舎のおばあちゃん家で見てしまった和式便所の尻は
今でも鮮明に甦るというのに!
朝食は、いつも俺を入れて六人で食卓を囲む。
楽しく賑やかな普段のテーブルとは違い、今日は静かだった。
いつものように元気なリリスちゃんを除いて、姉たちは黙々と食事をしていた。
顔を赤らめる長女と次女、不機嫌そうな三女・・・
スドさん(母)は、今日も優しく笑っていた。
「そう、これリリスが描いたの?上手ねぇ」
あー!スドさん!それは!食事中に見るようなものじゃありません!
娘たちの表情を見て、スドさんは微笑んだ。
「朝から色々とイベントがあったようね・・・」
母の言葉に、無言のままの姉妹たち。
「じゃあ、夜は私とイベントね、ケントくん!」
ウィンクする母を尻目に、姉たち三人は口にしていたスープを一斉に吹いた。
もちろん、お約束通りに、俺の顔へ集中砲火だ。
ハチミツプレイの後は、スープですか・・・
「ママ!」
三人が声を揃えて母を見る。
「ふふ、冗談よ。いつものみんなに戻ったわね」
「フッ・・・」
アルプさんが笑いだし、つられてみんなで笑った。
俺も笑った。
平和な異世界、ほのぼのとした日常、それらを満喫していた俺だが
その様子を、窓の外から『アイツ』が覗いていたなどとは・・・
当時の俺は知る由もなかった。
「ケッ!なに『脚本=橋〇壽賀子』みたいなノリで語っちゃてんすかね。
ケントさんは・・・
そんなんで、前半のエロ展開をゴマかせるとでも思っているんですかね?」
次話予告
禍転じて福と為す
凶の賽の目、裏なら吉よ
人間万事塞翁が馬
渡る世間に鬼は無し
鬼も悪魔も出番なし
次回「夏だ!薄着だ!べっぴんさんだ!」
第一章のタイトル変更も已む無しか・・・