伝説のラブホ、再び!
お詫びと訂正
前話予告にて記載したタイトルは、諸般の事情と作者の判断により変更させていただきました。
深くお詫びして訂正いたします。
「わたしは、後ろから揉みしだかれて・・・」
マダム・ラ・ブーフォンによるセクハラ事件。
元伝説のラブホの前では、その被害者たちの告白が続いていた。
「私なんか、下から持ち上げるように触られたり、鷲掴みされて・・・」
な、なんだとぉ!あのエセ関西人め!
「ケントさん、耳が夢の国の空飛ぶゾウみたいになってますけど・・・」
カレン、誤解するな。
俺は、あくまで被害に遭った女性たちを心配して・・・
きょ、興味本位で聞いてるんじゃないんだからね!
「ケントさん、声、裏返ってますけど・・・興奮しすぎですよ」
「儂なんか、胸を三つ折りにされて・・・ぽっ。」
って、リズ姫の婆や!アンタもいたんかい!
「酷いことをされたのだな、お嬢さん・・・」
「騎士様・・・」
あれ?被害者の方とカイコさんが手を取り見つめ合ってる・・・
「私が慰めてあげよう、丁度ここは元宿屋だそうじゃないか、さぁ、二人っきりで・・・」
「ああ、騎士様・・・」
おいおい、二人っきりで?慰める?いやいや、それは・・・
ざわざわざわ・・・・・
ほら、周囲の女性たちもカイジ・・・じゃなかった懐疑的になってざわついてるぞ!
「ん?皆の者、安心しろ。私も体は女だ!」
そう言ってカイコさんは胸をはだけて見せた。
おお!見事な谷間!
もう少しサービスしていただくと完全にポロリなんですが・・・
「あら、女性の騎士様だったのね」
「女同士なら安心ね」
「私も一緒に慰めて貰おうかしら」
おいおい、待て待て、どう見ても問題あるだろ!
なんだよ!このノリ?
待てよ・・・騎士に慰められるのがOKなら・・・
「伝説の勇者の俺もイケるんじゃね?とか思ってます?ケントさん」
「か、カレン!いや、俺は・・・だ、ダメかな?」
「はぁ、これだから変態の童貞は・・・そんな事ちょっとでも口走ったら、ここにいる女性たちに袋叩きにされますよ!」
え~!女同士の方が問題じゃないのか?
そうこうしているうちに、カイコさんと美人被害者のお姉さんは宿屋の中に消えていった・・・
待てよ・・・この後の展開は!
クソ~!参加できないまでも、その光景を覗きたい・・・もとい!見守りたい!
だが、そんな事を口走ればカレンが何と言うか・・・
「ケケケ、ケントさん!カイコさんをここに連れてきた私たちは、事の成り行きを見届ける義務があるんじゃないでしゅか?じゅるり・・・」
じゅるりって、興奮してよだれを垂らすんじゃない!
やっぱこの女、百合に目覚めてたか・・・
だが、初めて意見が合ったな!カレン!
俺がカレンを無言で見つめ頷くと、奴もこちらを見て頷いた。
「王室御用達の魔女っ娘として、天才カレン様がこのセクハラ事件を解決しますよ!(棒)」
「おう!伝説の勇者の俺も全面的に協力するぞぉ!(棒)」
「まずは、現場検証ですね!ケントさん!(棒)」
「おう!事件は現場で起きている!(棒)」
アドリブではあるが、棒読みの台詞と共に俺とカレンは思い出のラブホへ突入した。
宿屋の中は、以前訪れた時とほぼ同じだった。
「はぁ、はぁ、カイコさんたち、どの部屋に入ったんですかね」
異常に興奮しているカレン。
目がウルウルしてて、顔が紅潮している・・・肩や腕、足までも、露出している部分の白い肌が赤みがかって・・・やばっ、超エロい!
思春期の童貞には刺激的すぎる光景だ。
なんか、こっちまで興奮してきた・・・
無防備な後ろ姿にタッ・・・じゃなかった、抱きつきてぇ!
だが、この女には魔女の呪いが・・・
エッチぃ事をしたら、カエルにされてしまう・・・
なにか手はないものか・・・
ん?百合?なぜカレンは、そっち方面に・・・
はっ!もしかして女なら魔女の呪いも効かないのでは?
そうだ、アルプさんだってカレンの乳揉みまくってたし・・・
いや、あれは彼女がサキュバスだったから?
だがしかし、試してみる価値はあるんじゃないか?
「カレン!」
「なんですか?ケントさん」
振り向いた魔女っ娘の潤んだ眼差しが超エロい!
「俺を・・・」
「?」
「俺を、女にしてくれ!」
「はぁ?」
俺の素っ頓狂な一言で、カレンのエロかった表情は、あの蔑み顔になってしまった。
「魔法で俺を女に変えてくれ!」
「・・・女になってどうするんですか?」
俺は男らしく、正直に自分の考えをカレンに伝えた。
「変態も極めるとそこまでイっちゃいますか・・・」
大きな溜息と共に、カレンの蔑み顔が可哀想な人を見るような表情に変わった。
そして、奴は淡々とバカな子供に説明するように俺に話し始めた。
「ケントさん、性転換できる魔法なんてありません。仮にあったとしても、魔女っ娘クラスでは使えませんよ。それから、私は百合には目覚めてませんし、呪いは女子にも有効だと思います。あと、いくらケントさんが女の子になっても、エッチぃ事するつもりはありません」
そうなのか・・・
「てか、男としてのプライドとか、とっくにドブに捨てちゃいましたか?人としての尊厳とか、どうでも良くなっちゃいましたか?オスとしての本能まで不能になっちゃいましたか?」
違う!お前があまりにもエロいから・・・
ああ、確かに本末転倒というか、何を考えていたんだ俺は!
「スミマセン、忘れてください・・・」
「男らしくないですね、てか、男の風上にも置けないようなクズのセリフですね・・・」
ここは、異世界に復活した伝説のラブホ。
男女の心を惑わすダンジョン。
思春期の童貞には、敷居が高かったのかもしれない・・・
次話予告
男の資質、その一つは『潔さ』であろう。
潔く簡潔に説明し謝罪する。
男として、大人として、人として大事な事だ。
未成年ではあるが、本作の主人公には父親も保護者会もいない。
監督やコーチの指示もない。
下がりに下がった主人公株の不死鳥的復活はあるのだろうか?
次回「薄い頭と薄い壁」
ええ、危険を冒してまで時事ネタにタックルするのは、もう止めようと思います。




