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アランの出立とユージーンの行方

「はぁ、やれやれ」


 私たちがアランの元に戻ると、アランは目を輝かせて待ち受けていた。


「ドラゴン!すごいな!俺たちがあれだけ手こずって逃げるしかなかったアレを倒しちまうなんて!」


 アランは相当興奮していた。


「どうどう。治りかけの傷が開いちゃうよ」

「あ、すまない。なんだか俺たちの敵を討ってくれたように思えて、スッとしたよ。これでユージーンが無事ならいいんだが」

「アランが人間の町に行くのを見届けた後でいいなら、私も探してみるよ」

「カリノアイマニ、ワタシモサガソウ」

「ワレモサガス」

「グウゼンミツケタラ、ヒロッテオク」


 もう魔物たちにとっては落とし物扱いだ。


「一応、アラン達が護衛していたっていう商人の生死も確認しておくよ。日数経ってるし生きてる方が不思議だけど、一応ね。何を運んでいたのかも気になるし」

「何から何まですまない。俺たちも荷は改めなかったし、中身は知らないんだ。ヤバいものを運んでいたら護衛も危険手当が欲しいし、物によっては断るからって仕事の前に中身を改める護衛もいるみたいだけど。料金は通常の範囲内だったし、大きな荷物でもないし妙に急いでいること以外は怪しく感じなかったから俺たちもつい通常通りに引き受けてしまった。もっと警戒していればな……。怪しいと思った時点で、中身を改めて危険手当を請求するなり断るなりできたのにな。俺たちが迂闊だったよ」


 高い勉強代だったようだ。


「兎に角!俺は安静にして治すのに専念することにする!早く町に知らせたいから誰かに伝言を頼みたいところだが、ドラゴンや魔物に頼む訳にもいかないしな」

「それは無理だね」


 私たちが町に向かえばパニックになるのは目に見えてる。

 人間に変身できることはまだ隠しておきたいしね。何よりまだ完璧に変身できない。


 そして、2日後、漸く粗方傷の癒えたアランは町に向かった。

 アランが目を覚ましてから、短時間ではあるが魔物たちにアランを任せてユージーンの行方と商人を探してみたものの、ユージーンは見つからず。商人は既に魔物や動物に食べられたらしく、骨しか残っていなかった。

 商人の荷物を改めようにも、馬車は壊れ荷物は方々に散らばっており、めぼしいものは見つけられなかった。魔の森を通る程急いでいたという割には、普通の商人が持っていそうなものしか見つからず、なぜ商人が執拗に狙われたのかは結局不明のままに終わった。

 アメーバモドキには、誰か指示を与えている者がいるようだと言っていたから、そいつが指示して持って帰らせたのかも知れない。

 結局、私たちが倒した個体はアランたちを襲った個体と同一個体だったのかは分からずじまいだったし。私たちが倒した個体は偉い人のようだった元美少女が、調査の為にと持っていってしまった。

 普通の道具に見えて、何か秘密が隠されている可能性を考慮して、死んだ商人の物は壊れた馬車も含めて全て巣に持ち帰った。これで何か分かるといいんだけど。


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