はい、わたす(私)が、伝説の勇者です。
『異世界転生ってなんだよ! (以下略)』の【新作】です。
『続編』・・・ではありません。PART2?・・・後日譚?・・・
いえいえ、これが『本編』です。
PART1を読んでいなくても、全く問題ありません。
ここから読んでも、お楽しみいただけます!(※1)
でも、前作も読んでいただけたら嬉しいです。
(30分程度でサラっと読めます※2)
では、本編STARTです!
※1:『お楽しみ』には個人差があります。
※2:『読了時間』には個人差があります。(公式読了時間約102分)
その世界は、魔王の脅威に怯えていた。
アルカンタ王国、国王アレクサンドロ・カルロス・オッペンハイマー十三世は、魔法の力で伝説の勇者復活を試みる。
そして、召喚された一人の少年。
榊原健人は勇者の鎧を身に纏い、聖剣エキスキャリバーを駆って
魔王討伐へと旅立つ・・・はずだった・・・
「ああ、セックスしてぇ・・・」
俺は、抜けるような青空を空虚な眼差しで見つめ、そう呟いた。
経験は・・・無い。
それどころか、女の子とチューしたことだって無い。
客引きされて入った店【BAR クリー・ボッター】のお姉さんたちに
ちやほやされて、一気にオールクリアしちゃえとその気になったこともあったけど・・・
「あら~いい男!王都にこんなイケメンがいたなんて!」
「あー、チーママずるい!胸押し当てて誘惑してる!ケントちゃんは私が連れて来たんだからね!ねぇ~ケントちゃん!」
ちょっと年齢はイってそうだが、チーママのアユさん。美人だ。
しかも色っぽい・・・
右腕に当たっている乳も・・・うん、いい感触だ・・・
左腕に押し当てられた乳の名・・・いや、俺の左側のお姉さんの名はクミちゃん。
年の頃なら十八、九・・・こっちも滅茶苦茶かわいい!
この街、いや、この世界は、女全員美人かと思うくらいレベルが高い。
「どうせなら、三人でどう?」
チーママが言った
へ?
さ、さ、三人で、ですか・・・星じゃなくて『P三っつ!』ですか・・・
「え~私、3ペー初めて・・・でも、頑張っちゃおうかなぁ」
さ、さ、3ペー?こっちの世界ではそう呼ぶのかな?落語家さんとかじゃないよね・・・
ああ、クミちゃんエロい!
チーママ、グジョブ!
てか、来たよ!大人の階段!
こういう場合は、経験人数一気に二人になるのかな?
2ペー未経験でも、大人の仲間入りできるのかな?
浮かれる俺にアユさんが言った。
「じゃ、お店閉めましょうか・・・」
で、
俺を待っていたのは・・・
強面の屈強なオッサンだった。
「兄ちゃん、こんだけしか持ってねえだと!」
正座する俺にスキンヘッドのマッチョは凄みを効かせた。
「す、スミマセン」
正座から土下座へポジションチェンジの俺。
持ち歩いている巾着袋に、有り金全部入れてる訳じゃない。
俺の全財産は不思議な道具の中にある。
「ガキの使いじゃねぇんだ、『いい思い』してこれっポッチで済むと思ってんのか?」
いい思いって、ちょっとオッパイが当たってただけで・・・
でも、いい感触だった・・・
「金がねぇってんだったら、てめぇバラシて内臓売ってもいいんだぜ!あん!」
デカいナイフを俺の顔にペタペタしてオッサンは笑った。
ヤバい!この人、目がイッちゃってる!
マジで俺の解体ショーやるつもりだ!
マグロは好きだ!寿司も刺身も大好物だ。
はじめての時も、俺がマグロ状態で色々教えてもらうのが理想だよ。
だが、マグロみたいに捌かれたくはない!
「ちょ、ちょ、ちょま、今出します、出しますから!」
俺は慌てて、ベルトのミニチュア剣を抜いて差し直した。
このベルトは、その操作をすると伝説の勇者の鎧に変化する。
不思議な道具の【四次元ポシェット】は、その鎧に装着してあるのだ。
金は、その【パクリ秘密道具】の中だ!
今支払うから、命だけはお助けを!
ガシャン!ガシャン!ガシャン!
俺の体に鎧が装着される。
おもちゃみたいな剣も俺の頭上で光輝き
【聖剣エキスキャリバー】という無駄にデカい、ハンパない重さの武器に姿を変えた。
ヒーローベルトで変身した俺の姿を目の当たりにしたツルッパゲは、何歩か後ずさりして血相を変えた。
「そ、その鎧・・・その聖剣は!」
ん?
「伝説の勇者!いや、勇者様!」
はい、そうですけど・・・
あれ?このオッサンビビってる?
「し、失礼いたしやした!」
今度はオッサンが土下座した。
「知らぬこととはいえ、どうかご勘弁を」
えっと・・・・
もしかして、勇者SUGEEE?
「こちらも、お返しいたしやすから、命だけは・・・」
まぁ、返してくれるってんなら・・・
いや、ここは伝説の勇者の器のデカさを見せてやろうじゃないか!
「いろいろと飲んで食ったし、それに楽しませてもらったぜ
だからそれは取っときな、釣りはいらねぇぜ!」
「勇者様!なんて懐の深いお方だ!」
スキンヘッドの美人局は、俺を神のように崇め、涙ぐんでいた。
俺、KAKEEEE!
俺は、ちょっといい気分で店を後にした。
「えっと、金貨はあと何枚残ってたっけか・・・」
ポシェットの中に手を入れて金貨を思い浮かべる。
そうすると、中に入れてあるアイテムを取り出せる仕組みなのだが・・・
あれ?出てこない・・・
あ、
残りの金、全額巾着に入れてたんだっけか・・・
もう、夜が明けていた。
広場の丘に立つ俺を朝日が照らす。
はぁ・・・悲しいくらいに眩しいぜ・・・チクショウ・・・
「お兄ちゃん・・・」
途方に暮れる俺に声をかける人物がいた。
少女だった。
十歳くらいだろうか?
「お兄ちゃんは、伝説の勇者なの?」
ん?新手の美人局か?
残念だったね、悪いけど、お兄ちゃんはロリコンじゃないよ・・・
お読みいただき、ありがとうございました!
このページに、たどり着いていただけたことを
心より御礼申し上げます。
で、次話予告・・・
遂に!満を持して!ご好評にお答えして!夢よもう一度!・・・
始まってしまった『パート2』・・・
柳の下にドジョウはいるのか?
豊洲のドジョウは大丈夫なのか?
どぜうをドジョウと読めるのか?
「続編はウケない」
「PART2は、ほぼヒットしない」
「二期でコケたアニメに三期以降は無い」
ジンクスなんてぶっ飛ばせ!
心配すんな!
そもそもPART1は、ヒットしていない!
いや、ここから本チャン!本編だ!
美少女、美女キャラ多数登場!超イケメン騎士様も!
お色気シーン満載!壮絶バトル展開!異世界ストーリーの王道!
夏休みは『なんだよ!』だ!!!
次回「お兄ちゃんは、ロリコンじゃないよぉ」
予告、長っ!