活動限界です!
痛かったけれど、兜装着で『伝説の勇者の鎧』が完成した。たぶん・・・
てか、鎧装着するたび、毎回頭にドローンを突き刺さなきゃいけないの?
「なんか・・・アイ〇ンマンとウル〇ラセブンとシ〇バー仮面を
少しずつパクったビジュアルですね・・・さすが、パクリ王ケントさん!」
誰がパクリ王だ!誰が!
「それにしても、お二人共どうしてあの鎧に詳しいんですか?」
「ん?お嬢さん、君はアルカンタ人ではないのか?」
「え、ええ・・・まぁ・・・」
「あの鎧は、アルカンタの子供たちの憧れの的なのだ」
「そ、そうなんですか!」
「子供たちは皆『伝説の勇者の鎧大百科』という絵本を読み、『デンプラ』遊びに夢中になる」
「で、でんぷら?」
「ああ、あの鎧を模した玩具だ」
「まぁ、あたしは『ブツリちゃん人形』の方が好きだったけど・・・」
「ぶ、ブツリちゃん人形?白髪のくしゃくしゃ頭で、ベロでも出しているんですか?」
「違うわよ!女の子に大人気!金髪九頭身のボンキュッボンなお人形よ!」
「まさか、鎧の実物をこの目で見る事が出来るとは・・・」
「確かに、超レアGETした気分ね、ウフッ」
「そ、そうですか・・・城の倉庫で埃かぶってたのに・・・」
ここで、作者の腕足らずを補足しておくが・・・
『デンプラ』の説明をしたのは、美女騎士で
『ブツリちゃん人形』が好きだったのは、全裸のイケメンの方
描写足らずの質問とツッコミは、もちろんアホの魔女っ娘だ。
「あれ?ケントさんの様子がおかしいですよ!」
「ん?」
「あら?」
――ブーッ!ブーッ!警告、生体エネルギーの低下を感知しました――
え?何?峰不〇子的口調が機械的な音声に変わったぞ?
――ブーッ!ブーッ!生体エネルギーの低下を感知――
あれっ?また、鎧が重く・・・
――予測される原因・・・
1.アンビリカブルケーブル断線!
2.昨夜頑張りすぎちゃった
3.単なる夏バテ
・・・トラブルシューティングしますか?――
1番だけ声が違うぞ!
てか、どんな予測だ!
もう、『Yes』だ!トラブルシューティングだ!
「生体エネルギーが低下しているのだろう・・・あれだけサキュバスに精気を吸われたんだ、無理もない」
「あんなにチューチュー吸われて、生きてる方が不思議よ。彼、超絶倫なのかしら?」
「ああ!ケントさんが両手両膝ついちゃいましたよ!」
って、おい!なんだ!この挿絵?
こんなもの載せるためにわざわざ『みてみん』に登録したのか?このアホ作者!
『みてみん』なめんなよ!
――ピロリン!ピロリン!トラブルシューティング終了・・・解決策『寝る』――
は、はぁ?
――トラブルは解決しましたか?Yes /もう一度トラブルシューティングを行う――
解決するかー!
もう一度、もう一回だ!
――ピロリン!ピロリン!トラブルシューティング終了・・・――
で?
――解決策は見つかりませんでした――
おい!どーすんだよ!
――活動限界まで、あと60秒・・・――
くそ、何か方法は・・・
俺は視界に広がる幾つものウインドウを見回した。
ん?『透視』ってなんだ?
「隠れている敵や、敵の隠し持っている武器を見つける機能よ」
あれ?不ぅ~〇子ちゃ~んが戻って来た・・・
「敵を丸裸にしちゃうエッチな機能なの。ウフッ」
・・・てことは・・・
俺は迷いもなく、早速『透視』を試すことにした。
「それじゃあ、『透視』開始ね、いっぱい楽しんじゃって!」
視界に横線が入り、上下にスクロールする。
その線が、通過するたびに景色や物体がうっすらと消えてゆく。
おお!女騎士の葉っぱが!
カレンの隠れている茂みが!
どんどん薄れて・・・キターっ!
「仕方ないわね、あたしのエナジー、少し分けてあげるわ」
四つん這いになっている俺の眼前に、全裸のイケメン騎士が立っていた。
視野いっぱいに野郎の下半身・・・
うっ!
ウゥ~ン・・・鎧が停止する音が悲しく響く・・・
プツン!
テレビのスイッチが切れたように、俺の目の前が真っ暗になり
抑揚の無い声が聞こえた。
――活動限界です――
次話予告
誰もが知っている超人気の『あの少年誌』も創刊して半世紀を迎えた。
だが、『集A社』の筆頭株主が『小G館』であることを知る人は少ない。
引き合いに出すのもおこがましいが
本作の第一章がいつ終わるかなど、作者ですら知らない。
五十年という年月を考えれば、一週間や一か月など九牛の一毛であろう。
次回「セイントってなんだよ!」
ホントに、しっかりセイヤ!この駄作者!