サキュバスってなんだよ!
「いや、その・・・サキュバスって・・・何?」
「サキュバスっていうのは、淫夢を見せる悪魔です!」
「悪魔?」
いまいち、キョトンの俺にエムプさんが言う。
「ケントさん、教えてあげます。これが・・・サキュバスよ!」
エムプさんの顔が変わった!
口には、二本の牙が長々と迫り出し、鋭く尖がった耳が長い髪を掻き分け
猫のような細い瞳孔の瞳は金色に輝いていた・・・
「ギャ、ギャー!!!コワイよ!助けて!ドラえも・・・ん?あれ?」
「どうしたの?ケントさん・・・ウフッ・・・」
「いや、こっちのエムプさんもワイルドで・・・アリかなぁ」
それに、衣装なのか、体毛なのかわからんが
なんか、モフモフしたもので体が覆われてはいるけれど
ほぼ、乳丸出し!おへそはモチロン、その下も三寸以上肌色で・・・
とにかく、隠れている体の部分が少なくて・・・エロい!
その小さなコウモリみたいな羽も、矢印みたいな尻尾も、なんかイイ!
「ダメ!ケントさん!それはコイツらが使う『魅了』という術なの!」
「まったく、夢の中だけじゃ飽き足らず、リアルでも邪魔に入るなんて!
ホントウザい天使なんだから!シャーッ!」
カレンに対して、スクプちゃんがサキュバスの姿で威嚇した。
ああ、スクプちゃんのサキュバスコスもエロカワイイなぁ~でへっ。
「もう、チョロ男でチャラ男のケント!しっかりしろ!」
「邪魔よ!低級魔女っ娘!」
今度はスドさんの手から、なんか幾重もの円と文字や記号みたいのが出てきて
カレンをすっ飛ばした!
「きゃ!」
部屋の外、廊下を通り越し壁を貫いた魔女っ娘・・・
「カレン!大丈夫か!あは・・・エムプさんそんなにペロペロ舐められたら・・・」
ああ、なんか気持ちいい・・・
ボン!
音を立てドア周辺の壁が吹き飛んだ!
「魔法陣って言うんですよ・・・ケントさん」
カレンが、あの懐かしいエロ魔術師コスで立っていた。
「んもう!頭にきた!正義の魔女っ娘魔法で、満月に代わってお仕置きよ!」
「ふん、ひよっ子が!八百年もの長きにわたり魔導士として生きて来た儂に敵うとでも?」
え?スドさん八百歳?アラフォーどころかアラ八百?
「えっと、炎の魔法の詠唱は・・・なんだっけ?」
おいおい、ここで『サルでもわかる』を読んでる場合じゃないぞ!カレン!
「あらあら、今からお勉強?そっちが来ないなら、こっちから行くよ!」
スドさんの手から、またあの光る円、魔法陣だっけか、それが出た!
ヤバい!カレン!また!
かぷっ!
ああ、エムプさんが俺の首筋に噛みついた!
痛っ・・・気持ちいいなぁ・・・あはっ!
「えっと、出でよ炎・・・じゃなくて、ファイアーエンブレム!・・・
これも違くて、イチ、ニィ、サン、ダーっ!ああ、全然ダメ・・・」
「死にな!魔女っ娘!」
スドさんの魔法陣がスゲー明るくなった!
ヤバいぞ!カレン!あはっ、気持ちいい~
「ええい!もう!オオニタファイアー!」
カレンの持つ杖から、物凄い炎が出た!
「こ、この技は!まずい!シャ、シャンジモン!」
火炎放射のような炎がスドさんを襲う!
「ギャーッ!」
「スドさん!」
「あら、心配してくれるのケントくん」
あれ?スドさん?でも俺の横にいたのは・・・
「く、クソババァ!スクプを身代わりにするなんて・・・」
炎の中の人影が燃えて朽ちた・・・
「へぇ、『入れ替わり』の魔法かぁ・・・
スクプを身代わりに自分だけ助かるなんて・・・酷い魔導士だな」
いや、アルプさん、冷静に言ってる場合じゃ、スクプちゃんが!灰に!
と、ここでエムプさんが、さらに俺を吸う。
・・・ああ、体の力が抜けて・・・ああ、気持ちいい・・・
も、もう、語り部無理・・・
「スクプ程度の低級悪魔など、儂がいつでも復活させてやるわい!」
え?スクプちゃん復活できるの?ヤッター!
「しかし、あの伝説の大技・・・まさか、あんなひよっ子が・・・」
「なんだい、スド、随分ビビっているじゃないか」
「ビビってなどおらん!ただ、あの大技は厄介じゃ」
「仕方ないな、天使に触れるのは嫌だけど、ボクがいってくるか・・・」
部屋の半分が燃える中、平然と人間の姿のままアルプさんがカレンに近づく。
「サキュバスごときに、何ができるっていうの?」
身構えるカレン。
「さて、何ができるかなっ!」
カレンに向かってアルプさんが手をかざすと、ピンク色のオーラがアホ天使を包んだ。
「あ~ん!」
杖を投げ出し、悶えるカレン。
なんだ?このエロい展開は!
「ボクはインキュバスなんだ」
「な、なんですって!あ、あ~ん!」
「だから・・・女の子にもボクの技は通用するんだよ・・・」
悶えるカレンを後ろから優しく抱き寄せるアルプさん。
ああ、エロい!
「天使の君の精気は吸えないけど、こうやってエッチな気分にさせる事はできるんだ」
「だ、ダメ・・・ああ、日頃の欲求不満が・・・ああ!百合もありかも・・・」
おお、いいなぁ、エロいなぁ・・・
うわっ!アルプさんがカレンの乳を・・・
あれ?目がかすんで、せっかくの百合がらみが・・・よく見えん・・・
「ケントさん!どうにかしてください!あ、あん!だめ~」
「気持ちいーし・・・いんじゃね?」
「このままじゃ死んじゃいますよ!ケン・・・いやあん!」
「死ぬのか・・・俺・・・でも、生き返れるんだよな、異世界じゃ」
「ダメです!悪魔に精気を抜かれた人間は・・・あ、あ~ん!」
「カレン・・・声が、エロすぎ・・・」
そうか・・・死ぬのか、俺・・・
「あの、エムプさん・・・」
「何?ケントさん」
「もう、気持ちいいから死んでもいいんですけど・・・」
「うん」
「首じゃなくて、違う所を吸ってもらえませんか?」
「違う所?さっきから大きくなっている『ここ』かしら?」
「あ、ああん!そ、そこも吸って欲しいんですが
その・・・俺、初チューがまだでして・・・」
「わかったわ。唇から吸って欲しいのね」
「ええ・・・」
いいんですか?うほ~!
じゃ、じゃあ、チューの後はそっちの方を・・・
顔が人間のエムプさんに戻っていた。
「ケントさん・・・」
あのキレイなお姉さんの唇が・・・
俺の唇に近づいて・・・
ああ、死ぬ前に初チューを・・・
シュン!
空気の裂ける音と共にエムプさんの顔が消えた!
キレイなお姉さんの首が飛んだのだ!
残った胴体から上がる血柱!
「ギャ、ギャー!」
悲鳴を上げる俺。
血しぶきの向こうで黒い鎧の人物が言った。
「無事か?少年!」
次話予告
問題。黒地に白い模様はどれ?
①パンダ
②シマウマ
③黒の見せパンから白いリアパンがはみ出ている・・・
ブーッ!ブーッ!
おっと、ここでタイムアップ!
最終問題は大人の事情で打ち切りとなりました。
では、らたまいしゅう!
次回「黒と白の騎士」
うん、ようやくエロ展開もひと段落かな・・・