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なんだよ!2(仮)  作者: 剛田豪
第一章 悪魔の館編
2/68

お兄ちゃんは、ロリコンじゃないよぉ

え~、いよいよ本編です。

プロローグは忘れてください。

ここから、です。

笑えます。今度はきっと、笑えるはず・・・

 俺の名は、ケント。

 日本にいた頃は、榊原さかきばら健人けんとという名前の、ごくフツーの高校生だった。

 それが、ひと月ほど前、気が付くと『この世界』にいた。

 『転生』したらしい・・・


「転移じゃなくて『転生』ってことは、やっぱ、一度死んだってことじゃないですかね」

 俺に惚れていた女の言葉だ。

 魔術師ウィザードの姿を借りた『天使』らしい。

 今は、もう天界とやらに帰って、『この世界』にはいない。

 まぁ、そこそこ可愛いかった。

 俺に抱かれたがっていたが、俺はそんなに軽くない。

 裸で俺に抱きついてきたが、軽くあしらってやったさ。

 そう、俺は真の愛に生きる男。

 目先のエッチに釣られるような・・・


「なにブツブツ言ってるの?ケントお兄ちゃん・・・

 顔がいつも以上にキモイよ。頭の中に虫でも湧いたの?

 ただでさえ少ない脳みそを食べられちゃったの?」

 辛辣なツッコミを入れるあどけない声・・・

 リリスちゃんという可愛い少女だ。


「お兄ちゃんは大丈夫だよぉ。虫も湧いてないしぃ、脳みそもあるよぉ」

「良かった。やっぱり、『変態さん』は強いんだね!『伝説の変態さん』は虫になんか負けないんだね」

「ははは、リリスちゃん、お兄ちゃんは『変態さん』じゃないよぉ。そろそろ、覚えようねぇ」

「うん、わかった。『元変態勇者』のケントお兄ちゃん!」

 ああ、可愛い・・・


 言っておくが、俺はロリコンではない。

 十歳の少女に欲情を催すような変態ではない!

 語尾にちっちゃい『ぉ』とか『ぇ』が付くのもキャラチェンジした訳ではなく、

 リリスちゃんが可愛いからだ。

 もう一度、言っておく、俺はロリコンじゃない。


 俺は伝説の勇者だ。

 ある日、突然この『異世界』に呼ばれ魔王討伐の命を受けた。

 と思ったら、その日のうちにクエスト終了。

 いや、俺じゃないです。

 魔王倒したのは、『選抜騎士団』の皆さんです。

 いえ、学ランに金髪リーゼントの人たちでもないです。

 いい加減に、ノーベル文学賞を差し上げたいビッグネームの新作小説とも関係ありません。ラーラーラララ!

 

 で、ミッション・インコンプリートの俺は、『元勇者』という肩書でこの地に暮らす事となった。

 俺に残されたものは、伝説の勇者の鎧と聖剣、そして、『変態』という汚名だ。

 王都の城で全裸になった事が『変態』と呼ばれるきっかけなのだが・・・

 それを街中に広めた不届き者がいる・・・


 わずかな持ち金も底を付き、途方に暮れている俺に声を掛けてくれたのが、この美少女。

 リリスちゃんだ。

 そう、あれは一週間ほど前・・・


――以下、主人公回想――


「お兄ちゃんは伝説の勇者なの?」

「う、うん、まぁそう呼ばれていた事も、あるような・・・」

「じゃぁ、強いんだね」

「いやぁ、どうだろう・・・戦った事無いんだけど・・・」

「強くて、エロくて、頭空っぽの『変態さん』なんだね!」


 ちょちょ、ちょっと待て。

 ビッチ魔術師ウィザードの雑言ならわかるが

 こんなチビッ子から出る言葉じゃないだろう!

 大丈夫か?異世界の教育事情!


「ははは、お兄ちゃんは『変態』じゃないよぉ。誰が言ってたのかなぁ?そんな事ぉ」

「ママ!それとお店のお客さん!」

 この子のママなら、おそらくかなりの美人だろう。

 だが、今、重要なのはそこじゃない・・・


「なんか、街中のみんながそう言ってるって」

「ま、街中!」

 どうなっている?このひと月で俺の身に何があった?

「なんか、お城の人が手帳を読んでたってママが言ってた」

「手帳?」

「髪の毛がこんな人だって」

 少女がツインテールの髪を七対三に分けて見せた。

「また、アイツか!あの、クソ給仕!」


「あのね、リリスね、『変態さん』のお兄ちゃんにお願いがあるの・・・」

 だから、お兄ちゃんは変態じゃないよぉ。

 てか、『変態』への願い事って、なんだ?

 

 リリスちゃんの『お願い』とは、彼女の母親が営んでいる宿屋兼居酒屋の『用心棒』になって欲しいとの事だった。

 聞けば、リリスちゃん一家は家族全員女なので、

「ママがね、いっつも心配してるの」だそうだ。

 確かに、荒くれ者が闊歩するこの中世風異世界、女手一つで商売するのは大変だろう。

「誰かTUEEEE!男の人がいたらなって・・・」

 その『TUEEEE!』は、こちらでは標準語なのか?


 何にしても、所持金ゼロの俺にとっては渡りに船だ。

 リリスちゃんのママが、俺を雇ってくれるかはわからないが、

 どうせ行く当てもないホームレス勇者・・・

 行ってみる価値はある。


「やったー!頭空っぽのお兄ちゃん大好き!」

 いや、お兄ちゃんの頭は、夢詰め込めるほど空っぽじゃないゼット!

「早く、早く行こ!『ド変態ガエル』のお兄ちゃん!」

 あの七三野郎!

 あの手帳には、一体何が書いてある!

 どこまで俺の悪評を広めてやがるんだ!

 至近距離から、分け目にドドンパ!ぶち込んでやる!

 リリスちゃんに手を引かれ、俺は宿屋へと向かった。



 で、

 俺は、今、リリスちゃんの家で、住み込みで働いている。

 宿屋兼居酒屋の用心棒バーテンダー・・・まぁ、雑用係だ。

 バイト経験もカクテルを作った事も無かったが、そこそこ上手くやっている。

 給料は微々たるものだが、三食部屋付きで、俺は大満足だ。

 そして、何より・・・

 美人ママと美人四姉妹に囲まれた暮らし・・・

 オッス!おら、ケント!異世界って、すげぇいいぞ!


「えっと、『お兄ちゃんは、また、ブツブツいいながらヨダレをたらして笑ってた』・・と」

「あれぇ?リリスちゃんはぁ、何を書いているのかなぁ?」

 宿屋の末娘、美少女ツインテールが持つ手帳には、こう書かれていた・・・

『リリスの変態観察日記』 



次話予告

 住めば都と人は言う。

 コンビニ、スマホ、電気もガスも何も無い・・・

 エッチな雑誌もDVDも、ようつべエロも見れません

 トイレは『ぼっとん』、服はコットン100%

 こじゃれたTシャツ、おしゃれな服もありゃしない

 ・・・そんな世界。

 ブラジャーのない世界。

 いいじゃないか、ノーブラ異世界!


次回「異世界万歳!」

       ご期待ください。


 あ~、やな予感するわ~、予告ですでに、ドン引だもの~



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ここが原点!
【PART1】


異世界転生ってなんだよ!
~ゲームやらないアニメ見ないラノベ読まない男子高校生って変ですか?

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こちらもぜひ!
ヨロシクお願い致します。

part1 第21部
『明るい家族計画』
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