#勇者やめました
カレンは、平和を謳歌している王都の人々が知らない事実を語り始めた。
「魔王が復活した。と言いましたけど、新しい魔王なんです。」
「新しい魔王?」
「ええ、前魔王の娘です」
「娘?」
「それが、超絶カワイイ女の子だそうですよ」
「何!」
「お、さすがエロ童貞、喰いついてきましたね」
いや、俺は、別に・・・
「で、新魔王に勝てたら、そのカワイイ女子にエッチな事し放題らしいですよ」
な、なんだとー!!!
あ、待て待て、落ち着け俺。
この流れだと、また、話が一向に進まない・・・
ここは、ノーリアクションでコイツの話を聞くとしよう。
で、このアホな魔女っ娘の話の要約!
ひと月前、選抜騎士団と義勇軍の連合チームは、魔王を倒したが
魔王は死の直前、その力の全てを自分の娘に与えた。
悪の力を受け継いだ少女は、新魔王となり騎士団と義勇軍を壊滅させた。
一度、『魔王討伐成功』の花火を打ち上げてしまった王国中枢は
秘密裏に何度か魔王討伐チームを派兵したが、ことごとく撃破された。
そして、今でも王城サイドは、魔王復活を人々に隠し続けている。
「なんだかなぁ~な話だな・・・」
「まぁ、大人の事情ってヤツなんでしょう。
あ、『大人の情事』とは違いますからね
あと、ジョージ〇山先生のエロい漫画でもありません」
だから、会話にいちいちエロと昭和を挟むな!
「でも、そういう事情なら、真っ先に俺の所へ連絡が来るんじゃないのか?」
「ああ、王様は敏腕エージェントを使ってケントさんを探していたとか・・・」
「敏腕エージェント?」
「ええ、コード『00』の凄腕スパイだとか」
「だが、俺はフツーに王都の宿屋を転々としてただけだぞ
なぜ俺を見つけられなかった?・・・」
「おかしいですね、コード0073の調査能力は王国でもピカイチで
その手帳に書かれた情報は、よその国の王たちが震えあがる内容だとか・・・」
「手帳?コード0073?おい、それって、あの『七三給仕』じゃないのか?」
「あ・・・」
「あいつは王都で、俺が変態だというガセネタ流してただけだぞ!」
「いやいや、ケントさんが変態というのはガセじゃないですよね」
「ま、とにかく、そういう訳ですから、行きますよケントさん」
「どこに?」
「魔王討伐に決まっているじゃないですか」
「だから、行かないって」
「あれ?魔王は超絶カワイイ女子ですよ。勝てばヤリ放題のサセ子ですよ!」
その時、また俺の耳が摘まみ上げられた。
「あいててて!」
「もう、ケントったら、また美人のお客さんにデレデレしちゃって」
「ああ、スクプちゃん、ゴメン、すぐ戻るよ」
「あ・・・」
スクプちゃんがカレンを見て、一瞬固まったように見えた・・・
まぁ、この怪しい出で立ちを見たら無理もないか・・・
「あ、洗い物とか たまっているから、スクプは、もう、行くからね」
ああ、お店のお客さんもいいけど、やっぱこの家族は最高だ!
「見たろ、カレン。今の超ド級に可愛い子。俺は今あんな子と暮らしているんだ」
「はぁ?だから何です?そこまでカワイイとは思えませんが・・・」
「美人一家とリアルラブコメ生活。店に出ればモテモテのアイドル。
そんな暮らしを捨てて、危険極まりない魔王討伐?ないない!」
「もう、ケントさん、なに夢見がちなこと言ってるんですか!
黙ってようと思いましたけど、もう言っちゃいます!ここは・・・」
俺は、カレンの唇を人差し指で塞いだ。
「お前の言いたいことはお見通しだ。
どうせ、『魔王を倒したらエッチしてあげます』的な事言って
俺を騙そうとしているんだろうが、ノーサンキューだ」
「・・・」
「間に合ってます。それに、俺はもうカエルにはなりたくない」
「・・・」
「まぁ、どうしてもお前が俺に抱かれたいって言うのなら
そこいら辺の雑魚モンスターを狩ってレベル上げして来いよ!
職業変更できたら、抱いてやってもいいぜ!魔女っ娘さんよ!」
「きぃーーーーっ!!ケントさんのバカ!おたんこなす!このクソチャラ男!」
カレンはテラスのテーブルをちゃぶ台返しして走り去った。
「バーカ!バーカ!お前の母ちゃん『なろう作家』!え~ん!!!」
しかも、子供のように泣いていた・・・
ざわざわざわ・・・
店の客がざわめきだした・・・
「ええ?伝説の勇者って『チャラ男』なの?」
「変態だけならまだしも『チャラ男』じゃ・・・ねぇ・・・」
「ちょっと幻滅、『チャラ男』はないわー」
あれ?俺のアイドル株大暴落?
そんなブラックマンデーRXみたいなテラス席の俺を見て
店の母屋で悪だくみが行われていたなど、俺は知らなかった・・・
「まずいな・・・」
「ああ、アイツはまずい・・・」
「仕方ない、計画を早めよう」
「でも、ボスはどうする?」
「なに、ヤッってしまえば文句も言うまい」
「ああ、ボスが寝ている夜のうちにヤッちまえば・・・」
「確かに、ボスは夜、死んだように寝て起きないからな」
「今夜か?」
「いや、今宵は満月、色々と不都合だ」
「では、明日の夜」
「ああ、明日の夜、決行だ」
次話予告
主人公株大暴落・・・
チャラ男が鬼畜の捨て台詞
ただでさえ少ない女性読者さまの【ブックマーク】解除の音が鳴り響く中
懲りない男は、更なるエロ展開へと、ひた走る・・・
次回「真夏の夜の夢」
展開バレバレでも、続き読んでね!




