ブラジャー事変Q
「勇者か・・・また、妾を呼び覚ますつもりか?」
アホ魔女っ娘の無駄にデカい帽子を頭からすっぽりと被ったリリスちゃんがそう言った。
だが、それは幼女のものではなく、大人の女の声だった。
「え?・・・リリスちゃん?・・・」
「ひぃいいいいいいいっ!」
カレンは物凄い勢いで後ずさりして、また出窓の桟へ飛び乗った。
ヤツほどビビっちゃいないが、俺も悪魔リリスの声を聴いて少しゾクッとした。
「ど、どういうことだ?リリスちゃん・・・いや、リリス・・・」
「妾は闇に棲む者。
闇こそ妾の統べる世。
光が鎖されれば妾は目を醒ます」
「魔女っ娘の帽子で暗くなったから、悪魔の本性が出たと?」
「さて?理屈など解らん。目覚めたばかりなのでな・・・」
「う~ん・・・おい、カレン、この帽子になんか仕掛けでもあるのか?」
「さささ、さぁ?・・・ひ、光っていえば、それ、UVカット素材ですけど・・・」
いや、それは関係ないと思うが・・・
「ああああ、あと、MPを上げる効果が、ああああ、ありますけど・・・」
ビビりすぎだぞ、カレン。
MPか・・・
「じゃあ、こうしたらどうなる?」
俺は、幼女から帽子を取り上げてみた・・・
「あーびっくりした。急に真っ暗になるんだもん」
「あの・・・リリスちゃん?」
「なぁに?変態のお兄ちゃん?」
やっぱ、戻った・・・
「あれ?無駄に大きいオッパイのお姉ちゃんは?」
「アホの魔女っ子は、あそこだよ」
「・・・また、窓のとこにいる・・・無駄乳のお姉ちゃんは、窓が好きなの?」
「無駄乳ですって!・・・恐ろしい娘!」
なるほど、MP云々が関係しているかは分からんが、やはり・・・
「おい、カレン、やっぱ、お前の帽子が原因みたいだぞ」
「じゃあ、それを被せなければ、大丈夫ってことですか?」
「ああ、今のリリスちゃんは、まぎれもなく十歳の女の子だ」
「私が天才過ぎて、魔力が強すぎたせいですかね?
魔導具でもある帽子がそんな力を持っちゃうなんて・・・
才能がありすぎるのも考えものですね、やれやれ・・・」
出窓から降りて、こちらへ近づいてくるカレン。
しかし、自信過剰というか、自己評価高すぎというか・・・
なんかムカつく・・・
えいっ。
俺は再び、帽子をリリスちゃんに被せた。
「なんじゃ?小僧・・・」
「ひぃいいいいいいいっ!」
悪魔リリスの声にビビりまくる魔女っ娘は、また出窓の桟に駆け上る。
「な、な、ナニやってるんですか!ケントさん!」
「ああ、ワルイワルイ、手が滑った」
「ウソつけ!」
なに、お前のビビる姿が滑稽で、見ていてスカッとするんでな・・・
そして、なにより、そのビビったポーズが、エロい!
「・・・小僧、何の真似じゃ?」
「あ、スミマセン、リリス様。その素敵なお声が聞きたくて・・・つい・・・」
「ふん、下らぬ」
「それで、その・・・」
「なんじゃ?妾は眠りたいのじゃ。用が有るのなら早う申せ」
「いえ、その・・・もっと、全身をすっぽり覆っちゃったりすれば、お姿も拝見できるんですかね?」
「姿じゃと?」
「あの、大人のリリス様の姿が見たいなぁ、なんて・・・あ、蛇とかは要らないんで」
「妾は、この幼女の体が気に入っておる」
「ですよねー」
うむ、どうしたものか・・・
ここは、一旦、引いとくか・・・
「ああ、ビックリした。また、真っ暗になっちゃうんだもん」
帽子を脱がすと、また幼女に戻るリリスちゃん。
「ちょっと、ケントさん。まさか、悪魔相手にまでイヤラシイ事考えてます?」
「いや、俺は別に・・・」
「いくら、脳内が『エロ100%』なケントさんでも、悪魔復活の危険性ぐらい分かりますよね!」
カレンが窓の桟から降りてくる・・・
なんだ?スカートの裾を気にして・・・
ミニスカの後ろを押さえながら階段上っている女みたいでムカつくなぁ・・・
別に、覗かねーよ!あ、いや、自然に目が行っちゃうけど・・・
「まったく、ケントさんのエロ加減は、世界を滅ぼしかねないですね。
変態は異世界を救わないどころか、危険に晒す気ですか?
地球に優しいエコじゃなくて、地球に危ないエロですね」
くっ・・・久々のせいか、このアホビッチの罵倒が心に刺さるな・・・
てか、チラリ度削減もあわせて、なんかイラっとする・・・
「えいっ。」
「おい、小僧、ふざけておるのか・・・」
「ひぃいいいいいいいっ!」
「あ、スミマセン。ちょっとあのアホ天使がムカついたもので・・・つい・・・」
「天使だと?・・・道理で先程から臭い匂いが漂って居る訳じゃ。あの、子供の悪戯のような結界も其奴の仕業か?」
「カレン、お前、臭いって」
「ちょっと、ケントさん、遊んでないで早く帽子を!」
そうだな・・・悪魔様は機嫌が悪そうだし・・・
「リリス様、失礼しま~す」
と、俺はまた帽子を脱がしたんだが・・・
「幼女の体を玩ぶとは、不届きな奴らじゃ・・・」
その表現は、色々と誤解を招きそうな・・・って、あれ?
帽子を取ったのに、声が悪魔のまんまなんですけど・・・
「ややや、『奴ら』って、私も入ってるんですか?」
私もって、リリスちゃんに酷い目遭わせたのは、お前だろ、カレン!
「あの、リリス様、もう、お休みになって結構なんですが・・・」
「こう、度々起こされては、おちおち寝れぬ・・・」
あれっ?悪魔様、ご機嫌斜め?
これ、ヤバいかも・・・どうしよ・・・
「け、ケントさん、もう一度帽子を被せてみたら・・・」
うん、なるほど・・・えいっ。
「小僧・・・一つ教えてやろう・・・」
「はい・・・なんでしょうか?・・・」
「妾は、寝起きが悪いのじゃ・・・」
「は、はい!・・・」
「そして、今・・・最悪の気分じゃ!」
悪魔リリスがそう言うと、カレンの帽子が砕け散った。
そして、辺り一面、邪悪な波動で消し飛んだ・・・
次話予告
悪魔復活。
魔王とブラは何処へ行った?
そういえば、本作の魔王は美少女という設定ではなかったか・・・
うむ、次回でブラを装着した魔王が登場するのか?
次回「とある執事の禁書目録」
あれ?ブラ事変編終わり?
というか、ぶち殺されそうなタイトルだな・・・




