Xの事情
前回のあらすじ・・・
異世界に転生した元高校生、榊原健人こと勇者ケントと
天界の元四級天使であった魔女っ娘カレンは、二人の冒険譚が完結を見ぬまま放置されていることに気付き衝撃を受ける。
そして、彼らは駄作者の代わりに物語を綴ろうと決意するのだが・・・
「あの・・・ケントさん・・・」
「なんだ?」
「わたし【あらすじ】で『元』天使になってるんですけど・・・・」
「なんか不満か?」
「いやいやいや、わたし現役バリバリの天使ですから」
「あれっ?前回、天界から追放されたじゃん」
「な、なにを言っているんですかぁ~やだなぁ~あれは、キツイ冗談ですよ」
「そうか?俺には本気な通知に見えたが・・・」
「ジョークです、ジョーク、天界ジョークですよ」
「その割にはお前マジでビビって、慌てて天界に戻って行ったじゃないか」
「ええ、大変だったんですよ。いろいろ・・・根回しとか、お金で解決できるところはそれなりの出費をして・・・」
カレンは笑顔だったが、目は笑っていなかった。
天界・・・ですよね・・・大人の事情が絡むところは下界と何ら変わりないじゃないか・・・
「とにかく、もう『XX』なんて絶対口にしませんから」
「おい、伏字になっているけど、その『XX』って悪魔の事だろ」
「やめてください!『XX』なんて言うのは!汚らわしい!」
「う~ん・・・そこは『悪魔なんて汚らわしい』って言ってみ」
「XXなんて汚らわしい!」
「ふむふむ・・・」
「あの・・・なんなんですか?ケントさん」
「じゃあ今度は『悪魔なんて口に出さないで』だ」
「はぁ?」
「いいから言ってみて」
「・・・えっと、XXなんて口に出さないで!・・・って、何のプレイですか?これ」
「う~ん・・・『口で』の方がいいかな・・・」
「ちょっと、やっぱりHな事考えてますね、ケントさん!」
「いやぁ、お前のセリフが伏字に自動翻訳されるのが面白くてね」
「最悪な性格がこの二か月でさらに悪化しましたね」
「よし、覚えたての魔法陣で悪魔を沢山呼んじゃおうかな」
「召喚したら全員ぶち殺す!」
「いやぁ、そこは『ダメ!そんなにいっぱいXX出しちゃダメ!』でしょ」
「どうやらケントさんの変態レベルは99までイっちゃったみたいですね」
「あはは、でも、なんで伏字にするとヤラシク聞こえるんだろう」
「そんなに伏字プレイがお好きなら、付き合ってあげますよ・・・」
おい・・・カレン・・・マジで怒った?
な、なんだ?その杖の先に浮かび上がってる魔法陣は・・・
「でも、その前に・・・まずは自分が伏せた方が気持ちいいかもしれませんよ!」
「ぎゃーっ!」
俺はカレンの魔法で地面に押し付けられた。
「わ、ゴメン!カレン!悪かった!」
「さぁ、どんな伏字で責められたいのかしら?このXXのXX野郎!」
「ひぃ~マジで文字にできねー!」
「あら、随分と喜んでいるようね、XXなXXのくせに!」
「カレン!お前キャラ変わっているぞ!」
「なぁに?踏んで欲しいの?本当にXXなXXXね!」
「ぎゃー!」
本気で背中踏みやがった!
「か、カレン・・・ブーツのかかとが・・・」
「あら、かかとで何処を踏んで欲しいの?このXXX男!」
痛い!カレン!俺にはこんなプレイは理解できん!まだ早いぞ!きっと!
「ほら、言いなさい。何処を踏んで欲しいんだい!ド変態XXめ!」
「わかった!降参だ!だから、一旦ストップ!」
「ああ、でもなんかイイ感じ、これからこのキャラで行こうかしら・・・」
痛い!イタイぞ!カレン!そのキャラはイタイ!
「まぁ、今日はこの辺にしときましょうか・・・」
やっと魔女っ娘の魔法から俺は解放された。
「それにしても、男の子を足げにするって、意外に爽快なんですね~」
「そうか・・・そんなに気持ちよかったか・・・」
「あははは・・・あれっ?ケントさんマジで怒っちゃいました?・・・」
「いや、そんなに俺を踏みたいなら、真正面から受けてやろう!」
「はぁ?って・・・ちょっと、なに仰向けに寝てるんですか?ケントさん・・・」
「よし、来い!さぁ、俺を踏め!」
「・・・」
「どうした?踏んでいいぞ!」
「いや、それって・・・パンツ覗く気満々でしょ・・・」
「・・・」
「それか、Mに目覚めちゃいました?」
「・・・」
「まさか、その両方?いやいや、いずれにしてもキャラ変わり過ぎじゃね?」
「・・・」
「もしもーし、ケントさん・・・」
「・・・あ・・・いや・・・その・・・」
「はい?」
「・・・忘れてくれ・・・」
嗚呼、そして今日もまた物語が綴られる事はなかった・・・つづく!
次話予告
おいおい、連載再開したのは良いけれど・・・
また、話が進まないどころか
キャラとか設定が崩壊してないか?
いや、一番心配なのは次話投稿がいつになるかだ!
次回「あ・ら・す・じ」
運が良ければ次話読めるかも・・・




