主連棒と連接棒
国鉄は横文字が嫌いな組織である。鉄道省が、かもしれないが。今の役所の説明にミョーな横文字が並ぶのと反対である。いや、待てよ。難しい言葉を並べて人を煙に巻くのとなんも変わらんな。まあさておき。主連棒と連接棒の話だ。
主連棒とは、クロスヘッドを介してピストンの往復運動を回転運動として動輪に伝えるものだ。英語では『コネクティングロッド』と言われる。このコネクティングロッド、断面がHやIなのだな。強度的に無垢の鉄棒よりも強度がありかつ軽い。
連接棒は、英語では『カップリングロッド』と言う。隣り合う動輪を繋ぐ事で動きを同期させかつ力を伝えるための棒である。動輪の錘が実は動輪の位置によって同じ機関車でも異なることは分かるだろうか。手元に写真がないので、分かりやすい写真のアドレスを張っておく。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ファイル:D51namekuzi.jpg
https://commons.m.wikimedia.org/wiki/File:JNR-C621-SteamLoco.jpg
これは主連棒と連接棒等の重さを釣り合わせる都合なのだ。特に主動輪は、連接棒と主連棒とが繋がる以上、他の動輪よりも重いのだ。主動輪には他に返りクランクもつくのだな。このリターンクランクについてはまた今度。
そんで最後にクロスヘッドについて。クロスヘッドとは、まあピストンロッドと主連棒とを繋ぐものなんだけども、何でこれがいるか、だ。それは簡単。蒸気機関車は複動機関であるからだ。複動機関とは、ピストンがどちらに向かうときでも圧力が供給されるもので、蒸気機関では極めて一般的である。ガソリンエンジンでは採用例は私は知らん。デーゼルなら、横浜にある氷川丸がこの複動機関のデーゼルである。あれもクロスヘッドがある。そもそもクロスヘッドがなければシリンダーへの横圧が生じるのだな。かといって小さすぎると破砕する。自動車のエンジンについてないのはそれが理由である。