黒と白の騎士
おことわり
今回、ほんの少しだけ、グロいシーンの描写があります。
苦手な方は、スルーしてください。
一話ぐらい飛ばしても、この内容ですから、問題ありません。きっと・・・
「無事か?少年!」
黒い鎧の人物は、エムプさんの首を刎ねてそう言った。
兜で顔は見えないが、女の声だった。
床にゴロゴロと転がるキレイなお姉さんの頭部・・・
「スド!早く私を復活させろ!」
ひゃー!生首が喋った!!!
「仕方ない・・・世の闇に住まう邪悪なる神々よ・・・」
スドさんが裸のまま俺の横で立ち上がり両手を上げる・・・
ふわぁ~至近距離で見る女性のおっぱ・・・
シャン!!!
金属音と共に縦に走る閃光。
スドさんが真っ二つ!
「ひ、ひやぁーーーっ!」
悲鳴を上げる俺。
「き、貴様・・・この剣は・・・」
体の左半分が床に倒れながらも、右半身で正面の白い鎧の男を睨みつけるスドさん。
「光の剣よ」
金髪の男がそう言ってウィンクした。かなりのイケメンだった。
その細いが美しい剣で男が十字を切ると、スドさんの体が光輝いて消えていった。
「お、おい!スド!なにをやって・・・」
叫ぶエムプさんの生首に近寄る黒の鎧。
「や、やめろ!」
黒の鎧の女は、無言でキレイなお姉さんの頭を踏み潰した。
おいおい、グロすぎだろ!
俺は今、目がかすんで、いまいちよく見えないからいいけど
ちょっとエッチなグダグダコメディ読みに来た人や
夏休みのチビッ子には見せられないぞ!
「残るはコイツか・・・」
「あら、ちょっと素敵なインキュバスちゃんじゃない?」
言っておくが、最初のセリフは黒鎧の女。で、その後のお姉言葉は、白鎧のイケメンが発した言葉だ。
「フッ、ボクを甘く見ない方がいいよ・・・」
息の荒いカレンを床に放り投げ、アルプさんは両の手をかざした。
「ボクは両刀なんでね!」
アルプさんの手から出るピンク色のオーラ。
「ほら!二人ともエロい気分になっちゃいなよ!」
アルプさんのオーラが二人を襲う。
だが、黒鎧の女は平然と剣を上に構えてから、力強く振り下ろした。
「うっ!」
ああ、アルプさんまで真っ二つに・・・
「残念でした。あたし達ちょっと人とは違うのよねぇ」
白鎧の男が笑って剣で十字を切る。
「な、なにぃ!」
光に包まれ消えてゆくアルプさん・・・
ああ、なんかもったいない!
「大丈夫ですか?お嬢さん」
黒鎧の女が、床でヘタっているカレンに声を掛ける。
兜の顔を覆う部分、バイザーだったかな・・・
とにかく、それを上げて横たわるカレンを抱きかかえた。
横顔がちらっとしか見えないが、うん、中々の美人だ。
「あ、ありがとう・・・あなたたちは?」
まだ、虚ろな表情のカレンの言葉に黒鎧の美人が答える。
「私の名はカイコ。あっちはアベオだ。南の都の騎士だ」
「騎士・・・さま・・・」
「ああ、そんな事より、ここは危ない。直焼け落ちるぞ、今すぐ出よう」
「は、はい、騎士さまぁん」
あれ?カレン、その人女だけど・・・目がウルウルしてるぞ
あれ?目覚めちゃったかな?百合の方に・・・
燃えさかる火の中、俺たちは部屋を出た。
階段を下りて、出口に向かう廊下はすでに火の海だった。
「仕方ない!こっちだ!」
俺は、居酒屋の方へ皆を誘導した時、大事な事に気付いた。
「あっ!リリスちゃん!」
カレンをお姫様抱っこした黒鎧のお姉さんが、立ち止まる俺に声を掛けた。
「どうした!少年!」
「子供が!小さな女の子が、まだ・・・」
「大丈夫。リリスならここにいるよ・・・」
居酒屋に響くリリスちゃんの声・・・
「リリスちゃん!どこだ!」
声だけで姿が見えない!
「ここだよ、お兄ちゃん・・・」
「どこだ!どこにいる!リリスちゃん!」
壁の鏡が割れ、その周りが爆風と共にふっ飛んだ。
そして、リリスちゃんはその中心にいた・・・
「なんで?・・・なんで家族を殺したの?お兄ちゃん!」
次話予告
笑いもエロも無く、ただグロいだけになってしまった本作・・・
次話で軌道修正できるのだろうか?
第一章もいよいよクライマックス。
笑いとエロの第二章に期待だ!
次回「リリスの夢」
ってことは、当分エロネタ無し?