1Q85阪神優勝
「はいどーも!」パチパチパチ!
「いやぁ!勝ったな!日本!」
「ええ、勝ちましたね!日本代表!」
「相手は、あのコロンビア!四年前のリベンジ!」
「まさか、南米のボンキュッボンに勝てるとは、歴史的勝利ですよね」
「確かにそうなんだけど、ボンキュッボンって・・・」
「でも南米女性のイメージはやっぱり、ボン!キュウッ!ボン!ですよね」
「そうだけど、サッカーにボンキュッボンはおかしくないかな?」
「サッカー?私が言っているのは『W杯』のことですよ、ケントさん」
「うん、サッカーワールドカップだろ?」
「だから、サッカーってなんですか?」
「またそのボケかよ、サッカーってのは、フットボールの事だよ!」
「あれ?私が言ってるのは『オッパイワールドカップ』。略して、『W杯』のことなんですけど」
「なにその『W杯』って!」
「知らないんですか?ケントさん。いくらヤンキー校出身でも無知にも程がありますよ」
「ほう、説明してもらおうじゃないか!『W杯』について」
「仕方ないですね、ボノボより知能の低いケントさんにも分かるように言うと・・・」
「もう、どんだけディスられても、がぜん興味がわいてきたわ『W杯』!」
「四年に一度行われるオッパイ好きの為のビッグイベントで・・・」
「ふんふん」
「全世界から選ばれたオッパイ自慢の女性たちによる国別対抗戦の事です」
「なに?その素敵なイベント!そんなのあんの?」
「やだな、今回でもう21回目ですよ」
「どんだけ歴史あんだよ!『W杯』!」
「毎回、南米と欧州が他の地域より強いんですけど、最近アジア勢はパッとしなかったんです」
「まぁ、欧米に比べると大きさじゃ見劣りするわな・・・やっぱ、アメリカとかが強いのかな(照)」
「ところがですね、米国は『W杯』不毛の地と呼ばれて、今回は出場できなかったんです」
「マジか!」
「やはり、不毛の地だけに、パ〇パン率の高さが原因ですかね」
「なに?その割合!てか、オッパイと下の毛関係ねーだろ!」
「で、その強い南米のコロンビアに日本が勝てたのは・・・」
「勝てたのは?」
「開始早々、コロンビアの選手がポロリして一発レッドで退場したおかげでして」
「ポロリすると反則なの?てか、そのシーン見たい!」
「もう、ケントさんたら、『童貞臭、ハンパないって!』って感じですね」
「そのフレーズ、日本のサッカーファンに怒られるぞ・・・」
「前回覇者のドイツや準優勝のアルゼンチンが不調で、今大会は混戦模様です」
「なぁなぁ、その『W杯』は何処に行けば見れるんだ?」
「ロシアですけど、観客、選手含めて男子禁制です」
「・・・『W杯』意味ねぇ・・・」
「違いますよ、ケントさん。『W杯、ハンパないって!』ですよ」
「もういいわ!」
「という事で、今日は『W杯』、覚えて帰ってくださいね」
「覚えるか!」
『W杯』は、さておき・・・
『なんだよ!2(仮)』第52部をお楽しみくださいませ。
「そう、あれは1985年の事や、史上最強のクリーンアップが巨人のエース相手にバックスクリーン三連発という離れ業をやってのけたシーズンやったなぁ・・・」
偽マダムのオッチャンの独り語りが始まってしまった・・・
ベタな【マッサージ落ち】に、俺が落胆して
つい、オッチャンに、何故こんな事件を起こしたのか聞いてしまったからだ・・・
オールバックハゲは、奴が異世界に転生した件から話し始めた。
「・・・ほいでな、二十一年ぶりの優勝や!ワイは嬉しゅうて嬉しゅうて、思わず道頓堀に飛び込んだんや!」
「で、そこで溺れた訳か・・・」
「ちゃうちゃう!ワイは泳ぎは得意や!『浪速のトビウオ』言われたくらいに、泳ぎは達者やった」
「じゃあ、なんで?」
「ワイが川から頭を出すと、白いスーツに白眼鏡、髪まで白い爺さんが道頓堀に飛び込んだんが見えたんや」
あれ?それって・・・
「でもな、待てど暮らせど、その爺さんは川から上がって来ぃひん。ワイは心配になって、も一回潜って爺さんを探しに行った」
だから、その爺さんは・・・
「ほなら、川底へ沈んでく白い爺さんが見えたんや。ワイは、必死の思いで爺さんの足を掴んだんやが、まぁ、これが重かった!」
だろうな・・・重そうだもんな、カーネルさん・・・
「爺さんを見捨てる事なんて出来ひんやん!ワイは、爺さんの足を掴んだまま水呑んで気ぃ失ってもうた・・・」
浪速のトビウオ死亡ってわけか・・・なんだかなぁ・・・
「でな、気が付いたらエライべっぴんさんが目の前に立っててな、ワイは死んだゆうねん」
女神さま?かな・・・
「そのべっぴんさんが言うには、白い爺さんは見つかったっちゅう話でな」
うん、二十年後くらいにね・・・
「ワイの死もムダにはならへんかったのなら良しとしよ思うたんや」
いやいや、なんとも悲惨な『無駄死に』だ・・・
「でな、ワイが目を醒ましたこの世界は『異世界』ちゅうてな、日本やないらしくてな」
俺も良く知らんが、どう見ても日本じゃないよね。
「その異世界に『転生』した、ワイは生まれ変わったっちゅうんや」
ふむ・・・
「でな、生まれ変わりのついでに、『能力』っちゅう力を貰てな」
チートってやつか・・・
「それが、凄い力でな、思っただけで何でも思い通りになる力やねん」
クソ・・・羨ましい・・・
「ただ、ベッピンさんが言うには、その力をくれる代わりに、ある組織を率いて欲しいっちゅうんや」
ある組織?
「まぁ、早い話、会社の社長になってくれ、みたいな話や」
宿屋の社長?
「ちゃうちゃう、あんなショボいもんやない。もっとゴツイ集団や、プロレスラーみたいのが仰山おったわ」
異世界プロレス?いや、ギルドの代表かな?
「そこでワイはふんぞり返って、奴らを顎で使うだけ。楽なもんやった。美女を侍らせて酒池肉林の毎日や、楽しかったなぁ~」
クソ、良い思いしやがって・・・俺はまだ、そんなご褒美は貰ってないぞ!
「だがな、そこは所謂ブラック企業っちゅう奴やった。毎日、命狙われてオチオチ夜も眠れんかった」
まぁ、この異世界のギルドじゃ、仕方ないか・・・
「そやから、ワイは後継者に席を譲って、そこから逃げだしてな。町外れの小さな宿屋のオヤジになったんや」
延々と話して、やっとそこかよ!
「でもな、『異世界』ゆうても、世の中そんなに甘くない。魔王さんが倒されて、冒険者はんたちが宿屋を使わなくなってもうた」
あれ?あのチート能力は、どうした?
「そんなもん、組織辞める時に後継ぎにくれてやったわ。ワイは、ただの真面目なオッサンや」
で、その真面目なオッサンが、なんで性犯罪を?
「セ、性犯罪!兄ちゃん人聞き悪いこと言わんといて~な!ワイは、数年過ごしたこの異世界に貢献しよ思うただけやがな」
女装して女子の乳を揉むことが?貢献だと!
「いやいや、あれは、ちょっとしたご褒美、役得や。ワイは、日本にあるけれども異世界には無い物を皆に与えてあげよう思ったんや」
異世界に無い物?
「ブラジャーや」
アンタか!このノーブラパラダイスに余計な物を広めたのは!
「兄ちゃん、ノーブラもエエけどな、女子の胸の形が良くなるっちゅうんは、エエ事やと思わんか?」
うん、一理あるかも・・・
「それに、脱がす楽しみも増えるやろ!」
確かに・・・まだ俺には経験ないけど、いいかも!
「で、ブラジャー売って大儲けした訳か?だったら、何故、性犯罪に走った?」
「せ、性犯罪って!そないな大仰なもんやないって!それに、大儲けなんて出来ひんかった・・・」
「なんで?この異世界でブラジャー売りまくったんじゃないの?ブラジャーの母なんでしょ?」
「それがな・・・」
オッチャンの回顧はまだまだ続くのであった・・・
てか、長すぎ!
次話予告
夕方の出来事を尋ねるとウチの奥さんは朝の出来事から話し始める。
犬の散歩から始まり、近所の奥さんたちとの会話。
子供の幼稚園の話。
昼に来た宅配業者がイケメンだった事。などなど・・・
で、話の核心は?
だから、質問の答えは?
そんな経験ありませんか?
関西のオッチャンは、女性と一緒で話好きなんです。
次回「魔法が解ける時」
恋という魔法は、いつか必ず解けてしまう。
あれだけ愛おしかった奥さんも、今は・・・




