コスプレ大会後半戦からの・・・
前回のあらすじ・・・
認識世界?とやらで過去を振り返る事になった俺=伝説の勇者ケント。
思い描いたものを何でも具現化できる夢のような世界で、思春期男子のリビドーは暴走する。
サキュバス三姉妹の復活を手始めに、己が欲望のまま彼女たちにエロいコスプレを強要、その蛮行は更にエスカレートしてゆく・・・
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
カレンがドン引き顔で俺をなじる。
「ちょっと!ケントさん、スマホが一眼レフに代わってますけど!普段ろくに人と話さないくせに、撮影会で嬉々としてグラドルにポーズの指示を出しまくるカメラ小僧ですか?あなたは!」
ふっ・・・なんとでも言え、この夢世界では、俺はまさに神だ!
さて、今度は・・・
うん、スク水もいいなぁ・・・
俺は念じる・・・美人三姉妹とカレンのスクール水着姿を・・・
「今度はなんだ?下着?じゃないな・・・」
うん!いいよ!アルプさん!
「でも、ちょっと体のラインが・・・やっぱり、恥ずかしいです!」
おお!エムプさん!その恥じらいがたまりません!
「そうかな?地味だけど、なんかカワイくてスクプは好きかな・・・」
ストライーク!スクプちゃん!どストライークっ!
「まったく、胸にひらがなの名前付きのスク水って・・・どんだけステレオタイプの変態なんですか、ケントさんは!」
カレンのクレームにも馬耳東風で一眼を連写しまくる俺。
「うわぁ・・・病んでますね・・・もう、ケントさんのエロエロ病はどんな名医でもスプーン投げちゃいますね・・・」
カレン、スク水が不健全だというのか?
ならば、めっちゃ健康的に・・・
今度はビキニだ!
刮目した俺の前には、美女だらけのアイドル水泳大会的な光景が!
ああ、素晴らしきかな、俺の認識世界!
最高です!みんなのビキニ姿!
「ちょっとケントさん!一眼レフカメラでもドン引きなのに・・・
8K対応のビデオカメラって、変態にも程がありますよ!」
うるせー!カレン、このカメラは俺が美しいモノたちへ向ける愛の象徴!
カメラは俺の魂だ!
水着程度でガタガタ言うなら・・・
究極の男のロマンを!俺の願望を具現化だ!
「ひぃぃぃ!ちょっと!ケントさん!これは18禁に引っかかちゃいますよ!
裸エプロンだなんて!!!」
「いや~ん!ケントさん・・・さすがにこの格好は・・・」
「うん、悪趣味だな。全裸でエプロンとか、いくらボクでも引いちゃうな・・・」
「もう!ケントの変態!スクプの中でケント株大暴落なんだから!」
あれっ?
全員でドン引きって・・・
カレンはともかく、なんで俺の夢の中でエムプさんたちまでドン引きなの?
「夢?ケントさん、ひょっとして、明晰夢か何かと勘違いしてませんか?」
めいせきむ?・・・何それ?
「もう、ケントったらそんな事も知らないの?」
「明晰夢ってゆうのは、夢だと自覚してみている夢のことさ」
「なんでも思い通りになる夢なんです、ケントさん」
いや、だから、今の俺は・・・そんな状況だよね・・・
「ケントさん!これは、夢でもなんでもなくて現実なんですよ!」
現実?これが?
何言ってんだカレン、これが現実なわけないじゃないか。
「現実ですよ!具現化した私やサキュバスたちがしっかりとした自我を持っているじゃないですか?ケントさんのド変態な行為にドン引きしているのが何よりもの証拠です!」
う~ん・・・夢じゃないのか?
「そうです。だから、もしケントさんがドラゴンとか具現化させたら、普通にドラゴンに食べられちゃいますからね。そういう世界なんですよ!」
ドラゴンだと?この世界が現実だとしたら、そんなものは存在しないよな・・・
ははぁん、そうか・・・カレン
なんだかんだ言って、また夢の中で俺のエロい夢を邪魔する気だな・・・
「ふははは!カレン、貴様の企みはお見通しだ!そんなウソに騙されるケント様ではないわ!」
「なんかセリフがパチモンのダークヒーローみたいになってますけど・・・
さすがヤンキー校出身で自分の名前も書けないケントさん・・・ここまで愚かだとは・・・」
「ケントって頭悪すぎ・・・」
「ケントさんが、こんなにおバカさんだったなんて・・・」
「ボクは前から薄々そうじゃないかと思ってたけど・・・」
「なんとでもほざけ!女ども!いくらディスられようとも、ここは俺の夢の世界、やりたい放題のエロティックワールドだ!なんなら、そのエプロンも消したっていいんだぜ!」
「ひぃいいいい!」
女子全員が顔を青ざめるほどの超ドン引き・・・
あれ?ちょっとマズいかな・・・
「あ・・・いや、今のは冗談、ウソウソ。紳士な俺がそんな事するわけないじゃん」
冷めきった場の空気を笑顔で取り繕うとしたのだが
天使も悪魔も呉越同舟で身を寄せ合って怯えている・・・
「ホンっト、スンマセン!ちょっと調子に乗りすぎました!だから、みんな機嫌直して楽しくやろうよぉ~」
頭を下げる俺に、カレンが震える声を搾り出した。
「ケ、ケントさん、後ろ・・・」
ん?なんだ?・・・
俺が振り向くと、そこには巨大なドラゴンがこちらを睨んでいた・・・
次話予告
拙話を重ねる事三十余り、前作も含めると六十話超にして
ファンタジー定番のドラゴンがようやく登場。
敵か?味方か?
読者ドン引きのエロ展開を打破する救世主となるのか?
次回「にーべるんぐ」
新キャラ登場?で、また物語は迷走する・・・
『完結編』が完結するまで、あと何話かかるんだ?




