勇者様のブランチ
またまた、駄作者脳内会議・・・
「しまった・・・すっかり忘れていた・・・」
「何をです?」
「今日は、『あのゲーム』の発売日だ」
「ああ、今回で11作目でしたっけ・・・予約し忘れましたか」
「まぁ、時代が違うから、発売日に長蛇の列とか徹夜組なんてのは無いでしょう、当日でも買えるんじゃないですか?」
「いや、『あのゲーム』は作者の中で『9』の【すれ違い通信】で終わっている」
「じゃあ、何をそんなに残念がっているんですか?」
「便乗するチャンスを逃した・・・・」
「なるほど、タイトルを『#勇者はじめました』とかに変えましょうか?」
「でも、そのハッシュタグ『冷やし中華はじめました』的でどうなんすかね?」
「うむ、今作連載開始の時『はじめました』は使ってしまったしな・・・」
「じゃあ、『なんだよ!2(仮)』を今週だけ『なんだよ!Ⅺ~すぎや〇こういちをもとめて』に変えますか?」
「いや、何をやっても無駄だ・・・今週末は、アクセスが伸びいないだろう・・・」
「何故です?」
「考えてみろ、こんなパチモンファンタジー読む暇あったら、王道中の王道ファンタジーRPG『あのゲーム』のレベル上げしてた方がマシだろ」
「確かに・・・」
「仕方ないっすね、そこのヤ〇~ダ電機いって『11』買ってきますね」
・・・というわけで、『勇者様のブランチ』Lv.上げしながら読んでね!
「魔王が復活したんです」
幻聴や夢の中に現れるという多少の前フリはあったが
唐突に俺の前へ再登場したカレンはそう言った。
「へえー(棒)」
「あれ?どうしたんですか?ケントさん。リアクション薄いですよ。
魔王ですよ。悪の権化、この世の災厄、あなたの宿敵が復活したんですよ」
「ああ、興味ない」
「ええっ!ケントさん、自分が伝説の勇者だってこと忘れちゃったんですか?
エッチな事ばかり考えすぎて、脳みそが〇コメからアサ芸になっちゃいました?
自分の名前も書けないヤンキー校生のレベルってそんなものなんですか?」
「だって、今俺は・・・」
その時、店の客(カワイイ女子、やはり薄着)が俺に声を掛けた。
「あの、スミマセン。伝説の勇者さんですよね?」
「はい、そうです。私が伝説の勇者、ケントです」
キラッと白い歯を輝かせ微笑む俺。
「あの、握手してください!」
「ヨロコンデ!」
「キャー!ウレシイ!」
「ご望みなら、それ以上の事もOKですよ」
喜ぶカワイイ女子(薄着)。その隣のべっぴんさんが言う。
「ハグしてください!」
「はい、大喜びで!」
「あ~、ズルイ!いいなぁ~」
握手したカワイイ女子(薄着)にも、俺はハグしてやる。
喜ぶカワイイ女子たち(薄着)。
「あの~、ほっぺにチューしてもらえますか?」
「モロチン!ヨロコンデ!」
背後から聞こえる女子の声に、振り向く俺・・・
「あ・・・そういうのは、ちょっと・・・」
カワイイ女子(薄着)ではなかった・・・
「最低ですね、ケントさん。最後の子、顔で餞別しましたね・・・」
「いやぁ、びっくりした・・・
本当に一人飛ばしたくなるような子がいるんだな、カレン以外にも・・・」
「失礼極まりねぇーな!」
「と、まぁ、こういう事だから・・・」
「はぁ?どういうことですか?」
「俺は、もう魔王討伐なんて事はしない」
「ケントさん、言ってる意味がわかりませんけど」
「よし、お前のミジンコ並みの脳みそでも分かるように説明してやろう・・・」
「ケントさんて、ホントにいつまでも引きずるタイプですね・・・」
「今、ご覧の通り俺はモテモテだ」
「はぁ・・・」
「今や、俺はこの町王都の、いやこの国、この異世界のアイドルだ!」
「はい?・・・」
「アイドルと言えば国の宝、世界の至宝!」
「・・・」
「俺は、今ちやほやされて幸せなんだ。
その気になれば女子の一人や二人チョチョイとGET!
異世界ハーレムを築く事だって夢じゃない!」
「ああ、いますよねぇ、ちょっと売れて調子に乗って
すぐに写真誌に撮らてダメになるバカな芸能人・・・」
「そんな俺が、わざわざ危険を冒してまで魔王と戦う必要はない!」
「はぁ・・・『頭空っぽの変態』という二つ名に
『浮かれすぎのチャラ男』が加わっちゃいましたか・・・」
「フッ、なんとでも言え、俺はTUEEEE!勇者なんだ。
俺がここに存在するだけで魔王の力が削がれる程のな」
「う~ん・・・『自信過剰の勘違い野郎』ですね・・・」
「魔王討伐は騎士団に任せて、さしずめ俺は後方支援だな。
ここでハーレムな毎日を送りながら・・・」
「この一か月で『ただのヘタレ』から『最低のヘタレニート』に
レベルアップしちゃいましたね・・・ケントさん・・・」
「そもそも、魔王の復活なんて王都じゃ話題になってないぞ。
見ろ、この人々の暮らし。平和そのものじゃないか」
「それが・・・」
カレンは、王都の民が知らない驚きの事実を語り始めた・・・
次話予告
発売三十周年の『あのゲーム』
ついついAmaz〇nで、ポチっとしたくなるのは
ノスタルジーか男の性か?
ハードが二世代前で止まってしまっている作者のゲーム事情
果たして、どっちのソフトを選択するのだろうか?
次回「#勇者やめました」
やっぱ、オープニングの曲と制作スタッフ三氏の名前には、テンション上がるわ~